67. 物件探し
「美味い。」
「ありがとうごさいます。」
最近ルベリア王国に行くことが多いな。
その割に、ルベリア王国の兵士とかアルシアに会ってないな。
あいつら、元気にしているだろうか。
俺は強くなったよ。
強くなったことを分からせたいな。
分かりやすいのは装備の変化だよな。
今の装備...ボロボロだから弱そうだ。
買い替えたほうがいいだろう。
いや、ボロボロだから歴戦の人みたいでカッコいいのか?
「なあリリ、防具って変えほうがいいと思うか?」
「はい!もうボロボロですもんね。」
なんか...元気だな。
情緒が遂に壊れてしまったらしい。
俺はもうどうしていいか分からないよ。
「あの、レオ様。昨日は取り乱してしまい、申し訳ありませんでした。今は安心しているので大丈夫です。」
「そうか...なら、よかった。」
まあ、大丈夫って言うなら大丈夫か。
俺も安心したよ。
ギィ
「お気をつけて。」
「おう。」
まずはギルドだ。
この鱗と羽を渡さなきゃクエストが失敗になる可能性がある。
マジでクエストってどうなったら失敗するんだよ。
自分が諦めたらか?
でも諦めるようなクエストを受ける冒険者なんていないよな。
俺は有効期限を作ったほうがいいと思う。
実は俺が知らないだけで、もうあるのか?
明確な場所が分からなくても、一般的に一番近いギルドでクエストを受けることになると思うから、一ヶ月ぐらいでいいと思う。
そしたら、クエストが色々な人に回ってきて、じゃんじゃん達成すると思うんだけどな。
ギィ
今日のギルドは、いつも通りだ。
ロイとマイクはいない。
俺が早く来すぎなんだと思う。
それなのに受付と質問男はいるんだよな。
早すぎないか?来るの。
名前を聞いたくせに忘れてしまったから、ちょっと話しかけづらい。
いつも同じ席にいるよな。
その席を取られたくないのだろうか。
変な人だ。何も冒険をしていない。
たぶん、冒険者の中で一番変わっている人だと思う。
ルベリア王国にもこんな逸材はいないだろう。
「これを頼む。」
「...はい。ありがとうごさいます。」
羽と鱗を渡した。
ギルドの報酬金と売ったときの額を比べたいが、なんか闇を暴くみたいで気が引ける。
ギルドの闇なんか知りたくないからな。
まあ、そんな簡単に暴けるような闇はないだろうけど。
「こちら、報酬金です。そしてあなたは超級冒険者となりました。冒険者カードを貸してください。」
あっ!そうだ昇級出来るんじゃん。
すっかり忘れていた。
でも都市級クエスト、多分まだ勝てないよな。
超級冒険者になっても意味がない。
まあ喜んで超級冒険者カードを受け取るけどね。
ニヤニヤするけどね。
報酬金は金貨10枚だ。
正直、金はもういらないな。
貰うけど。
これだけあれば、防具は買えるな。
次は武具屋に行こう。
時間はまだまだあるんだ。
家は最後にしよう。
一番の楽しみだからな。
ギルドを出て武具屋に向かった。
たしか、前はシドで買ったはずだ。
中央に行ったら商店街があるから、そっちに向かおう。
おっ。たしか前もここで防具を買ったと思う。
同じ防具を買おうかな。
いや、高い防具を買いたい。
なんせ、金貨は10枚もあるんだ。
贅沢を言ってもいいだろう。
命に関わってくるしな。
ギィ
「いらっしゃい!!」
「おう。」
...『いらっしゃい』に『おう』で返すのはおかしいか。
剣は欲しいけど、ルベリア王国で買おうかな。
オークキングの角もあるから剣を作ってもらってもいい。悩むね。
「なあ、金貨10枚で買える軽装の防具ってないか?」
「もちろんあるぜ。重装備なら普通の素材が使われているが、軽装備なら使う量が段違いに少ないからな。
金貨10枚もあればそれなりにいいものが出来る。」
「へ〜。」
まあ、重装備は高いだろうな。
俺としては動きにくそうなのは嫌なんだよな。
ソラ隊長もミラ副隊長も軽装備だったし、同じような考えの人は多いんじゃないだろうか。
魔法使いは動く必要ないから重装備の人も多い。
値段が高いから着けてる人はお貴族様だろう。
剣士は動きにくいから着けていない人の方が多いん
じゃないか?
値段が高いという問題もあるけど。
高いから買う人が少ないだけの可能性もあるな。
「これなんだが、どうだ。いい感じに出来ているだろう?」
「...ああ。」
今の防具とそんなに変わらないんだが、分かる人には分かるのか?
まあ正直なんでもいい。
「じゃあこれで。」
「毎度!」
武具屋の店員ってこんな気さくな感じの人だったっけ。
まあそれもどうでもいい。
俺の頭の中は家のことでいっぱいだ。
せっかくだし防具は着けよう。
もしかしたらルベリア王国に都市級の魔物が現れる可能性もあるからな。
本当にそうなったら兵士達が倒すんだろうけど。
俺は店を出て、門を越えた。
俺が暴れたら都市級クエストにしてくれるだろうか。
超級クエストにされたら悲しいな。
チビだからって超級クエストにでもされたら大暴れしてやる。
ルベリア王国に着いた。
遂に来たぜ、ルベリア王国。
こんなデカい所で暴れてもカスみたいな被害しか与えられなそうだな。
そんな事より家だ。
正直、家は狭いほうがいい。
あと安い家がいい。
狭くていいなら安い家もあると思う。
入国税を払いたくないだけだから、別に学校とかギルドから近くなくてもいい。
あっ。前に寄った不動産に寄ろうかな。
前は何も買ってなかったし、買ってやろうじゃないか。
多分、俺のことなんて覚えてないけどな。
俺も店の場所を覚えていない。
そういえば、リリって友人が1人いるんだよな。
離れ離れも可哀想だ。
入国税分のお金は余分にあげないとな。
ルベリア王国からシドまでの距離もそんなに長くない。
リリは剣士に向いている感じだし、1日もかからないだろう。
家事なんて俺がやればいいしな、出来ないけど。
「あの〜、不動産ってどこにありますかね?」
「えっ?あっ、目の前にありますよ?」
「え?」
「あっ、目の前です。」
目の前って...恥ずかし。
「感謝する。」
俺の質問に答えてくれた女性はペコペコしながら離れていった。
ギィ
「いらっしゃいませ。」
「おう。」
駄目だ。
癖で『おう』って言ってしまう。
「狭くて安い家を探している。別にギルドとか学校から近くなくてもいい。」
「はあ...学校。お客さんはお金ありますか?」
「ああ、俺は神級冒険者だからな。」
「そうですか。」
間違ってはない。
俺は何一つ間違えていない。
なんで信じてないんだよ。
作ったような笑顔をしやがって。
まあ、作ってるんだろうけど。
「では、その条件ならこの家がいいですね。」
見せてもらった紙には金貨45枚と書かれていた。
うん、安いな。
あれ?俺達の家って、いくらだったんだっけ?
まあいいか。
「行こう。」
「分かりました。それでは、ついてきてください。」
そう言って、作り笑顔の男は扉を開けた。




