閑話① 眠れない夜
寝落ちしてしまい投稿が遅れました
ボク達が一つ屋根の下で共同生活を始めてから、数日が経過したある日の事だ。この数日間、道を行き交う人達は店の前で一旦立ち止まるのだが、結局、誰も来店する事はなかった。原因は店の外観や看板がボロボロな為、廃墟と勘違いして誰も店に訪れようとはしなかった。
ボクは、店の営業を止めて大工さんに店の修理を依頼する事にした。このままお客さんが全く来店せずに店を潰してしまうのは義理の両親がきっと悲しむ事だろう。幸いにも両親が遺した貯えがあるので、大工さんに修理代を支払う事自体は何とかなりそうだ。
ボク達は店舗にある商品棚以外の物を店舗部分の倉庫や居住部分の空き部屋に移動することにした。
「レオナ、こっちは片付いたけど次はどこ片付けるの?」
「店の片付けはこの位かな?次はこっちの片付けするよ~」そう言うとボクはポーションを作っている薬室にフィアナを案内する。
「レオナ、ここ凄く臭うね……」
「しばらく、使った材料を放置してたからね……」
薬室の中は悪臭に満ちていた、腐ったモンスターの部位や腐った材料の残骸を放置していたのが原因だった。
「よしっ!じゃあ早速掃除をしよう」
「うん、分かった」
ボク達は地獄と化した薬室の清掃に取り掛かる。最初に窓を開けて換気をしてから、腐ったモンスターの部位を袋に詰め込むまでパウチ良かったのだが……一つ問題が発生する。
ゴミの処理をどうするのかを決めていなかった、取り敢えずここの清掃が終わってから考えよう。ボクが腐った物を片付ける間、フィアナは床や壁を雑巾がけしてくれた。しばらくすると、薬室の中は清掃前と比べると大分、綺麗になってきた。
次はボク達二人がかりで行なう大仕事である。ポーションや回復薬などを作っている釜と炉の清掃を開始する。実は、この清掃が一番の重労働だった。半日掛けて清掃をしても汚れが然程も落ちてはいなかった。
清掃作業は翌日へ持ち越しとなった。翌日は最初にゴミを捨てるところから始めた、そして――半日を掛けてようやく釜と炉の清掃が終わった。
「フィアナ、掃除手伝ってくれてありがとう」
「別にお礼なんていいよ」
ボクが感謝の意を伝えるとフィアナは照れくさそうに顔を背けた。ただで手伝ってもらうのは、申し訳無いのでボクはフィアナを食事に誘うことにした。
「ねぇ、フィアナ、これから一緒にご飯食べに行かない?」
「うん、分かった」
ボク達は着替えてから食事に出掛けた、どこでご飯を食べようかな?迷っているとフィアナが「屋台で食べたい」と言うのでボク達は市場通へと向う。
ボクは何度も屋台で食べた事があるけど、フィアナはまだ食べた事がなかったようだ。
「ボクのオススメの所があるから行こう」
ボクはフィアナをオススメの屋台に案内した。
「レオナ、ここの屋台にあるメニュー全部頼んでもいい?」
「うん、いいよ」
「やった♪」
ん?メニュー全部?まさか一人で全部食べる訳ないよね……?この後、ボクは有り得ない光景を目の当たりにする。
フィアナは屋台のメニュー全三十六品を全て注文し始めた。これには屋台のおじさんもびっくりだったようだ。そして――数分後、注文した料理が全てフィアナの胃袋に収まった。注文した料理をフィアナは美味しそうに頬張っている様を道を行き交う人々は足を止めて眺めていた。
ボクは積み重ねられた食器とフィアナを交互に眺めた。あの小さな体にどうやったらこの量の料理入るのだろう?不思議だね。
ボクは食事代を支払おうとすると、お代はいらないと屋台のおじさんに言われる。理由を尋ねるとフィアナのおかげで屋台の宣伝効果があったらしい。そのおかげで屋台は大繁盛していた。
食事を終えたボク達は家ではなく宿屋に泊まることにした。チェックインを済ませてから、すぐに入浴をしたけどこの後ボクは一睡も出来ずに翌朝を迎えた。
一睡も出来ない理由は――ボクとフィアナは同じベッドで眠る事にした。しかし、フィアナの良い匂いでイケナイ気分になり間違いを起こしそうなるのを我慢しようとした。だけど、我慢が出来ないのでフィアナから離れて一回だけ致す事にした。
しかし、一回だけと言いながらエキサイトしすぎて結局、翌朝まで致してしまった。その後、ボクはフィアナの顔をしばらくまともに見る事は出来なかった。
(後で使ったフィアナの下着返さなきゃ……)
これは、ボク達の店が新装開店する数日前の出来事である。
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只今、新作も鋭意執筆中です!TS+VTuber物とTSメイド物のどちらかを今後投稿するかもです