良い天気
「良い天気だ」そう呟いてしまうほどに、空は光り輝いていた。朝、ふと気が向いて寝起きに散歩に向かったので、強い白い陽が眩しくて空の様子を確認することは叶わないが、僕には澄み渡る雲一つ無い蒼穹が確かに見えていた。何だか清々しい日だ。僕は陽が余りに強い日は好まないのだが、今日の天候は例外だ、気分が良い。それはきっと吹き抜ける朝独特の涼やかな風に因るのだと少ししてから気づいた。体全体は太陽によってぽかぽか暖かいのに、肌が露出した部分に当たって溶ける風に因って爽やかな気分で居られる。今日は素敵な日になりそうだ、と珍しく良く晴れた曇り無い脳に浮かんだ。そこで、ふと思い出す。天気予報ではたとえどんなに快晴であってもそれを『良い天気』と形容することはしないという。一般的に晴天になれば喜ぶ人が多いだろうが、それはどれだけ比率が高くても一部に過ぎない。雨が降ってほしいと常々感じている人、曇りをこよなく求める人も居る。人によって、晴天は好きだが雨天は嫌いという人も居れば、雨天は好きだが晴天は嫌いという人も居る。誰かにとっての「好き」は、誰かにとっての「嫌い」であることはざらにあることだ。僕は何と無く笑った。僕はこの天気が好きだ。なら、それで良いじゃないか。それだけで、良いじゃないか。
結局は自分で完結する。
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