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鹿乃子の日常奇譚  作者: みゆki
星暦二千百十一年三月
119/252

三月五日 表彰式

六十六日目 四分の三です

 わたしの写り()(あい)? うん。思いのほか、自然ににっこりしてた。嬉しい。


 ()()に戻って、一列に並ぶ。


 広いんだ。(これ)が。二メートル半位の間隔で並んで、全員一度に射れる。


 で。わたしとなばちゃんの(まと)だけが遠くにぽつんと。


「先ずは五本撃って的に()たった数と点数で順番決めるね。スナップショットはランダムに取る様に設定しておくよ」


 と言う、ミュウの説明。


「じゃあ 始めましょうか」


 なばちゃんの言葉で、みんな(それ)(ぞれ)矢をつがえ、思い思いに放ち始める。


 当たった!外れた!と、みんなできゃいきゃい大騒ぎ。


 五本放って同点だった何組かが、もう一度、三本ずつで順位決め。


 結果は、なばちゃんが優勝。


 やっぱ、アーチェリー高位ランク者は伊達(だて)じゃ無かった。


 二位は、ステフ。クラブ活動が、クレー(しや)(げき)


 なので、矢の飛び方が判れば割と中てられたそうで。


 わたしが三位。


 なばちゃんは、ほぼ満点。


 わたしとステフ、同点なんだけど、ステフは皆中(かいちゆう)。わたしは一本外してる。


 以下、ユリカ、(さと)()、ミュラ姫、()(れい)、アルファ、ミュウ、さつき、ツムギ、かおり、(しず)()(けい)()、ルミ、ジーナ、ミユ、サリー、メグ、麗華(リーファ)、ユリア。


 わたしとユリカの間で差がでっかくって、後は(どん)(ぐり)(せい)(くら)べ、となった。


「では、表彰式ー」


 と、ミュウが携帯端末を(いじ)れば、弓道場が消えて、でっかい(ひな)(だん)が登場。


 七段有るね。


 一位のなばちゃんは()(びな)


 二位、ステフが()(びな)。なんで、優勝者が女雛じゃ無いんだ? 雛祭りだぞ? まあいいや。


 わたしが(かん)(じよ)の真ん中、(さん)(ぽう)。ユリカがわたしの左隣で、長柄銚子(ながえのちようし)。聡美が反対隣、(くわ)銚子(ちようし)


 聡美が()(にん)(ばや)()のトップ、太鼓(たいこ)で段の右端。後は順に、姫が大鼓(おおかわ)。美玲が小鼓(こつづみ)。アルファは(ふえ)(うたい)のミュウ。


 四段目。左大臣(さだいじん)のさつき。右大(うだい)臣がツムギ。


 五段目は()(ちよう)。段の上位、左から順に、立傘(たてがさ)をかおり。で静香。台傘(だいがさ)の桂那。


 後は、六段目に三人、七段目に四人が段の左から順に並ぶ。


 全員並ぶと、夫々の衣装とお道具が現れた。


 さつきの白鬚(しらひげ)には、みんなで大爆笑。


 髭の有り・無し、二バージョン夫々撮影。


 わたしの世界の雛祭りでは、女雛と三人官女の四人を選ぶだけだったけど、此は此で、非常に楽しい。


 役を入れ替えては大はしゃぎで、何枚も撮影を()(かえ)していると、服の(すそ)をツンツンされる感触。


 VRゴーグルを外したら、ウイーがマシンの外から手を伸ばしてた。


「オヒル デスヨ。ジュンビ シテモ ヨロシ?」


「おお。有り難う。ウイー。直ぐ行くから、お願いね」


「ウケタマリー」


 今日は、敬礼で去って行った。


 ゴーグルをかけ直して、みんなに告げる。


「お昼だってさ! お開きにしよ」


「了解」×全員


 ソフトを終了して、みんなで手を洗い、大部屋へ向かう。


「撮影したデータは、みんなの携帯に送ったよ」


「ミュウちゃん。ありがとー」×全員


 道中、ミュウからのお知らせに、みんなでお礼。


 大広間で、ちらし寿()()(はまぐり)(うしお)(じる)(ひし)(もち)型のケーキに(しろ)(ざけ)を中心のお料理がたっぷりお膳に並び、盛大に歓声が上がる。


 美味しく戴いた後は、食後の休憩を兼ねて、撮影されたスナップの鑑賞会。


「なばちゃんの男雛、可愛いー」


「ユリカちゃんの左大臣、笑えるー!」


「リーファのお歯黒が(ひど)いよ」


鹿乃子(かのこ)ちゃん。右大臣が、格好いいー」


「ミュラ姫、女雛似合いすぎー」


 色々と、感想が飛び交っております。


「ユリカちゃん、戦闘モードで撃ったらどの位当たるの?」


 と、疑問の声。ステフか?


「戦闘モードなら、射程いっぱいでも全部当たると思うよー?」


「見たい、見たい」×いっぱい


 で、挑戦する事に。


 弓力(ゆんりき)は二十キロで、的までは二百メートルにした。


 的なんて、もう、点。


 射位(しやい)に立ったユリカの気が(ふく)らむ。


 七キロの弓を、やっと引いていた姿が(うそ)みたいに、軽々と引き分けて放つ。


 カッ! と、鋭い音を残し、高速で矢が放たれ、的の中心へと吸い込まれた。


「おぉー!」×全員


 歓声と共に大(はく)(しゆ)


 続けてもう一射。


 又、中心に中たる。 けど、中った音が変?


「ミュウ、的の拡大」


「はーい」


 空中に、大きなスクリーンが現れて、的の様子が映し出された。


 見事に、(つぎ)()。こんなんまで、再現するんだ。


「わぁー」×いっぱい


 三射目。一本目を、的に刺さった根元から折り飛ばし、二本目もろとも()()ばされる。


「えええぇー」×いっぱい


 二本の矢が真っ直ぐ伸びていれば、三本目の継矢状態だったんだろうけれど、二本目の矢の重さで()(じり)が下がり、()(みよう)(しん)を外した状態で命中した三本目が、二本目ごと一本目を折り飛ばした上、自身も(はじ)かれた()(よう)


 (みよう)なとこでリアルだな。


 そして、四本目、五本目で再び継矢の出来上がり。


「あぁー」×いっぱい


 流石(さすが)に、この非常識な命中精度に、みんなも(あき)れた模様。


「やっぱり、ユリカちゃんって、非常識の(かたまり)なんだね」


「酷い!?」


 麗華の一言にユリカが叫ぶ。


「あはははははははははははははははははははは」×全員


 みんなで爆笑した後は、再びシューティングゲームをする事に。


「なばちゃん? 今夜もお()まり?」


「いえ 夕方 解散しますよ お勉強もして頂かないとですし」


「「なばちゃんが真面目()だ?」」


 今夜の予定を聞いたんだが、なばちゃんの答えにジーナと聡美から突っ込みが。


「なんですかー?」


 なばちゃんの叫び声に、みんなで爆笑。


 その後、十五時までみんなでロボット兵士相手の市街戦ゲーム。


 おやつを食べて、大騒ぎの後、みんな満足して帰宅していった。


 賑やかな二日間でした。

四分の四へ続きます

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