10.謝罪と仲間
ギルは2億クレジットを佐々木の口座に振り込むと、真剣な眼差しで尋ねた。
「アンタには何か秘密がありそうだな。よければオレに聞かせてくれないか?」
正直に、2億クレジットもの大金を払って指輪を買い取ってくれたギルに、佐々木は正直に話すことにした。
「これを見てください」
佐々木が見せたのは自分の身分証だった。
ギルは身分証から前科や逮捕歴を見る方法は知っていたが、この身分証にはそういった情報はなく、きれいなものだった。
「いったい、この身分証にどんな秘密があるんだ?」
「生年月日の欄です」
そう言われ、ギルはもう一度身分証をよく見てみた。
「ひゃっ、130歳だと?」
そこから、佐々木はギルに詳細はぼかしつつ、自分が100年間コールドスリープしていた事を話した。
「だからユニブレにあんなに詳しかったのかよ。それに同い年だったとはな。話が合うはずだぜ」
ギルの口調は砕けたものになっていた。
「えっ!ギルさん、僕と同い年なんですか?」
「おいおい、そのさん付けはやめてくれ。お前は同い年の仲間なんだからよ!」
ふたたび芝居がかったセリフでギルは佐々木に話しかけた。
「わかったよ。ギル」
佐々木もノリがわかってきたようで、同じような口調で話しだした。
しかし、店の裏で聞き耳を立てていた店員たちがピリピリしている事を2人はわかってはいなかった。
「しかし、この指輪といい、まだ何か隠している事があるんじゃないのか?」
ギルの嗅覚はさらなるもうけ話を感じ取っていた。
「リベラ。資源の話をしてくれない?」
佐々木はリベラにアークにある大量の資源の話をしてもらった。
100年間、ナノマシンを使って近隣の宇宙から集め続けた、膨大な量の資源がアークには眠っているのだと。
話を一通り聞いたギルは険しい表情になった。
「ソイツはちょいとマズイな。その資源をむやみに市場に出せば、資源価値が暴落し、市場全体が混乱する。それは、この星の経済を破綻させる危険な行為だ。さらに商人の恨みを買うことにもなる」
ギルの険しい表情を見て、佐々木は不安になった。
しかし、不安そうな佐々木の顔を見てギルはニヤリと笑った。
「まったく。オマエは幸運に恵まれているな。その問題を解決でき、さらに曲がった事が大キライな信用できるヤツがお前の眼の前にいるんだからな」
ギルは提案した。
「佐々木。オレは商売人だ。大量の資源は市場を混乱させるが、市場が望む資源を市場が望むだけ持ち込めるヤツがいるとしたらどうだ?」
「オレとお前が手を組めば、オレ達は最強のパートナーになると思わないか?」
どこかのアニメで聞いたようなセリフを吐く商人と、佐々木は、どこかのアニメで見た独特な組み方で腕を組んだ。




