55.
夫人「今回の景品はこちらザマス!」
▼勇者たちは 「ゴルゴレの書」 をてにいれた!
勇者「なにこれ」
戦士「語呂が悪い書名だな」
僧侶「ゴルゴレ……ゴールドゴーレムの略称ですね」
勇者「ん、そういえば砂漠で囲まれたっけ」
戦士「あの時は大金持ちだったな!」
僧侶「今は見るべくもないですけどね」
戦士「ガハハハ……はぁ」
夫人「読めばけいけんちがガッポガッポ! お手軽に強くなれるザマス」
僧侶「まあ! すぐにでも読みましょう!」
戦士「珍しく使えるな。今回は店屋に行かなくて済みそうだぜ」
夫人「今さらっとすごいこと言わなかったザマスか??」
勇者「……ねえ」
戦士「なんだ」
勇者「どうして本を読むだけで、肉体が強くなるの?」
戦士「始まったな。僧侶はどう思うんだ?」
僧侶「うーん。ナゼナゼ期ですかね?」
戦士「勇者のことは聞いてない」
勇者「夫人はどう思う?」
夫人「アタクシ⁉」
勇者「うん。たまに頭動かさないと、死んでるのと一緒だよ」
夫人「う、生まれて初めてそんなこと言われたザマス……」
夫人「思うに――書物は読者に知識をもたらすものでございましょう?」
勇者「うん」
夫人「知識は体得され経験となり、経験は己の血肉となる」
夫人「つまり、知識が肉体を醸成するという意味で強くなるのでは?」
夫人「……どうかしら。割と真剣に考えたザマスが」
勇者「うん! 何言ってるのかわかんなかった!」
夫人「どうして分かんないザマスか!!!」
戦士「まあ、ガキだし。もう少し噛み砕け」
夫人「ぐぬぬ……」
僧侶「色々考えても詮無い事です。我々はただ享受することとしましょう」
勇者「えー?」
僧侶「そもそもけいけんちとは何かとか、芋づる式に問題が出ちゃいますよ」
戦士「多分……深く考えない方がいいんだろうな、そこらへん」
勇者「なんかつまんなーい」
戦士「我慢しろ」
勇者「やだやだやだ! 世界の謎を解き明かすんだい!」
僧侶「やっぱりイヤイヤ期でしょうか……」
戦士「育児はいくらやっても慣れないな……」
夫人「だから、外でやってくれザマス……!」
死まで、あと46日




