7話:高まる水素エネルギーへの注目
航続距離はFCXが355キロメーター、FCHVが330キロメーターと物足りないものだった。水素は流通段階でも扱うのが難しい。漏れやすいのは同じであり高圧での保存が求められる。水素ステーションの建設にはガソリンスタンドよりもはるかに大きな費用が必要だ。また水素は自然界
には単独ではほとんど存在せず、燃料として使うには何らかの方法で製造しなければならない。水を電気分解して作るのが理想だが、採算を考えれば現段階では不可能だ。石油や石炭を改質して水素を取り出す方法では完全にクリーンとはいえなくなる。ガソリンに対抗できるコストで、しかも環境面でアドバンテージを得るのは簡単なことではない。そして新たなライバルも出現した。電気自動車・EVである。2009年に三菱がアイミーブEVを発売し2010年には日産がリーフで続いた。
アメリカのテスラモーターズは、それより早い2008年にスポーツカーのロードスターを発売している。EV自体はガソリンエンジン車よりも歴史が古いが電池の性能が向上したことによりエコカーの有力な選択肢となった。次世代車の方向性が定まらない中、FCVをめぐって新たな展開が生まれる。2011年、トヨタ、ホンダ、日産とエネルギー企業10社が水素ステーション100カ所の先行整備をうたった共同声明を発表した。2013年、トヨタとBNW、日産とダイムラー、フォードが、それぞれに燃料電池システムで提携することが明らかとなる。日本では2014年4月に閣議決定されたエネルギー基本計画に「水素社会の実現」という文言が盛り込まれた。ホンダFCXクラリティ。従来モデルのFCX同様、官公庁や民間企業へのリース販売のみが行われた。PHEVとはブレーキエネルギーの回生だけでなく外部からのバッテリーへの充電も可能なハイブリッド車、もしくは発電や走行の補助を行うエンジンを搭載した電気自動車のこと。
トヨタとBMWは2013年1月に自動車の共同技術開発に関する正式契約を締結。その中には燃料電池車の研究開発も含まれていた。トヨタは2014年11月に燃料電池車「ミライ」の販売を開始した。EVが脚光を浴びた事により、FCV後塵を拝した形となった。それでも、地道な開発が着々と進められていた。トヨタが2007年に発表した改良版のFCHV-advは水素タンクの圧力を2倍の700気圧にし航続距離を830キロメーター(10・15モード)に伸ばしていた。ホンダが2008年からリース販売を開始したのはFCXの後継車となるFCXクラリティである。スポーティーな専用ボディーをまとい、最高速度は時速160、航続距離は620キロメーター「10・15モード」
となった。
一方、期待されたEVも普及は遅々として進まなかった。ネックとなったのは価格と航続距離である。高価な電池を大量に積まなければならず軽自動車をベースとしたアイミーブでも当初の価格は450万円を超えた。国の補助金を適用しても負担額は300万円以上である。航続距離は最大で120キロメーターとされたがヒーターを使うと80キロメーターまで落ちる。電池切れの危険を考えると、せいぜい50から60キロメーターほどが実用的な移動範囲だった。充電は夜間に自宅で行うのが基本だが、非常の際に急速充電器を使うと、80パーセントまで回復するのに30分を要する。使い勝手の悪さがEVの購入をためらわせた。結局、エコカーとして最も普及したのは車種の選択肢の広いHVだった。ただ初代プリウスと比べると飛躍的に燃費が向上してはいるもののガソリンを使って走るのだから究極のエコカーとはいえない。
EVHVを組み合わせたプラグインハイブリッドカー、PHEVも発売されたが、やはり電池を多く積まなくてはならないため、価格面では競争力を持つに至っていない。2015年が水素元年になると目される中、トヨタは一足早く2014年11月18日に量産FCVのミライを発売した。リースではなく、ユーザーも購入することができる。ホンダは2015年度、日産は2017年にFCVを発売する計画だ。2020年、大手自動車メーカーのFCVが出そろうことになるといわれている。エネルギー革命が、見えないところで静かに進んでいるのかもしれない。燃料電池はガソリンエンジンに代わる動力源というだけにとどまらず、エネルギーの根本的な転換という意味を持っている。アイスランドでは、国全体で石油に頼らないエネルギー構造を実現するための試みが行われておりFCVに加えて燃料電池バス、燃料電池船を運行し水素ステーションの建設を進めている。2050年には水素社会を実現するという壮大な計画だ。
日本と同じく資源を持たないアイスランドにとって、石油依存からの脱却は悲願なのだ。先進諸国では2020から25年までに自動車1台当たり二酸化炭素排出量を約100g/キロメーターに抑えることを義務付けることが決まっており、環境対策車の開発は急務となっている。ただ次世代車にはまだ不確定要素が多くテスラモーターズCEOのイーロン・マスクも「FCVが自動車産業が進むべき正しい道だとは思わない」と発言している。その中で日本は水素社会へと大きくかじを切った。国会の水素議連のメンバーは100人を超え、経済産業省は「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定した。2020年の東京オリンピックは水素社会をアピールする絶好の機会ととらえられ、舛添要一東京都知事は「競技施設、選手村ではガソリン車を排除する」と発言した。
2012年に買い取り価格1kwあたり42円という太陽光発電の買い取り制度が始まった。当時の太陽熱温水器と太陽光発電装置が一緒になったシステムの設置費用が260万円であり、神奈川県と横浜市の補助金「太陽光+太陽熱」19万2千円が出た。太陽光発電の買い取り条件は6kW「買い取り期間20年、2032年まで」月に150KW平均で¥6300の買い取り価格となる。年間、約¥76000、20年で151万円程度。太陽発電装置を設置してから月平均600kwhを発電して、月の使用量が440Kwhであり、年間8万円売電できた。その経験で、家の車のガレージの屋根に4Kwhの太陽光発電装置を220万円で追加した。これによって売電金額が増えて、太陽光発電装置の減価償却が非常に早まった。




