表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に転生した元ゲーマーだけど娯楽がないのでゲーム作ります!  作者: なすちー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

24/24

24 賭けの再確認

「さて、勝負の前に、賭けの内容はあれのままでよろしいんですの?」


 ルイスが紅茶のカップを置き、こちらを真っ直ぐに見つめてきた。


「ああ、それでいい」


 俺は迷わずに答えた。

勝って、絶対にルイスを手に入れる。これほどのセンスを持つ人材、俺の開発チームにぜひとも加えたいからな。


「……ちょっと。賭けってなによ?」


 隣で話を聞いていたフラムが、怪訝(けげん)そうな顔で口を挟んできた。そういえば、こいつには詳しいことを何も説明していなかったな。


「いや、今回の決闘、もし俺が負けたらルイスの奴隷になるんだよ」

「はあああああ!?」


 フラムが椅子から跳ね上がりそうな勢いで大声を出す。

……うるせえよ。耳元で叫ばれる身にもなってくれ、鼓膜が痛いだろ。


「ちょ、ちょっと! 人聞きの悪い言い方はやめてくださいまし。あくまで、わたくしの商会で働いていただくだけですわよ」


 ルイスが慌てて訂正を入れる。まあ、呼び方はどうでもいい。


「逆に俺が勝ったら、俺のゲーム作りに協力してもらう。俺の開発チームに入れ。……それでいいな?」

「ええ、いいですわ。お引き受けしましょう」


 ルイスは不敵に、そして優雅に微笑んだ。


「ちょっと、あたしの知らないところで勝手に決めないでよ!」


 フラムが詰め寄るように声を荒らげる。まあ、確かに必要以上に心配をかけたかもしれないな。

 だが、これは俺が受けて立った勝負だ。今さら引き下がるわけにはいかない。


「絶対勝ってよ。カイトがシャルロット商会で働くなんて、あたしは絶対に嫌だからね」


 フラムが真剣な、それでいてどこか不安そうな瞳で俺を睨む。


「ああ、もちろんだ。任せておけ」


 俺が力強く宣言すると、それを見ていたルイスがくすくすと上品に笑った。


「あらあら、嫌われてしまいましたわね。シャルロット商会は給金は弾みましてよ。それに休日だって……多少はありますわよ?」


(多少かよ……)


 真っ先に多少なんて言葉が出てくるあたり、ブラック企業の予感しかしない。

俺は心の中でそっとツッコミを入れ、盤面に意識を戻した。


「それではカイトさん。先手どちらを選びますか? 姫? それとも賊?」


 ルイスが盤面を指し示しながら、試すような視線を向けてくる。


 正直に言えば、俺はどちらでも良かった。実際に一度動かしてみないことには、このゲームの本質は見えてこないだろうからな。


 だから俺は、本当に深い意味はなく、なんとなく隣のフラムに話を振ってみた。


「なあフラム。どっちがいいと思う? 俺はお前の選んだ方にするよ」

「えっ、なによそれ。私、さっきのルール説明を聞いてたけど、いまいちピンときてないわよ?」


 フラムは戸惑ったように眉をひそめる。

 本当に、俺としてはどちらでも構わないんだ。彼女の直感に任せても、俺の勝率に影響はない。


「本当に、どっちでもいいのよね? ……じゃあ、姫。なんとなく、姫の方が逃げやすくて有利そうだし」

「よし、決まったな。ルイス、俺は姫側から始めるぞ」


 俺が即答すると、ルイスは口元を手で隠すようにして、楽しげに目を細めた。


「うふふ、分かりましたわ。それでは、一回戦はカイトさんが姫、わたくしが賊ですわね」


 ルイスが手際よく駒を並べていく。


「姫側は、中央の赤いマスに姫を置き、その周囲の六マスを騎士で囲んで始まりますわ。対する賊側は、外側の隅にある六つの黒いマスと、その内側の灰色のマスに、それぞれ一駒ずつ。合計十二体を配置してスタートですわね」


 ルイスは手際よく駒を並べ終えると、盤面の端に埋め込まれたパネルに指先を触れた。


「では、わたくしはこちらでわなを設定いたしますわ。少々お待ちくださいまし……」


 ルイスが手慣れた手つきでパネルを操作すると、盤面がわずかに淡い光を放ったような気がした。


「……設定完了ですわ。うふふ、それでは楽しみましょう」

「ああ。お手柔らかに頼むよ」


 俺がそう返すと、ルイスはいたずらっぽく微笑む。


「ちなみに、先手は賊側からとなりますわ。それとこのバンディット、お互い交互に指していくのですが『パス』はありませんの。必ずどれか一駒を動かしていただきますので、ご注意を」

「分かった。どれかを必ず動かさなきゃいけないんだな」


 俺が深くうなずくと、これまで静かに控えていたルイスの隣のメイドが、スッと背筋を伸ばした。


「では、僭越(せんえつ)ながら私が進行を務めさせていただきます」


 彼女は凛とした声で、対局の始まりを告げる。


「バンディット一戦目。姫側・白番カイト様。賊側・黒番ルイス様。――対局、開始いたします!」


 メイドの声が広く静かな遊戯室に響き渡った。


 こうして、俺の将来の開発メンバーを懸けた、大事な第一戦の火蓋(ひぶた)が切られた。


ちょっと体調が良くないため更新未定でお願いします。

すみません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ