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妖魔大戦  作者: 香織
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終わらない夏祭り⑦


「え!?縁日、今日なの……!」



茉莉花は驚く。



「だから、急いで確かめに行かなきゃいけないんですよ。今年も消える人がでてこないように。」



御堂くんはそう言うと、走って神社から出ていってしまった。



「ま、待ちなさいよ……!私も…」



「茉莉花ちゃん。」



「?……なんでしょう。」



慌てて追いかけようとする茉莉花をヤマトは呼びとめた。



「……行く前に、あなたに3つ忠告をしておくわ。」



「は、はい。」



再びヤマトの真剣な顔を見て、茉莉花は少し緊張した。



「ひとつめ。鬼は死なないから、どんな状況でも決して油断しないこと。」



「鬼は…死なない?」



「そう。アマネ様は自分より他の鬼が先に死ぬ事がないよう、不滅の術を全ての鬼にかけているの。だから私を含めて、全ての鬼は核を破壊しても、いつか必ず復活する。鬼によってその復活の速度は違うんだけどね。」



「!」



ってことは、煙丸もいつか復活するかもしれないし、もう復活しているかもしれないってこと!?……まあ、それはいったん後で考えよう。



「ふたつめ。身近な者でも簡単に信じちゃダメ。」



「……それは、誰かが私を裏切ると?」



「それは私の口からいえないわ…。とりあえず、疑いを持って行動することを心がけて。」



「わかりました。」



「みっつめ。今すぐに、とは言わないわ。……でも生きたければ覚悟を決めなさい。」



「……。」



茉莉花の額からタラリと汗が流れた。



「茉莉花ちゃんは、アマネ様が今までのどんな子よりも慎重に丁寧に扱っている人間なの。それはおそらく、あなたなら自身を超える鬼になると確信しているから。私から見ても、茉莉花ちゃんは今までのどんな人間よりも、アマネ様との契約に適応しているわ。だからこそ、アマネ様の思惑通り、妖怪になりたくないのだったら、他の縁も感情も全て捨て去る決断をしなくては行けない時が来る。……来たる選択の時に備えて、覚悟を決めることは大切よ。」



覚悟、か。どうやら、私は平穏とは程遠い場所にいるのかもしれない。



「…………。……忠告ありがとうございます。とても助かります。…………では、、。」



茉莉花は少し深刻な顔で考えた後、ヤマトにペコリと一礼して、鬼桜神社を出ていった。












「ちょっと…、待ちなさいよ!」



必死に走って、やっと理斗に追いついた。



「……なんで普通に追いつけるんですか。けっこう離れてましたよね、距離。」



「こう見えて陸上やってたもので…。ってか、何で先に行くの。1人じゃ危ないよ。」



「そちらこそなんでついてくるんです?頼まれたのは僕1人です。あなたは関係ない。」



「……。関係ならあるよ。私がここに来たのは鬼門院や、鬼について詳しく知るため。きっと木瀬神社の噂もそれらが深く関わっているはず。だから、私は木瀬神社を調べるの。」



御堂くんはしばらく黙った後、ため息混じりに言った。



「……………………はぁ。まぁ、いいです。ただし、お互いやろうとすることに無干渉でいきましょう。あと、危険な目にあったとしても、自己責任で。」



意外と同行にOKしてくれた。



少しずつでも心を開いてくれてはいるのかな?



茉莉花は彼が今、自分をどう思っているのか気になって、それとなく探った。



「ねぇ。……今でも、私のこと、殺したい?」



すると、ピタッと御堂くんの動きが止まった。



「……。」



茉莉花は緊張して、手をキュッと握った。



「……わかりません。あなたとさっきの鬼のやり取りを最初から全て聞いていましたが、その話の内容はほとんど、陰陽師でも知っている内容ばかりでした。何かを企んでいる鬼門院だったら、あんなに知識がないはずがない。」



「じゃあ……」



自分のことは信じてほしい、そう茉莉花は言おうとしたが、、



「しかし、それが僕を油断させる演技って可能性もある。鬼門院のことだ。それくらい作り込まれた演技をしてくることだって当然有り得る。そしてそうだった場合、あなたは瑠璃の目を持っているから、僕らの強敵になる恐れがある。よって……。」




御堂は茉莉花の首に陽の気で作った矢を突きつけた。



「今はひとまず監視しておきます。くれぐれも行動には気をつけてくださいね。……僕は潤さん達ほど甘くないですよ。」



「あ、あはは……。」



茉莉花は表情をひきつらせた。



…まぁ、そんなに上手くはいかないよね。



「さて、立ち止まってる暇はなかったですね。木瀬神社はもう目の前ですよ。」



彼の目線を追うと、たくさんの提灯(ちょうちん)が連なっているのが見えた。



気づけば、辺りは浴衣を着た人々で賑わっている。



辺りが田舎で真っ暗な分、提灯や屋台の明かりがキラキラと輝いて見える。



「きれい……。」



茉莉花は思わず感嘆の声をもらした。

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