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ミハマシマシマ  作者: グミさん
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思い出の秘密基地

突然のミコトの告白に頭が真っ白に。

まさか本気? 一瞬疑ったがナガレのフォローで晴れた。


「何だ脅かすなって。それでその方はまさか…… 」

「はい。これ以上はもうご勘弁願います」

どうも大人っぽいなと感じることがあったんだよな。いつもは子供っぽいのに。

それが彼氏を亡くした経験を持っていたからだとすると悲しいな。

ナガレはそう言うが実際その場面を見たのではないはず。

ただ聞いただけだとすれば…… 彼女の告白は真実かもしれない。

それはあまり近づき過ぎるなと言うことだろう。

「では今日はその秘密基地にでも泊まろうか」

ナガレが気を遣う。結局彼の役割とは何だろう。


ハアハア

ハアハア

いつまで経ってもつかない秘密基地。

「あの…… ミコトさん遠くありませんか? 」

亡くなった彼氏との思い出の場所。そこを探す旅。

もちろんナガレは初めて行く場所に違いない。

でもきっと彼女の方は頻繁に来てるはずだ。

思い出の詰まった大切な場所。

そう聞くと感動的だが重いな。凄く重い気がする。


「まだですか? 本当に疲れた! 」

文句を言う気はないがこの島はそこまで広くない。

恐らく最初の始まりの地は北地区だろうし。ここは南地区。

あっても二時間もかからずにたどり着いた。それなのにまだ歩くと言う。

「あの大きな植物が目印です。もうすぐですよ」

巨大杉が姿を見せる。この辺りには太古の昔から広がっている。

それが目印とは豪勢だ。しかし一つ疑問がある。

これだけあちこちにあれば区別がつくのか?


手つかず自然がそのまま。

これを伐採して金儲けしようと言う輩はこの島には存在しないのだろう。

大変素晴らしい人間性。嫌味では決してない。

「ちょと寒くなってきたな」

ナガレがウインドブレーカーを羽織る。

そうすると以外にもまともに見えるから不思議。

どこかの学者か博士に見える。汚らわしい格好をウインドブレーカーで隠し切る。

「はい。この辺りは時期に関わらず寒い場所と暑い場所とに分かれているんです。

私たちが住んでるところは基本的に温暖な地形でこの辺りになると寒冷な地形。

大まかに言えばそうなりますかね」

かなり特殊な気候。不思議な感じがするがそれが当たり前らしい。

「噂では聞いたが実際このような場所に足を踏み入れるのは初めてだからな。

いやはや不思議だねアキラ君」

ナガレは元学者の血が騒ぐらしい。島に住み着いて長いのに何をやってたんだか。


まあどうでもいいことさ。暑かろうが寒かろうが関係ない。

それは程度の問題はあれば今は夏だしできるなら涼しい方がいいに決まってる。

しかし寒いとなると事情か変わる。

寒暖差が激しければ風邪もひきやすくなるし体を壊す原因にもなる。

人が住めるところは基本的に暑いなら余計な希望を持たせるべきではない。


ただ一つ。この島は暑いところと寒いところがあるんだと言うこと。

この辺りは夏の今台風の被害はどうだろうか?

あまりに現実的過ぎる? それでも気になることは一つずつ詰めていくべき。

それが研究者でもっと言えば科学者。私はその助手に過ぎないが。


「しかしそれにしても掛かり過ぎでは? 」

つい悪気なく指摘してしまう。

だが彼女はただ笑うのみ。どうしましたと白々しい。

恐らく私たち特にこの島に住み着いているナガレを警戒してのこと。

彼女たち島の者がナガレをどれほど警戒してるのかは測れない。

ただの島民とは思ってないはずだ。

するとナガレは島民にとっても厄介な存在になるのか。

マークすべきはよそ者の私だけでなくナガレもと言うことになるだろう。

それは私には歓迎すべきこと。彼に集中してる間に動くことも可能になる。


もし手を組んだら? 私たち二人が危険だとすでに警戒してるはず。

ナガレの卓越した情報収集力と私のフィールドワークで培った行動力。

二人の力を合わせて島の秘密に迫る。

そう考えても何一つおかしくない。事実ナガレは協力してる訳だしな。

本来調査隠しの観光客程度なら監視しコントロール下に置けばその心配はないと。

侮れないと見てるのだろう。と言うことは真実に迫りつつあるのかもしれない。

知らないうちにこの島の秘密に迫ったのかもしれないな。

それが天女伝説を解くカギとも財宝の在り処とも限らないが。

危険と判断すれば抹殺されてもおかしくない。

だからこそ念には念を入れて遠回りして道をあえて複雑にしたのだろう。

要するにあちらも対策を取ってると見ていい。


ミコトはと言うとどっち着かずだ。味方とも敵とも判別できない危険な存在。

そのことが彼女の魅力的にしている。危ういミコトの煌めき。

それでも彼女に頼るしかないない。当然ナガレだって完全には信用できない。

ただまだマシなミコトとナガレに頼らざるを得ない。

それがこの島に降り立った男の現実。


「どうぞ。お入りください」

秘密基地と言うからには木を使ったツリーイングかと。

実際にはたくさんのゴミに囲まれた昔ながらの小屋らしい。

高いところを上らされるのは冗談じゃないがここはここでゴミ屋敷と大差ない。

お隣さんには欲しくない。第一印象はそんな感じ。

秘密基地はゴミや樹木で隠された小さな小屋。

恐らく木材をそのまま使っただけのもの。

まさか巨大杉から作られてないよな? 

するとミコトの彼氏は木こりだったとか?


木こりと天女の生まれ変わりの島娘の恋か。親に反対されたのは目に見える。

だがどの道島民と結ばれるなら問題ない気もするが…… すべて勝手な想像。

確認することは憚られる。さすがに過去の傷を抉ることになりかねない。

そう言う趣味がないこともないがいくらなんでもデリカシーがないよな。


「よしではそろそろ寝ようか」

いつの間にか辺りは真っ暗になっていた。

今日は星も出ておらず月も雲に隠れて見辛い。

これだと明日は雨かもしれないな。


                続く

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