体育大会の裏事情②
週末。私と月城は約束を果たすべく、コンビニエンスストアで差し入れを買っていた。
「うちのブロックのチアは15人、応援団は20人、実行委員は8人だよね。……ちょっとお金かかりすぎじゃない?」
「役員断っただけでこんなに出費があるとはな。それに、なんで休日にわざわざ学校に行かなきゃいけないんだ。」
「激しく同意。」
2人でブツブツ言いながら、100円の缶ジュースを43個買った。もちろんお代はしっかり割り勘。
重すぎるビニール袋を手に徒歩5分の学校へ向かう。
「……ねぇ。そういえば、隣のクラスの小野さん、放っておいていいの?」
「ん?……ああ。それに関してはまだどうするのか決まっていない。小野について、まだわからないことも多いし、上の人間と話し合っているところだ。」
「ふぅん。」
上の人間というのは、多分陰陽師の中でもお偉いさんのことなんだろう。
「……だが、何かしら害がありそうなら、殺す。」
「…………へ?」
ちょっと、え??
殺すってそんな軽々しくやる行為じゃないでしょ?
「それ、うちの国の法律で禁止されてるんですけど、わかってます?」
月城は機嫌悪そうに私の方を見る。
「こっちの世界じゃあ、日常茶飯事なんだよ。陰陽師は政治家とか、お金持ちと繋がっていることが多いし、そもそも殺人の証拠を残さない。」
「うわぁ。どす黒い…。」
やだやだ。やっぱり陰陽師三人衆とは関わり合いたくないね。
……そうこう話しているうちに、学校についた。
「チアが校舎で練習、応援団は体育館で練習、実行委員は教室で仕事しているみたいだから……。」
「俺がチアと実行委員に渡しに行くから、お前は応援団な。」
「なーに?チアへの下心?」
私はニヤニヤと月城を見る。
「馬鹿か。チアと実行委員はいる場所が近いからだ。それに、俺はアイツに気をつかってやってんだよ。」
「?……アイツって誰?」
「さあ。お前のにぶーい脳みそで考えてみれば?」
そう言って月城は校舎の方へ行ってしまった。
おい、今の馬鹿にしたような言い草は何なんだ。
なんかイライラしながら、校舎の角を曲がったその時だった。向かいから来た人と肩どうしををぶつけてしまった。
「あ、ごめんなさ…………」
おいおい。こいつ、見覚えがあるぞ。
向こうも私の顔を見て、驚いた顔をしている。
「あ!お前……!この前はよくも……!」
このチャラチャラした前髪、耳にはピアス、そしてミサンガやらアクセサリーやらつけている…こいつは…
マンションで会ったチャラ男だ……。




