釧路沙耶といじめ
世間では青春だとかなんだとか言われている、そんな思春期真っ盛りである高校生。その一人の女子、久城沙耶はそんな青春とは違う人生を送っていた。ただ、不幸だとか不幸せとかそういうことではない。ちょっと運が悪かっただけなのだが、と本人が思っているだけなのだが。
「ふふっ、今日も愉快な一日が始まるな」そう自嘲的な笑みを浮かべながら学校へと向かう。
教室へついた彼女はすぐに注目される。黒く長い綺麗な髪に整った容姿ならばおかしくはないだろう。しかし、彼女はそういう意味で注目されているのではない。むしろ悪い意味なのである。
彼女は席まで行く途中に花瓶が置かれていることに気づく。
「これはまた驚いた。こんなベタな展開を繰り返すことがとは予想外だ」
ちなみにこれで五回目である。
「ここは沙耶ちゃんの席ではありませ~ん!死者を冒涜する気ですか~?」
女子が一人沙耶によってくる。
「何を言っているんだお前は。ここは私の席だぞ。そもそも消去法でここ以外にどこに私の席があるというんだ?」
「いつも人を見下すような顔をして、うざいよ」
「いや、話の脈絡が一切見えないのだが。ここは私の席だとことでいいんだな?」
「あっそ!」
女子は力任せに花瓶を突き飛ばす。もちろん花瓶は地面に落ちて割れる。
「いったいなんだったんだ…」
わけがわからないまま準備をしようとしたときに教師がドアを開けて入ってくる
「久城、もう授業始まるぞ。はやく座りなさい。花瓶は先生が片付けておくから」
「わかりました」
教師からの注意を受けて椅子に座る。
「っ!?」
座った瞬間に、痛みを感じて立ち上がる。
「久城、何をしているんだ?はやく座りなさい」
「は、はい」
よく見ると椅子には画鋲がテープで固定されていた。沙耶は画鋲を取って、座る。
その様子を見て、クラスの大半はニヤニヤしながら沙耶を見ている。
そう、沙耶はいじめというものを受けているのだ。ただ受けている本人の様子のせいでまわりからはあまりそう見られないだけであるが。それに沙耶自身もまるで楽しんでいるかのように対応するためにエスカレートしてきているのだ。




