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【急募】誰か常識人をお願いします。 〜パーティーメンバー全員の性格に難ありすぎて、せっかくの実力、無駄すぎるのだが〜  作者: 古治
第2章 東の砦の奪還戦

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第17話 遠距離からの攻撃手段

「うわ〜、大きい〜!」

 

 ラソラは呑気に指を加えて巨大ななにかを見ていた。


「なあスレイ、あいつって、まさかな?」

「そのまさかだと思う。どうせ、ヨアルヴァだろう」


 スレイのそれがわかるときは、一切来なかった。

 巨大化したヨアルヴァは、理性がなかった。


「わたくしの腕を試すときが来ましたわ!」


 ユスは珍しくやる気だ。


「準備はいいな!? 来るぞ!」

「もちろんですわ!」

「うん。いいよ」

「うわ〜い! 大きい〜!」


 1人だけ、いまだ呑気にはしゃいでいる。


「ラソラ! せめてそっちへ行くな!」

「え〜? お友達になればいいじゃん!」


 スレイは、一瞬固まった。

 まだ、お友達なんかいう考えを捨てていないのか、と。


「なれるわけねえ! それはもう夢物語なんだよ!」

「えー! なれる! 絶対なれるからあ!」


 どこからその自信が湧いてくるのか。スレイにはまったくわからない。

 ラソラはそのままヨアルヴァの方へ向かっていっている。


「ラソラ! 戻ってこい!」


 スレイが呼んでも、ラソラには届いてない。本当にお友達になろうとしている。

 

「(さすがにうまくいかねえ。攻撃されたらひとたまりもないだろ。どうすれば⋯⋯)」

「わたくしに、いい考えがありますわ!」


 そう言いながら、ユスは弓を構えた。


「まさか、ラソラに攻撃して⋯⋯!?」

「いえ、回復させるのですわ。見ているのですわ!」


 ユスは狙いを定める。完全にラソラの方へ向いている。


治癒(パナケイア)(アロウ)ですわ!」


 それは、一直線にラソラの方へ向かっていった。


「どういうつもりだよユス!」

「これに当たると回復する、そんな矢ですわ」


 ユスは自慢げに言った。


「これなら攻撃されたって本人が感じ取れば、うまくいきますわ」


 案の定、こちらへ向かってくるラソラがいた。

 さっきより、完全に歩くペースが速い。


「テメェ! どこ狙ってんだザコが! テメェもろともやってやろうか?」

「ぐおぉぉぉぉ!」


 そこに、ヨアルヴァの雄叫びが響いた。


「来るぞ! 避けろ!」

「テメェ! 逃げんじゃねえ!」

「まずい! 潰される! このままじゃ⋯⋯」

 

 このままでは、死ぬ。こいつに、潰されてしまう。

 ヨアルヴァの手が、大気を割りながら近づいてきている。


「『()』――絶壁黒石(ぜっぺきこくせき)!」

 

 スレイがそう言いながら剣を掲げた。するとそこには、巨大な黒い壁が召喚された。

 そこに、巨大な手のようなものが飛んできた。


「これなら、大丈夫なはず⋯⋯」


 スレイの心配をよそに、その壁で見事にガードされた。

 その攻撃を受けた衝撃とともに、壁は消滅してしまった。


「危ねえな! テメェ! 気をつけろよ!」


 まったく、誰に言ってるのか。ただ、矛先は完全にヨアルヴァの方へ移った。


「そうだ! 真の敵はそいつだ!」


 一応、完全に矛先をヨアルヴァへ向けておく。いつスレイになってもおかしくない、そう感じっとたスレイだった。


「こんなやつ、どうすれば⋯⋯」

「どうやって近づこうか⋯⋯」


 まったくいい案が浮かばない。ただただ体力が消費されていくだけだった。


「全員が固まったら危険だ! 離れろ!」

「テメェみてぇなやつなんかの指示、誰が聞くかよ!」


 そう言いながらも、指示を聞いているラソラがいた。

 まったく、言ってることとやってることが逆なのはどうにかならないのか。


「ユス! 届くか?」

「やってみますわ!」


 ユスは、弓を構えた。


灼熱(ヘーパスト)(アロウ)ですわ!」


 その矢は、放物線を描きながら、ヨアルヴァの方へ飛んでいった。


「届かないかもですわ」


 その矢は、ヨアルヴァには一歩届かず、墜落した。

 それが墜落した場所からは、火が吹き出た。周りに燃えるものがあれば、一瞬で火事になることだろう。

 

「なら、これだ! 『(まい)』――赫怒風神(かくどかざかみ)!」


 スレイは剣を掲げた。すると、周りの木々が一斉に揺れ始めた。


「風の力で押し出すのですわね!」

「そういうことだ。もう一度行けるか?」


 ユスは、もう一度弓を構えた。


凍結(キオネーン)(アロウ)ですわ!」


 その矢は、発射されたその瞬間、風に乗って勢いよく発射されている。


「ぐおぉぉぉ!」


 だが、ヨアルヴァの一撃で壊されてしまう。


「この技、これだけじゃねえんだな!」


 そう言いながら、スレイも剣を構えた。


「『灼』――樓灯攣暑(ろうとうれんしょ)!」


 それを、その場で放つ。


「テメェ、バカじゃねえか? そんなとこ切っても、なにもいねえよ!」

「大丈夫だ」


 スレイが技を撃ち終えたその途端、ビームのような攻撃が発生した。


「これが、俺唯一の遠距離攻撃だ」

「ザコくね!?」


 ラソラは自分が攻撃出来てないくせに、人のことを見て笑っている。

 スレイの攻撃は、かすり傷にもならない程度だった。威力は、あまり期待できなさそうだ。


「(このままだと、全員の体力勝負になる。どうすれば即時に討伐ができる?)」


 スレイにはいい案が浮かばない。

 さっきから避けているだけの情景、面白みが一切ない。


「(一旦、あれをやってみるか)」


 スレイは剣を戻した。そして、剣の柄を持ちながら、構えた。

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