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新大陸を開拓するため、幼女型モンスターに魂を転送した魔女は、後に邪神と崇められる(自力で幼女になりたかっただけやのに!  作者: 椎名 富比路
第八章 敵は魔物生態系最強 ドラゴン

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第68話 幼女にケンカを売った、イキリドラゴンの末路

「ドラゴン族としても、調子に乗った個体は処するようにと言われていますので」


「ホンマに間引きやんけ!」


「そうやって、ドラゴンは慎重に生きているんですよ」


 クゥハが、しれっととんでもないことを言う。


「アトキンなら、うまいこと間引いてくれるでしょう」


「同族をシバいても、なんもいうてけえへんとか」


「人間にも善人悪人がいるでしょ? そんなものです」


 そんな、大層な。


「ドラゴンのほうも、あなたをヤる気満々なので、目一杯ぶちのめしちゃってください」


 クゥハとの話に夢中で、ドラゴンと戦闘中だと忘れていた。

 

「よっしゃ」


 種族公認でシバいていいのなら。


 レッドドラゴンの尻尾がしなり、ウチに攻撃を仕掛けてくる。


 このボディの強度を試す意味合いで、ウチはあえて食らう。


 だが、片手だけで受け止めてしまった。手が勝手に反応したのである。


「おおぅ。さすが。そんなに頑丈なバイオジャケットや、ないはずやのに」

 

 数々の戦闘を経て、バイオジャケットの素材も良質になった。ドラゴンの攻撃すら、防げるほどになっていたとは。


 ドラゴンも、冷や汗をかいている。


 こちらも反撃……と思っていたときだった。


 一筋の光が、大穴から吹き出す。その様は、間欠泉を思わせた。


「おっとぉ!?」


 ウチは触手で、ドラゴンを足首を掴む。穴からドラゴンを引き離した。


 しかし、ドラゴンの尻尾が焼け焦げてしまう。再生すら不可能なほど、ドラゴンの尾はキレイに蒸発していた。

 

 あれだけブチギレていたドラゴンの表情が、怯えたものになる。


「すっかり、戦意喪失しちゃってますねえ」


「せやな。これに懲りたら、もう自分の住処でイキらんこっちゃな」


 ウチはドラゴンの足首から、触手を放す。


 ドラゴンは、脱兎のごとく逃げ出した。


 ただのヘタレとはいえ、最強種族であるはずのドラゴンすら怯えさせるとは。


「相当ヤバい奴やと、思ってたほうがええな」

 

「でもアトキンは、そういうヤツが欲しいんですよね?」


「せやな」


 ウチにとって、強敵の存在は大歓迎だ。

 

 村のためなら、開拓を優先すべきなのだろうけれど。


 ウチはどこまでいっても、研究職なのだろう。


『今の光はなんですか、アトキン先生!』


『すっごい魔力の波動を、感じたぞ! オイラもそっちいっちゃダメ?』


 カニエがドローンで、メフティがゴーレムで、遠くから様子を伺いに来た。


「来るな! 顔も出したらアカン!」



 二人は『え?』と、間の抜けた声を発する。


 

 同時に、ドローンとゴーレムは赤い光によって蒸発した。



「ホンマにあかんヤツや」


 もしあれが本物のカニエとメフティだったら、と思うと。


「あれは、ホンマにシバかんとアカン」


 ウチのヤル気に、火がついた。

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