11話
王都の街道沿いにはたくさんの勇者の紋章の旗が風でなびいていました。
シド(王都も久しぶりだな・・国民は勇者誕生のお祝いムードではあるが100年以上続いた平和が終わるのではと怯えているようだ…)
そしてとある紳士服屋のドアをあけました。
シド「邪魔するよ〜」
店主「いらっしゃい!今日は何ようで?」
シド「久しぶりだなランプ!元気にしてたか?」
ランプ「おおお!シドじゃねぇか!本当に久しいな!お前が王国武具工房長を辞めて以来だな!」
シド「その肩書きは忘れてくれ」
ランプ「勇者が誕生したんだぞ?お前が現役なら聖剣を打つのはシドしかいなかったぞ?国の工房は今腕のたつ職人捜しでやっきになってる!お前ほどの職人なんだから聖剣うってみたかったんじゃないか?」
シド「そっそうなのか、でも俺はもう武具は作らないって誓ったからな…」
シド(その聖剣素材を農具にするなんて言えるはずがない…)
シド「で今日は買い取ってもらいたい素材があるんだが」
ランプ「俺の顔をただ見に来たはずもないだろ、どれ見せてみろ」
店に他の客がいない事を確認するランプ
シドは大袋いっぱいの細かく砕けた白鉄鋼を見せる
ランプ「おいおい、こんだけの白鉄鋼どうやって入手した?」
シド「入手先は言えない」
ランプ「俺の目は節穴じゃないぞ?シドよ、アシッドスライムから集めたら白鉄鋼は丸い粒になるがこの白鉄鋼は多重に角があるぞ」
シドの眼を除き込むランプ
ランプ「白鉄鋼の岩でも見つけたのか?白鉄鋼を叩き割らなければこの形にはならない!」
シド「はぁ〜〜〜」
深いため息をつくシド
シド「さすがは王国1の闇買い取り屋!いや違う王国1の紳士服屋だっけか?」
ランプ「どっちでもいいんだよ!紳士服屋は表向きとはいえ利益出てるし、まぁこれ以上の詮索は野暮だな」
シド「いくらになる?現金で欲しい」
ランプ「う〜ん、今日の白鉄鋼の相場で買い取るなら全部で2億と少しだな」
シド「昔より高値で売買されてるんだな」
ランプ「勇者誕生で大戦が予想されていてな、魔物由来やレアな素材や鉱物は価格が急騰しているんだ
とはいえ相場は常に変動するものだからな、この量の白鉄鋼が売りに出たら白鉄鋼の価格は通常下がる」
シド「確かにそうだな…」
シド「ではその半分を今売却したい、残りの半分は5日後の朝のレートで上がっても下がっても売却する
5日後の朝の売却まで残りの半分の保管はお願いする、何か問題はあるか?」
ランプ「こちらは何も問題ない」
シド「では交渉成立で」
手を握る両者そして店をでて移動するのでした。
シド(白鉄鋼の価格が上がっていたのはラッキーだった!半分で1億ちょい!これで工房の設備強化の資金は十分のはず!残りの半分はギャンブルだが相場が上がる事を祈る!ランプはずる賢いやつだからな…)
ランプ(シドのやつめカマかけやがって!最初の半分を市場に流すわけないだろう!
流したら価格が下がる!なら5日後全部買ってから市場に流す!
そもそもまだ市場には流さないつもりだった!戦争が始まる直前にはもっともっと高くなる!今は辛抱の時!)
それからシドは王家御用達の炉職人の元へ向かいました。
炉作成工場の若い守衛に近づき
シド「お忙しい所すみません、シド・ブラックスミスと申します
社長のメルト・アップスさんにお取り次ぎ願いたいのですが」
若い守衛「アポイントはありますか?」
シド「ありません、ですがシド・ブラックスミスが最新の炉を見たいと、それだけお伝え願えないでしょうか」
若い守衛は上司に確認をとりにいきました
数分後
もの凄い勢いでかけよる中年の守衛と眼にたんこぶができている若い守衛
中年の守衛「大変お待たせ致しました!あなた様は前王国武具工房長シド・ブラックスミス様であらせますね!
部下が大変な無礼を!社長のところまでご案内致します!」
眼が輝く中年の守衛とたんこぶで前がよく見えない若い守衛
シド「こうだから王都に居づらいんだよな〜」
守衛の後を歩くシド
そして窓の無い机と椅子2つだけの小さな部屋に通されるシド
中年の守衛「アップス社長をお呼びしますのでしばしお待ちください」
シド(窓なしか…もしもの時の逃げ場が無い、さすが国家機密の炉をつくってるだけあるな・・)
【ウィーーーン】
扉が開く音が聞こえるました。
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