47.
勇者「ドワーフの街だ!」
戦士「まさか地下にこんな空間が広がってるなんてな」
魔法使い「珍しい魔道具の気配がビンビンするわ!」
僧侶「無駄遣いはやめてくださいね~」
戦士「流石というか、酒場も多いな」
魔法使い「天国じゃないのよ‼」
勇者「二人とも肩組んで楽しそう」
僧侶「全くもう……」
戦士「オイ見ろ、あんなガキまで酒飲んでやがる」
魔法使い「ホントね。まさにドワーフって感じ」
???「ドワーフだったら酒飲めなくちゃいけないって言うんですか!!」
戦士「びっくりした、誰だテメェ」
青年ドワーフ「あすみません……。今の言葉に耐えかねて……」
魔法使い「ん? アタシたち、何かアンタに言ったかしら」
青年ドワーフ「お酒を飲むのがドワーフらしい、って」
戦士「ああ、まあ……あくまでもイメージだが」
青年ドワーフ「そ、そのせいでボクがどんな思いをしてるか分かりますか⁉」
魔法使い「ちょっと落ち着いてよ。何の話?」
青年ドワーフ「ご、ごめんなさい……取り乱しました」
青ドワ「――仰る通り、ドワーフには老若男女問わず飲酒文化があります」
青ドワ「宴、集会、会議……酒は我々を繋ぐ綱でもあります」
青ドワ「でもボクは、一滴もお酒が飲めないのです」
青ドワ「酷いものです。集まりでは白い目で見られ、友人もできません」
青ドワ「ボクが大人になるにつれ、発言権はどんどん弱まっていきました」
青ドワ「それは別に構いやしません。これが社会不適合なのは分かりますから」
青ドワ「……ボクが一番嫌いなのは、彼らが酒の力を信じすぎていることです」
青ドワ「酒があれば胸襟を開くことが出来る」
青ドワ「酒があれば何をしても許される」
青ドワ「酒さえあれば。その上に成り立つ関係が、どうしてまかり通るのか?」
青ドワ「……ボクは疎外されてるのが苦しいんじゃない、本当に苦しいのは」
青ドワ「『酒でしか育めないモノ』という夢を、ボクだけが見られないことです」
青ドワ「うぅ――」
戦士「……よく分かった!」
青ドワ「ほ、本当ですか⁉」
戦士「とりあえず、続きはそこの酒場で聞こう!」
青ドワ「絶対伝わってない――‼」
死まで、あと54日




