三月五日 表彰式
六十六日目 四分の三です
わたしの写り具合? うん。思いのほか、自然ににっこりしてた。嬉しい。
射場に戻って、一列に並ぶ。
広いんだ。此が。二メートル半位の間隔で並んで、全員一度に射れる。
で。わたしとなばちゃんの的だけが遠くにぽつんと。
「先ずは五本撃って的に中たった数と点数で順番決めるね。スナップショットはランダムに取る様に設定しておくよ」
と言う、ミュウの説明。
「じゃあ 始めましょうか」
なばちゃんの言葉で、みんな夫々矢をつがえ、思い思いに放ち始める。
当たった!外れた!と、みんなできゃいきゃい大騒ぎ。
五本放って同点だった何組かが、もう一度、三本ずつで順位決め。
結果は、なばちゃんが優勝。
やっぱ、アーチェリー高位ランク者は伊達じゃ無かった。
二位は、ステフ。クラブ活動が、クレー射撃。
なので、矢の飛び方が判れば割と中てられたそうで。
わたしが三位。
なばちゃんは、ほぼ満点。
わたしとステフ、同点なんだけど、ステフは皆中。わたしは一本外してる。
以下、ユリカ、聡美、ミュラ姫、美玲、アルファ、ミュウ、さつき、ツムギ、かおり、静香、桂那、ルミ、ジーナ、ミユ、サリー、メグ、麗華、ユリア。
わたしとユリカの間で差がでっかくって、後は団栗の背比べ、となった。
「では、表彰式ー」
と、ミュウが携帯端末を弄れば、弓道場が消えて、でっかい雛壇が登場。
七段有るね。
一位のなばちゃんは男雛!
二位、ステフが女雛。なんで、優勝者が女雛じゃ無いんだ? 雛祭りだぞ? まあいいや。
わたしが官女の真ん中、三方。ユリカがわたしの左隣で、長柄銚子。聡美が反対隣、加え銚子。
聡美が五人囃子のトップ、太鼓で段の右端。後は順に、姫が大鼓。美玲が小鼓。アルファは笛。謡のミュウ。
四段目。左大臣のさつき。右大臣がツムギ。
五段目は仕丁。段の上位、左から順に、立傘をかおり。で静香。台傘の桂那。
後は、六段目に三人、七段目に四人が段の左から順に並ぶ。
全員並ぶと、夫々の衣装とお道具が現れた。
さつきの白鬚には、みんなで大爆笑。
髭の有り・無し、二バージョン夫々撮影。
わたしの世界の雛祭りでは、女雛と三人官女の四人を選ぶだけだったけど、此は此で、非常に楽しい。
役を入れ替えては大はしゃぎで、何枚も撮影を繰り返していると、服の裾をツンツンされる感触。
VRゴーグルを外したら、ウイーがマシンの外から手を伸ばしてた。
「オヒル デスヨ。ジュンビ シテモ ヨロシ?」
「おお。有り難う。ウイー。直ぐ行くから、お願いね」
「ウケタマリー」
今日は、敬礼で去って行った。
ゴーグルをかけ直して、みんなに告げる。
「お昼だってさ! お開きにしよ」
「了解」×全員
ソフトを終了して、みんなで手を洗い、大部屋へ向かう。
「撮影したデータは、みんなの携帯に送ったよ」
「ミュウちゃん。ありがとー」×全員
道中、ミュウからのお知らせに、みんなでお礼。
大広間で、ちらし寿司と蛤の潮汁、菱餅型のケーキに白酒を中心のお料理がたっぷりお膳に並び、盛大に歓声が上がる。
美味しく戴いた後は、食後の休憩を兼ねて、撮影されたスナップの鑑賞会。
「なばちゃんの男雛、可愛いー」
「ユリカちゃんの左大臣、笑えるー!」
「リーファのお歯黒が酷いよ」
「鹿乃子ちゃん。右大臣が、格好いいー」
「ミュラ姫、女雛似合いすぎー」
色々と、感想が飛び交っております。
「ユリカちゃん、戦闘モードで撃ったらどの位当たるの?」
と、疑問の声。ステフか?
「戦闘モードなら、射程いっぱいでも全部当たると思うよー?」
「見たい、見たい」×いっぱい
で、挑戦する事に。
弓力は二十キロで、的までは二百メートルにした。
的なんて、もう、点。
射位に立ったユリカの気が膨らむ。
七キロの弓を、やっと引いていた姿が嘘みたいに、軽々と引き分けて放つ。
カッ! と、鋭い音を残し、高速で矢が放たれ、的の中心へと吸い込まれた。
「おぉー!」×全員
歓声と共に大拍手。
続けてもう一射。
又、中心に中たる。 けど、中った音が変?
「ミュウ、的の拡大」
「はーい」
空中に、大きなスクリーンが現れて、的の様子が映し出された。
見事に、継矢。こんなんまで、再現するんだ。
「わぁー」×いっぱい
三射目。一本目を、的に刺さった根元から折り飛ばし、二本目もろとも跳ね飛ばされる。
「えええぇー」×いっぱい
二本の矢が真っ直ぐ伸びていれば、三本目の継矢状態だったんだろうけれど、二本目の矢の重さで矢尻が下がり、微妙に芯を外した状態で命中した三本目が、二本目ごと一本目を折り飛ばした上、自身も弾かれた模様。
妙なとこでリアルだな。
そして、四本目、五本目で再び継矢の出来上がり。
「あぁー」×いっぱい
流石に、この非常識な命中精度に、みんなも呆れた模様。
「やっぱり、ユリカちゃんって、非常識の塊なんだね」
「酷い!?」
麗華の一言にユリカが叫ぶ。
「あはははははははははははははははははははは」×全員
みんなで爆笑した後は、再びシューティングゲームをする事に。
「なばちゃん? 今夜もお泊まり?」
「いえ 夕方 解散しますよ お勉強もして頂かないとですし」
「「なばちゃんが真面目だ?」」
今夜の予定を聞いたんだが、なばちゃんの答えにジーナと聡美から突っ込みが。
「なんですかー?」
なばちゃんの叫び声に、みんなで爆笑。
その後、十五時までみんなでロボット兵士相手の市街戦ゲーム。
おやつを食べて、大騒ぎの後、みんな満足して帰宅していった。
賑やかな二日間でした。
四分の四へ続きます




