表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【急募】誰か常識人をお願いします。 〜パーティーメンバー全員の性格に難ありすぎて、せっかくの実力、無駄すぎるのだが〜  作者: 古治
第2章 東の砦の奪還戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

17/20

第16話 生贄作戦決行!

光閃(アテランテ)(アロウ)ですわ!」


 ユスが放ったその矢は、光の速さで飛んでいった。列になってユスに襲いかかろうとしていた異界生物(モンスター)は、例外なく貫かれていく。


「『インフィジャール・カリス』」

「爆発ですわね! 爆発(テューポン)(アロウ)ですわ!」


 ユスが放った矢は、大群の足元に、狙ったように刺さった。

 刺さった瞬間、あたりには轟音が響いた。2つの爆発のタイミングがぴったり重なった。そのせいで、鼓膜が破れるほどの音量だった。


 ******


 それからしばらくザコ処理をしていた。そのザコは、あるときを境に、一切来なくなった。


「今、砦が揺れた、ような気がしますわ」

「はよ行くぞテメェ! ついてこい!」


 ラソラとユスは、スレイが作った階段を登る。

 そして、リデソが開けた穴から2階へと侵入する。


「この先じゃねえか? 行くぞ!」

「ええ、わかりましたわ! (これで、お父様を見返してさしあげるのですわ!)」


 ユスはそう心に決め、スレイたちの戦いに参加すると決めた。もちろん、ラソラも参加する。


 ******


「もう一度、今度はお前ら2人で閉じ込めてやる!」


 ヨアルヴァ影の中へと吸い込み始めた。


「『(まい)』――風舞円頓(ふうむえんとん)!」


 スレイは技を放つ。

 それは、美しいほどに華麗に飛び回った。


「ええい、ちょこまかと!」


 ヨアルヴァは、相当苛ついてるように見える。口調も荒くなり、行動が雑になっていた。


「めんどくさい動きしやがって! 覚えてろよ!」


 ヨアルヴァはスレイを捕まえるのが面倒になったのか、リデソだけを中に入れた。


「『震』――央立浮堕(おうりつふだ)!」


 もう一度、さっきと同じように床を引き上げた。


「『岩』――岩破勢(がんぱぜい)鉄超廻(てっちょうかい)!」


 リデソはそれと同時に、渦を作った。


「リデソ! 早く出るんだ!」

「うん、急ぐ」


 リデソはスレイの手に捕まり、なんとか引き上げてもらった。


「『(れい)』――琉河邏零(りゅうがられい)!」


 スレイはその技を、影の中に打ち込んだ。


「この技の温度なら、水なんて一瞬で凍るはず⋯⋯」


 スレイにもどうなるかわからなかった。だが、解決策が他に思いつかなかったのだ。

 その技の温度を保ったまま、剣先が影の中に触れた。


「行けるか?」


 スレイは行けるよう願った。

 その願い通り、水は一瞬で凍った。さらに、剣先の周りだけでなく、すべてが凍ったように見える。


「これで、解決」

「氷、溶けないかな?」


 そのとき、中身すべてが氷へと化した、影の入り口が消えた。


「俺の予想だと、これは4次元につながってる。最上階のはずなのに、床がなかったからな」

「へえ。そんなとこまで見てるんだ」


 リデソはただ感心していた。


「そしてもう1つ、『震』の属性の技が放てたことだな。普通は土でしかできないはずだからな」

「ちゃんと技の特製を理解して、開けてくれたんだね」

「自信はなかったけどね」


 そのとき、2人とは別の声がした。


「あ、もう終わっちゃったの?」


 この口調、すっかり普段の通りに戻っているラソラだ。


「わたくしの出番はないですわね」


 スレイは、そのユスのことを、半目で見た。


「その目、どういう意味なのです?」

「お前、どこに行ってた?」

「ねー、とりあえず行こ」


 話の内容を理解していないラソラは、今すぐにでも帰りたそうにしている。


「わかった。歩きながらな」


 スレイたちは入ってきたところへ向かい、歩き出した。


「わたくしは説得に行ってたのですわ」

「説得って、誰に、何を?」

「お父様に、古代兵器の使用を⋯⋯」


 その言葉を聞いた人全員、同じ反応だった。


「え? 古代兵器?」


 古代兵器が実在していたとは。スレイも噂程度に聞いただけの、内容だった。


「あるのか? その古代兵器とやらは」

「ありますわ。『ガトリング砲』ですわよ」

「で、使わないのか?」


 スレイの質問に、ユスは静かに首を振った。


「お父様が許可してくれなかったのですわ」

「お父様?」


 スレイたちにとって、お父様がいることすら初耳だった。


「あら、知らないですの? かなり名だたる方だと思っていましたわ」

「そんなに有名なのか? お前のお父様」


 スレイは、知らなかった。だからこそ、今質問攻めにしている。


「かなり有力な貴族ですわよ。普段は星中を回ってるのですわ」

「今はたまたまここにいたってことか?」


 ユスは首を左右に揺らした。違うということだろう。


「ここの城主様が亡くなってから、見張りをって頼まれたみたいですわ。そこから、ずっとここの城主をしていたみたいですわ」


 ユスは、なぜか悲しげな表情になった。


「それから、人を雑に扱うようになってしまったのですわ」

「今までとは違ったのか?」


 もちろん、とユスはうなずいた。


「今までは、情に熱く、正義感の強い方でしたわ」


 たった今、入った場所についた。ラソラはバックしながら見上げていた。


「やっぱ、大きい〜!」


 そのとき、砦の中から轟音がした。

 その砦は、内部から徐々に壊されていった。


「あれえ? 全然なくなっちゃった?」


 完全に崩壊した。もう原型をとどめていない。

 スレイは、その姿を見ようと後ろを振り向いた。

 そこには、人間の皮を被った、巨大ななにかがあった。


「お前、まさか――」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ