妖怪の住むマンション②
放課後。いつもの小会議室に、おおらかなタレ目男子の藤崎君を連れて来る。
「藤崎君、変わったことはない?」
「うん、左肩が重いだけ。あと、ナギでいいよ。」
みやびにしろ、潤にしろ、みんな名前で呼ばれたいんだなあ。
「了解。じゃあ、私のことも茉莉花でいいよ。」
「うん!ねえ、茉莉花ちゃん、僕に憑いてる奴って、悪い奴なのかな?」
「さあー?今から話しかけるけど、引かないでよ?」
「はーい。」
ナギの左肩にいる、ネコに話しかける。
「ちょっとー、ネコさん。ちょっとそこ、どいてくれませんか。」
すると、ネコはゆっくり動き出す。
「……右肩に移動した。」
「ホントだ、右肩が重いよ!」
ナギ、……なんか楽しそうじゃないか?
「えっと、そうじゃなくて…彼から離れてくれませんかねぇ。」
「いやじゃ。」
おお……喋れるんだ、このネコ。
喋れるってことは、ある程度知能があるということだ。けっこう知能を持ってる妖怪って少ないんだよね。みやび曰く、魂の未練の強さが関係してくるんだとか…、じゃなくて。
「ど、どうしてなんですか、、、」
「オーラでわかる!こやつは猫好きじゃ!わしはこやつと仲良くなれる気がするのじゃ!」
「……ナギって、猫好き?」
ナギが驚く。
「そうだよ!なんでわかったの!?」
「はぁー。ちょっと待ってて。」
再びネコに視線をあわせる。
「ネコさん、でも彼、妖怪視えないよ?」
「今はな。しかし、彼には妖魔師の才能があるぞい。なぜなら、わしに憑かれてもほぼほぼ何とも無さそうじゃからな。そのうち視えるようになるぞ!」
よく考えたらこのネコ、陰の気が濃いなあ。
たぶん、普通の人だったら憑かれたらすぐに精神やられちゃうかも。
「そのうち視えるって、どういうことですか?」
「こやつは今まで妖怪という存在を意識していなかったから視えなかっただけで、意識するようになれば、視えるようになってくるぞ。」
「はあ。」
ナギの方を見る。
「なんか、このネコさん、ナギと仲良くなりたいらしいよ。そのうち視えるようになるらしいし。」
ナギはパァッと目を輝かせる。
「そうなんだ!それなら、別に肩にいてもらって構わないよ。……そっか、僕も視えるようになるんだぁ〜!」
なんか嬉しそうだぞ?ナギって変人なのかな。
うーん。これでよかったのだろうか。
妖魔師増やしたら怒られるやも。(特に月城に)
ピロン♪
ナギのポケットからスマホの通知音がなる。
ナギはポケットからスマホを取り出し、確認する。
「…………茉莉花ちゃん、アイツら、あのマンションに入ったらしい。」
「はぁ!?どういうこと?」
「やっぱりあのマンションが気になったみたいで、1階だけ探索して、やばそうなら帰ろう、ってなったらしくて。」
はぁー。これだから一般人は。
「……一応、私たちも向かってみるか。」
「そうだね…。」
私は結局、マンションに行かなくてはいけなくなった。




