第67話 幼女、魔王の知り合いドラゴンを紹介してもらう
「ドラゴンって、どんなヤツなんや?」
「戦ってみますか?」
いや、「飲み会のメンバー足らんから、暇なやつ連れてきたろか?」みたいなノリで言われても。
「ひとまず、ドラゴンがどういう存在かというのを知ってもらうためにも、腕試ししてもらったほうがいいかなーって」
懐から、クゥハが便箋を取り出した。机もなしで、指でスラスラと手紙を書く。
「そんな気軽に呼べるもんなんか?」
「腐っても、ワタシは魔王の娘ですからね。ドラゴンのツテくらいは、ありますよ」
クゥハが、手紙を書き終える。
便箋が、ひとりでに折りたたまれた。シュン、と、空中へ飛んでいく。
「一旦、アジトに戻りましょう」
大穴エリアの近くに、引き換えした。
「アトキン! 空からドラゴンが!」
メフティが、アジトから飛び出す。
ふわ~っと、レッドドラゴンがアジトの上を飛び回っているではないか。
「すっげー! 戦ってみたいぞ、アトキン! うひょ~!」
やっぱり、メフティはすごい。ドワーフともなると、こういうリアクションになるのだな。
「こっちでーす。ドラゴンさん」
クゥハが、地上からドラゴンに声を掛ける。
ドラゴンが、スッとこちらに降りてきた。もっとドーン! と来ると思っていたが。
「紹介します。知り合いのドラゴンさんです」
クイッと、ドラゴンが穴の方へ視線を向けた。
「どないしてん?」
「『やけにバカでかい魔力が、穴の方から流れてきているな』って言っています」
クゥハが、ドラゴンの言葉を翻訳する。
ドラゴン自身も、気になるみたいだ。
「『自分はあの穴に住んでる魔物を退治したらいいのか?』と、聞いてきています」
「ちゃうねん。ウチと模擬戦闘でもどうや? って思ってな」
翻訳されなくても、ドラゴンが不機嫌なのが伝わってくる。
「『大事な用事だと思っていたのに、こんなチビと戦闘しないといかんのか?』と、笑っていますね」
壊したい、その嘲笑。
「そら、そうやろうな」
初見でウチみたいなチビキャラにケンカを売られたら、たいてい舐め腐ってると思われても仕方がない。
「せやけど、ドラゴンともあろうものが、そんなキンタマの小さいモンやとは、ウチは思ってへんけどな」
ドラゴンの表情に、目に見えて不快感が浮き出てきた。
「こんなチビ相手に、ビビっとるってバレたくないもんなあ!」
ウチは、さらに煽る。
「『もう、逃げることも許されないぞ』といっています」
「じゃかあしゃい。相手の力量も見極められん時点で、お前は三流なんじゃ」
ドラゴンが、ノーモーションでブレスを吐き出した。
ウチは、まともに火炎ブレスを浴びる。
だが……。
「今、なんかしたか?」
ウチはピンピンしていた。




