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宇宙船は俺の楽園~百年の眠りから目覚めた、億万長者~  作者: まいぷろ
第40章:戦場の電脳覚醒

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274.ギルバートの隠し札

39章のあらすじ

登場人物:ギルバート(30代、商人、男性)、リラ(31歳、ギルバートの妻、女性)、アイリス(22歳、ハッカー、女性)、バロウズ(50代、エイドスの裏の顔役、男性)、バルガス(元セレノグラフィアの顔役、男性)

数ヶ月前、エイドスで再起動したギルバートだったが、車椅子生活を余儀なくされる。かつて彼を拉致した新興組織の頭領バルガスが、エイドスの顔役バロウズの傘下となり、共に裏のチームを結成した。しかし、バルガスは密売組織との決別時に撃たれ重傷を負う。怒った天才ハッカーのアイリスは、組織のビルを爆破して落とし前をつけ、彼らを支えるためエイドスに残ることを決意。ここに『バルバロッサ』が誕生した。回復したバルガスから、薬物の元締めである宇宙海賊バトラーが、大切な仲間リベラの客船を粉砕すべく「ブラックホール弾」を狙っていると聞いたギルバートは、急ぎ出港の準備を進める。

エイドスを発つため、ギルバートは迅速に出航の準備を進めると言った。


体がまだ動かないギルバートを気遣い、妻のリラが食料調達をしようとしたが、ギルバートはそれを制した。


ギルバートは、車椅子に座っているのがやっとの状態で、端末を操作することすら叶わない。


しかし、電脳を駆使し、アヴァロン商事経由で必要な物資や資源をまたたく間に発注してみせた。

さらに、運搬ロボットで船への積み込み指示までを完了させた。


「体が動かなくても、意外と出来ることもあるのね」

ギルバートの手際の良さに、リラは感心したように微笑んだ。


「実は、ほかにも裏で準備を進めていることがあるんだ」

ギルバートは用心に越したことはないとだけ言い、詳しいことはリタにも教えてくれなかった。


出港直前、アイリスが心配そうな顔をしてギルバートの元に来た。

「海賊に襲われるかもしれないから、私もついていく⋯」


心優しいアイリスの提案に、ギルバートは首を横に振った。

「大丈夫さ。お前はエイドスに残り、自分のすべきことをしろ」


ギルバートの言葉にアイリスは力強く頷き、笑顔で見送ってくれた。


こうして、ギルバートとリラ、そして先生の3人を乗せたスターブリンガーは、エイドスを後にした。



順調に航行を続け、あと1日ほどで目的地であるセレノグラフィアに到着するという宙域までやってきた時、それは突然起こった。


船内にけたたましい緊急警報が鳴り響いた。

モニターを確認すると所属不明の不審船が急速に接近しているところであった。


リタは焦り、船の推進レバーを押し上げてスピードを上げた。


しかし、ズドン! と激しい衝撃が船体を襲った。


不審船から放たれたレーザーが、スターブリンガーの2つあるスラスターの片方を正確に撃ち抜いたのだ。


急激に推進スピードが落ち、バランスを崩した船体が激しくブレはじめる。


「くっ、追いつかれる!」

リタが必死に操縦桿を立て直そうとするが、その隙を突いて不審船はスターブリンガーのすぐ近くまで肉薄してきた。


不審船から接舷用の強襲パイプが伸び、こちらに連結しようと迫ってくる。


いよいよ万事休すかと思われた、その時だった。


「今だ!」

車椅子のギルバートが、電脳を通じ起動信号を送った。


その直後、不審船の背後から、超高速で接近する一筋の閃光が走った。


その影は不審船の側面へと容赦なく直撃したかと思うと凄まじい閃光を上げた。


それは、ギルバートが万が一の用心のために電脳で呼び寄せていた『特攻船』だった。


直撃を受けた不審船は、伸ばしかけていた接舷パイプもろとも大破し、宇宙空間を漂うことになった。

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