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28:目覚め


 ロウドとエルフォードの戦いは人知れず終わった。二人の捜索が行われていたが暫くしてギルドは捜索を打ち切り、ロウドが行っていた冒険者の襲撃は闇に葬られた。


 グルシオ大陸で生まれたレアドロップも同時に失われていき、冒険者達の間ではお伽噺の類となって語られていく程度の存在となって薄れていった。


 そうしてロウドの英雄としての側面だけが語り継がれ、真実の大半を多くが知らないまま長い時が流れていった……。






 ◆◆◆


 封印されてからどれだけ眠っていたのだろうか。意識が覚醒する事のない微睡みの中を彷徨う様な感覚が続いていたがそれは突然終わりを告げた。


「お目覚めですかな?」


 掛けられた声に瞼を開けると全身黒ずくめで口元までフードで隠した男が視界に入った。手にしている黒い杖からはレアドロップとは似た気配を感じる。


「お前は何者だ」


「ふむ、名前は色々とありましたが……フィフスとでも呼んで頂ければ」


「そうか、では何故俺を目覚めさせた?」


「本来はこの塔に用がありましてね……そうしたら封印されていた貴方を見つけたので善意で起こした次第にございます」


「そうか……だが、いらん事をしてくれたな」


 剣を突きつけながら殺気を放つ。風が黒衣を揺らすがフィフスは殺気を受けながらも微動だにしなかった。


「この退屈な世界で起きているくらいなら眠っていた方がまだマシだった。偶然ならばともかく俺を起こして退屈な時を過ごさせるお前は不快でしかない」


「恐ろしいですねえ……詫びと言ってはなんですが貴方の望むものを用意すると言ったらどうでしょうか?」


 剣をフィフスの首に当てながら考えるが聞くだけ聞く事にする。つまらない事を言うのならば首を刎ねれば良いだけの話だ。


「ならば俺を殺せるだけの強者を用意しろ。生半可な者ではなく、俺の心を奮わせるだけのな」


「これはまた難しい注文ですな……では、かつての文明を滅ぼした魔神は如何ですかな?」


 フィフスの口から語られたのは旧時代の文明とそれを滅ぼした魔神の話だった。俺自身も深層のダンジョンに記されていた人でも魔物でもない存在の事を思い出し、話の辻褄は合う。


「それを復活させようと言うのか? 俺であってもその魔神を倒せないと?」


「ええ、如何に貴方が強くとも人が神に敵う筈がないですからな」


 断言するフィフスから嘘をついている気配はない。それほどまでに信奉している魔神とやらに興味が湧いた。


「良いだろう。魔神とやらを甦らせるまでは待ってやる」


「ありがとうございます。では退屈しのぎにヒューム大陸でまだ未開拓の地とダンジョンにご案内しましょう……貴方ほどの有名人となると人前に出るだけで騒ぎとなりますから」


「ふん」


 それから奴によって無人の地に送られた俺はしばらくそこで過ごした。そして再び現れたフィフスに頼まれハインルベリエに向かった。


「……アンタ、本当にロウド=ソリダスなのか?」


 そして出会った。ハイエンドに匹敵するレアドロップとその担い手に。


「……それが伝説の冒険者の成れの果てか!?」


 俺の運命の宿敵足り得る黒き嵐の子に……。

いつも拙作を読んで頂きありがとうございます。これにて番外編のロウドの過去はおしまいです。


 番外編は次のが思い浮かびましたらぼちぼち書いていこうと思いますので次がありましたらまたよろしくお願いいたします(._.)

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― 新着の感想 ―
番外編で書いてほしいのは家出後の兄の話ですね、その次は省略してた三年間の話等
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