島の秘宝・真実の瞳
船長宅で宝探し。
これは…… 鍵? と言うことは宝は鍵の掛かっている場所に保管されてる?
新たな発見だがここにあるとも限らない。ただ彼は一人暮らし。
ベッドの横の引き出しの奥にあったことからも貴重なものだろう。
こうして三人で鍵の掛かったものを手当たり次第探すが発見には至らない。
いっそのこと直接本人に聞くかな。
「どうだ? そっちは? 」
「ダメみたい。この家にはきっとないよ」
メイは諦め気味。それもそうだな。これ以上漁るのは躊躇われるし。
「やはり帰って来た時に聞くのがいいかと」
ミサキさんはそう言うと疲れたと動きを止める。
どうする? 言う通り待つか? 果報は寝て待てと言うし。
でものんびりしてられない。ここは勝負に出るべきだろう。
「ただ待つより見つけ出そうぜ。ここで大人しくしていても仕方ないよ」
私の提案に疲れたと言いながらも従う二人。それでこそ仲間。
とりあえず港で情報収集。三人で手分けして探すことに。
「ああこれね。前に遊びに行った時に見せてもらったな。
たぶん船の鍵じゃないかな。だって奴は船長だろう? 」
「それで二人を見かけませんでしたか? 」
「あーそれならどこだっけ? 」
「たぶん集会場だろう。明日のことを話し合っているのさ」
海の男たちに話を聞くが知ってる者はいないよう。
当然この鍵がこの島の秘宝に繋がるとは誰も思っていない。
そもそもそう思ってるのは私たちだけ。
ミサキさんによれば元船長のところが怪しいと。
「そうだ。ここは二手に別れましょう。
私とメイちゃんで引き続きここで情報収集を。あなたは元船長に。
たぶんこの鍵は船長から船長へ引き継がれたんだと思うの」
突拍子もない推理だな。若干無理があるが聞くのも悪くはない。
こうして一人で元船長の元へ。
しかし私も幸せ者だな。知り合ったばかりなのに皆積極的。
たぶんマグロのお陰。または村長が本格的に動き出し号令を出したか?
私に協力してやれとほぼ命令に近いお願い。
元船長の爺さんは確か昼間は年寄り連中とつるんでいたはず。
どこだ? オシャレエリアにはいない。ならば中心エリアだろうか?
急いで探してるがどこにも。サナギたちも見かけない。
これだけ動き回っているのに不思議なこともあるもの。
やはり指摘されたように集会場に集まっているのだろう。
「おいそこの若いの。暇ならば儂らのを見て行かんか? 」
厄介なお年寄り集団に目をつけられる。
今の私には年寄りのお世話してる余裕はない。
急いで元船長なる人物から鍵について聞き出さなければならない。
どうやら昼間から道端で賭け事に溺れてるよう。
それは元気そうで何より。でも何度も言うが私は暇じゃない。
他を当たって欲しい。でもどうせ暇と決めつけ面倒事を押し付けるんだろうな。
「おいキャプテン! 早くせんか! 時間が惜しい」
「何だと? もう少し待ってくれてもよかろう」
キャプテンと呼ばれる男。彼がこの島の元船長に間違いない。
「ほら急いで! 次のゲームが始められないだろうが」
負けてやる気を失った者が次だ次だと騒ぎ立てる。
セコイな。しかし気持ちは凄い分かる。
このまま放っておけば喧嘩に発展するぞ。それでもいいのか?
「あの…… よろしいですか? そちらの元船長にお話があります」
「うるさい! うわ…… やられた」
こうして休憩に入る。
煙草を一本咥えると気持ちよさそうに吐く。
するとすぐにゴホゴホと咳き込む。大丈夫だろうか? 心配になる。
事情を説明して鍵を見てもらうことに。きっと彼も聞かされたはずだ。
「ハイハイこれね。だがこれは宝ごっこではない。お前には相応しくない! 」
どうやらすべてご存じらしい。
「ですが…… 」
「帰れ! よそ者にいい顔するほど落ちぶれてないわ! 」
怒りの元船長。さすがだ。耄碌したとは言えまだまだやれそう。
「ではご存じだと? 」
「ああだがよそ者には教えられないね。とっとと帰りな! 」
ダメだ。まったく話を聞こうとしない困った爺さん。
元からこうなのか? それとも年を取り頑固になったのか?
どうであれ秘宝の在り処を聞き出すには一筋縄ではいかない。
「しかし…… 村長からもお墨付きをもらいましたし…… 」
引き下がれない。だが相手は頑固な爺さんだけに手強い。
「村長だと? お前村長にお会いになったのか? 嘘ではあるまいな? 」
村長を出すと元船長は喰いついて来た。爺さんと言え威光は失ってないよう。
「それはもちろん。村長にはどう言う訳か気に入られまして…… 」
私にとっては単なる爺だから嬉しくはないが自慢にはなるかな。
「ああそれならもう噂になっているよ。村長が全面協力してやれとさ」
どうやら村長は本気らしい。島民もそれに応える気らしい。
これでうまく行った? 果たして島の秘宝を手に入れられるのか?
「よし分かった。ついて来い! 」
こうして鍵の謎が解明されていく。
だが本当に元船長を信じていいか迷うところ。
「それでこれはどこの船の鍵だと? 」
「お前たちが考えてるような船の鍵じゃない。そんな単純ではない。
よく考えてみろ。それでは島の奴らが使えない。
もしかしたら引退したオンボロ船とでも思ったか?
ならば鍵をかける意味などない。島民だってすべて知っていること。
オンボロ船もいくつかはあったがすでに処分した。
だから船の鍵じゃない。夢を壊すようで悪いな。ほらこっちだ! 」
こうして元船長につられて中心エリアにある集会場に。
確かそこにはサナギたちやマグロもいたよな。
今でも対策会議中のはずだが。まあいいや。ではお邪魔しますか。
「おうお前も来たかアキラ。あれ船長では? 」
「何? 」
「いやお前じゃねえよ! 船長だ。船長! 」
「だから僕が船長って…… キャプテン! 」
畏怖と驚きのあまり船長がサナギに抱き着く。
「もう鬱陶しいな! それでキャプテンは何しに? 」
「いや君たちの邪魔をしに来たのではない。そのまま続けてくれ」
キャプテンこと老船長が敬礼すると皆倣う。サナギは私にまで促す。
「ははは! 人気者だなアキラ」
マグロが笑っている。これはおかしいと止まらない。
大人たちの悪ふざけがツボに入ったのだろう。
現在サナギたちは明日来るであろう隣島のならず者対策の話し合い中。
大人も子供も一緒に十人以上が真剣に。
その横を抜け控室にある机へ。
その引き出しの一番下の段に鍵穴がある。
この穴に鍵を通せばきっとそこには……
ガチャ!
ついに開錠。
慎重に引き出しを確認するとそこには袋が。
紫の袋で高級な感じがする。間違いないさ。ただのイメージではあるが。
これがこの島に伝わる秘宝だろう。
鍵はいいとしても簡単に破壊できる場所に置いておくとはあまりに不用心。
もちろん集会場で管理するのは防犯上決して間違いではない。
仮に存在を忘れて時が経とうと熱心な島民の目がある。
そう簡単にはよそ者が手を出せないのは事実。
だから秘宝がここにあっても何ら不思議ではない。
「もしかしてそれは僕の部屋の鍵? 持ち出したのか? 非常識だな」
船長は意外にも怒ってる様子。
いつも温厚な船長がこれほど怒りを露にするとは意外だ。
「ははは! いいじゃねえか! それで何を探し当てた? 」
サナギは興味津々。だが皆の目もある。ここはごまかそう。
「それが船長の眼鏡…… プライスレスのサングラス」
一応はものを見せられないので適当に言うが当然キャプテンは訝しむ。
だがキャプテンは村長のお墨付きがあるので私に味方してくれるよう。
「何を隠そう年代物のサングラスさ。だからもったいなくてそのままに。
この鍵さえあればいつだって取り出せる。実は彼にせがまれてね。
こんな時に迷惑を掛けたね。では行こうかアキラ君」
「はい。キャプテン! 懐かしかったですね」
こうしてキャプテンの機転で誰にも悟られずに秘密裏に取り出された。
続く




