42.
僧侶「聖なる力を扱えるようになりたいです」
勇者「あ、あのめっちゃ息切れしてたやつ?」
僧侶「他の皆さんは普通に使えているようなのですが……」
勇者「聖なる力って、どんなやつなの?」
僧侶「基本的には魔物特化の力ですね」
勇者「へえ」
僧侶「女神様の力の一端を使わせていただいているといった感じです」
勇者「じゃあ女神には魔物を倒す力があるってこと?」
僧侶「知りたいですか?」
勇者「なんとなく気になるかも」
僧侶「ではお話ししましょう、あれは創世期――」
勇者「待って」
僧侶「どうされましたか?」
勇者「その話、長くなる?」
僧侶「多少ですよ」
勇者「……どのくらい?」
僧侶「日が昇るまででしょうか」
勇者「今ド深夜なのに?」
僧侶「えへへ」
勇者「えへへじゃないよ」
僧侶「では手短にしましょうか?」
勇者「いや、別にそうしなくていいよ」
僧侶「そうですか。では創世期のこと――」
僧侶「――それで、女神様は魔物を追い払えるようになったのです」
勇者「……」
僧侶「あら、寝てしまいましたか」
僧侶「……悪霊に襲われて怖い思いをしたのですね」
僧侶「勇者様が私のテントに来るなんて、いつ以来でしょうか」
僧侶「……聖なる力は、悪霊をも追い払える」
僧侶「勇者様をお守りできる、私の力」
僧侶「何としても、使えるようになりたいものです」
勇者「ぅぅん……僧侶……」
僧侶「⁉ ね、寝言でしたか」
勇者「たすけて……」
僧侶「――!」
勇者「……」
僧侶「……。」
僧侶「もっと」
僧侶「……もっと、強くならないと」
僧侶「勇者様の、お傍に居る為に」
死まで、あと59日




