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勇者でしょ?いえ農夫です。  作者: 羽場ネロネ
賢者でしょ?いえ料理人です。
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20話

マリア《いいリサ、私が向こうに行っている時間を適当にごまかしてね》


リサ《私ができる事はしますが長居はしないか短時間で一度戻るなりしてください》


マリア《そうね、では行ってきます》


リサ《お気をつけて》


瞬時にシドの工房内に移動するマリア


シド「王女殿下、お待ちしておりました」


アムス「おやっさん!俺は裏で堅翼爪を毟ってるね」


裏に消えるアムス


シド「図面をいいでしょうか?」


マリア「はい!こちらです」


全ての図面を確認するシド


シド「わかりました、問題ありません。で装飾の方は私に任せて頂けるという事でしょうか?」


マリア「もちろんです!よろしくお願いします!」


シド「王女殿下、私の勝手な希望なのですが素材を少しだけ自由に使わせてはいただけませんでしょうか」


マリア「シド様の好きにして頂いて結構です、よろしくお願いします」


シド「ありがとうございます、それではこれより制作に入ります、王女殿下はどうしますか?ここはかなりの暑さになります熱中症など注意が必要ですが」


部屋の窓をドアを全てあけるシド


マリア「ここからはお邪魔になると思いますので私はいったん王都に戻ります」


シド「それがよろしいかと思います」


マリア「私にできることといえば今日から毎日正午と夕方過ぎに食事を届けます、ご迷惑ではないでしょうか?」


シド「おーーいアムス!王女殿下が今日から昼と夕過ぎに食事を用意してくれるそうだ」


アムス「ありがとうございます!」


シド「そういえばちょうど今正午ぐらいですね」


マリア「はい、作業の合間にもつまめるようにサンドイッチを用意しました、野菜も肉も穀物もバランス良くとれます」


シド「それはありがたい!アムス!飯にするぞ!」


サンドイッチを食べるシドとアムス


アムス「これめっちゃ美味しい!!」


マリア「それはパンの間に厚切りにしたアムス様のトマトとチーズとレタス、牛肉のパティ、ミートソースを挟んだものです」


アムス「これは王都で流行っているのですか?」


マリア「いえ、私が考案したものです、王宮の使用人達にまかないとして出した所好評でしたので今回作ってまいりました、他にも色々な具がございますのでよろしかったらどうぞ」


楽しく食事をするシドとアムス


シド「さあ!腹ごしらえは済んだ!仕事にかかるぞ!」


アムス「了解!」


霊獣塊を軽々持ち上げるアムスに驚くマリア、今回も霊獣塊を置くときに床にヒビを入れるアムス


そして一礼をして王都に戻るマリア


こうして着々と作業が進んでいきました



それから毎日昼前から夕方まで作業が続きました。

昼前からなのは作物の収穫や世話があるアムスをシドが気遣っての事でした。


そして1ヶ月が経った日


マリア「リサ、今日は完成の日一緒にきてほしいの」


リサ「はい」


転移魔法でシドの工房に転移し工房内をのぞくマリア


シド「ふぅ〜、完成だ!」


出来上がったのは朱色に輝き金の翼が装飾された


牛刀・出刃・柳刃・菜切り包丁・筋引き包丁・ペティナイフ

大中小のフライパンと鍋でした



あまりの美しさに声がでないマリア


マリア「すごい…」


シド「全部寸分違わず作ってあります、確認してください」


ケースに収めれれた柳刃包丁を手にしようとするマリア


マリア「そういえば私の力で持ち上げることができるのでしょうか?」


シド「そこですね、まぁ反重力魔法が使えるでしょうからどうしようかとおもったのですが料理をする度に魔法を使うのもどうかと思いまして…」


霊獣の触媒を見せるシド


シド「こいつを使って朱雀の羽根に宿る重力操作の力を全ての調理器具に入れてあります。王女殿下が握れば身体の朱雀と勝手に呼応し力のない王女殿下でも軽々もてます、どうぞ握ってみてください」


包丁を握るマリア


マリア「軽い!これなら問題ないです!シドさん!ありがとうございます!」


シド「包丁をしまうケースにも朱雀の素材を使いました」


マリア「なんて素敵な装飾なのでしょう…これが少し素材を自由に使いたいとおっしゃってたものですか?」


シド「はい、でもそれだけではないのです、アムス!もってきてくれ」


まるで炎のような色使いの前掛けと少し長めのマドラーを持ってくるアムス


シド「この前掛けも朱雀の素材を使い触媒によって朱雀の霊力である熱無効、自動魔力回復、自動肉体再生の力を付与してあります。自動魔力回復、自動肉体再生の効果は少ないので過度な期待はしないでください。」


マリア「すごい!美しいうえにこれで火傷も切り傷も心配ないのね!」


シド「自動魔力回復は付与の過程で勝手についてしまいました。あとこのマドラーですが」


マリア「それは何用でしょうか?」


シド「もし王女殿下がバーテンダーに目覚めた時用に……というの冗談でして、ならないと言われましても王女殿下は賢者なのです。この先の未来で何が待っているかわかりません、攻撃魔法でも補助魔法でも視界の中でピンポイントで場所を特定して魔法を発動したいときに視点と魔法が発動する始点の焦点をあわせるのに従来の賢者は杖やタクトのようなものを使っておりました」


マリア「そうなのですね」


いつになく真剣なマリア


シド「差し出がましいとは思いましたがこのマドラーがその杖やタクトの代わりになればと思い制作しました。一応物理攻撃武器としてもそれなりに優秀です」


マリア「シド様……」


シドに飛びつくマリア


シド「王女殿下!」


マリア「何もかもが私の希望を上回りました!シド様、アムスさん本当にありがとうございました!」


深々と頭を下げるマリアとリサ


アムス「今日で美味しい昼飯と晩飯は終わりか〜」


シド「本当に王女殿下の料理は感動の毎日で贅沢の極みでした」


マリア「リサ、持ってきて」


リサ「はい」


マリア「はいシドさん、はいアムスさん」


手帳の様な物を渡すマリア、その手帳の中の紙に同じ魔方陣がいくつも画かれています。


マリア「これは離れた私と直接話せる長距離仕様思念伝達魔方陣です。使いたい時は一枚破って両手で挟むと私の意識と繋がります、美味しい物が食べたくなったらいつでも連絡してください!」


アムス「やったーーーー!」

大喜びするアムスと小さくガッツポーズをするシド


シド「王女殿下、あと包丁で2〜3本程度しか作れませんが余った霊獣塊と素材をお返しします、何かのためにとっておいてください」


マリア「わかりました」


亜空間収納の魔方陣を発動し収納するマリア


マリア「本当にお世話になりました!もし困った事があればお渡しした魔方陣でいつでも相談してください!」


手を振るマリアと一礼をするリサ


そして消える二人


シド「アムスよ」


アムス「なに?おやっさん?」


シド「これで良かったよな?」


アムス「おやっさんは最高の仕事をしたと思うよ」


シド「そうか…お前もう18歳だよな?」


アムス「うん18だけど何?」


シド「ならとっておきの酒があるから付き合えよ!」

※この世界では18歳で飲酒可能な成人


アムス「飲んだことないけど美味いのか?」


シド「良い仕事をした後の酒は死ぬほど美味いんだぞ?」


アムス「それは飲んでみたい!」



一口で酔っ払い踊り出すアムスとそれを見て馬鹿笑いするシド


いつまでも平和が続けば良いのにと思うシドであった。


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