12話
扉が開く音と同時に立ち上がるシド
シド「お久しぶりですアップス社長」
メルト「久しいなシド!俺達に仰々しい挨拶も敬称もいらねぇだろ?メルトで構わねぇよ!」
シド「メルト!」
メルト「シド!」
二人は生まれた日・生まれた産院が同じで家もお向かいさんというレア度Sの幼なじみであった。
メルト「お前が王国武具工房長をやめ僻地に隠居した以来だな」
シド「ああ、そもそも王都には二度と来るつもりもなかったさ」
メルト「ならここに来た理由があんだな?」
シド「ああ、ある」
一呼吸置くシド
シド「信用して話すぞ?」
メルト「この部屋を用意したのは外からも内からも干渉されないようにするためだ俺達の会話が漏れることは絶対にない!」
シド「感謝する、手短に言うと最新の炉が欲しい」
メルト「最新にもグレードがある、どのレベルが欲しい?」
シド「メルトが作れる最大のレベルのものが欲しい」
メルト「最大レベル?今のお前に必要なのは農具や釣り具程度の炉だろ?最大レベルなんか必要なわけないだろ?
冗談やめろよシド」
大笑いするメルトそして鋭い眼光でアップスの眼を見るシド
メルト「おいおいおい、、俺の最大って霊獣塊を溶かすレベルだぞ?武具を作らないお前には絶対必要ないだろ?」
さらに鋭い眼光でアップスの眼を見るシド
メルト「冗談じゃないんだな?」
うなずくシド
メルト「では聞くぞ?シド・ブラックスミス、お前はその炉で何を作る?」
シド「農具だ」
メルト「農具に俺の炉は相応ではない!今一度聞くシド・ブラックスミス!お前はその炉で何を作る?」
シド「俺はメルト・アップスの炉で農具を作る!これに偽りはない!スミス一族系譜の誇りに誓う!」
アップス(マジだはこれ…)
メルト「そうか、わかったシド!だが問題があるんだ、王国から先日お達しがあって勇者が誕生したから
今すぐ最大レベルの炉を売れっていわれてすぐ納品しちまったんだ
だから新しい物をつくるには半年ばかりかかっちまうんだけど問題ないか?」
青ざめるシド
シド「まじか、でも仕方ないな……」
シド(あいつに2週間って言っちまったよ〜あいつがっかりするだろうな…でもこればっかりは仕方ない霊獣塊を溶かせる炉はメルトの炉だけだ!)
シド「納期はわかった、後は値段だ、いくらする?」
メルト「幼なじみ割引して8億」
眼が飛び出るシド
シド「8億って!」
メルト「高レベルの炉の素材は全て超レア素材なんだぞ?全てが極耐熱極耐久の素材でつくらなければならない
勇者誕生でレア素材が高騰してる今契約するなら8億、明日なら10億になるかもしれない状況なんだ」
シド「俺はかなり田舎ボケしたようだな…1億位でいけるかと思ってた…」
しょぼくれるシド
シド(残り半分が今のレートで売れて2億ちょっとだもんな…これは諦めるしかないな…)
シド「その額は用意できない…手間を掛けさせてすまなかった…でも久しぶりにメルトに会えて良かった!」
メルト「シド……役に立てなくてすまない…」
シド「いいんだよメルト!」
何かを思い出すアップス
メルト「ちょっと待てシド!最大レベル炉の試作炉で良ければ今すぐ納品、価格は3億程度で売却できるけどさすがに試作炉に3億はな…」
シド「霊獣塊を溶かせるのか?」
メルト「霊獣塊を溶かせるであろう想定実験はクリアしている、実際溶かせるかは俺には未知の素材だからわからん!
でも俺の先祖は霊獣塊を溶かしたんだ!試作炉でもその教えと俺の職人魂で作った炉だから溶けると確信している」
メルトの熱い職人魂を感じるシド
シド「5日待ってくれないか、5日後に3億用意できたら納品して欲しい」
メルト「試作炉など特別な理由がなければ売却しないさ俺が工場長なうちはいつまでも待ってるさ」
メルト(すまぬシド、、これ以上はしてやれないんだ…)
敷地から出て頭を抱えるシド
シド「5日後の白鉄鋼価格に掛けるしかない!」
シド(残り半分の価値が倍の2億になるわけない…)
そんな都合良くいくわけねぇだろとわかりながら
夕方の城下歓楽街で寝床と食事を探すシドであった。
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