5.
魔法使い「……ねぇ」
勇者「おーい、どこー?」
魔法使い「ねぇってば」
戦士「怖くないぞー、出てこーい」
魔法使い「ねぇ!」
僧侶「にゃんにゃんごろろ、にゃんごろろ――」
魔法使い「……ちょっとはアタシの話聞きなさいよっっ!」
戦士「何ださっきからうるせぇオンナだな!」
勇者「そうだよ、猫がびっくりして逃げちゃうだろ」
魔法使い「猫探し。ああそうね、今アタシたちは猫を探してるのよね」
僧侶「そうですよ、だから私もとっておきの猫ちゃんのモノマネで……」
魔法使い「それが! 街に着いて早々やることかってアタシは聞いてンの‼」
勇者「だってぇ、宿屋のおばちゃんが寂しそうでぇ……」
戦士「はっ、飼い猫が消える寂しさはガキにはまだ分からんか」
魔法使い「ふん。それくらい分かるわよ、アタシだって飼ってたもの……」
僧侶「でも、それとこれとは?」
魔法使い「話が別――って、アンタも同罪よ! 一番ノリノリじゃない」
僧侶「私、こういうのを聞くと放っておけない性格でして~」
戦士「あれ、何だか前の街でも似たようなことをした気がするな」
勇者「そういえば前の前の、その前の所でもやったね。……あれ?」
魔法使い「……やっぱり、勘違いじゃないわよね」
勇者「うん。――僕たち、行く先々で猫探ししてるよ」
戦士「おまけにそのどれもこれもが、僧侶の嗅ぎつけてきた話だ」
魔法使い「……ちょっとアンタ、何コソコソ逃げようとしてるのよ」
僧侶「い、いえ⁉ 私はただ、ここにはいなさそうだなーと……」
魔法使い「へぇ? じゃあ今回の猫探し、何が報酬か言ってごらんなさいよ」
僧侶「そ、それは……」
僧侶「猫ちゃんを見つけられたら、好きに撫でていい、です……」
勇者「今までのと全く同じ条件――これって」
戦士「ああ……クロ、だな」
僧侶「こ、今回は白猫ですよ!」
魔法使い「今そんな話しとらんわーっ! 次から開幕猫探しは禁止!」
僧侶「そ、そんなあ! ひーん……」
死まで、あと96日




