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悪役令嬢の妹ですけどなにか?  作者: トマッティ
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美少女2人との出会い

いやぁぁぁぁ3ヶ月も空いてしまった・・・。

亀更新ですが頑張ります・・・(泣)



「ファルベルン様!!どこへ行かれるのですか!?」

「お供いたします!!!」


キラキラとした笑顔で迫る美少女2人。

…どうしてこうなった…。




♢♢♢



ある日の午後。

それは、最後の授業が終わり「よし、帰宅しよう!」という所でオーガとばったり廊下で出会いそのまま途中まで一緒に行こうと話しながら階段を降りていたところだった。


「はー、今日の授業は一段と難しかったな・・・やはり予習復習を怠ると駄目だな・・・。」


「オーガ殿下が勉学を怠るなんてこと、珍しいですね・・・。」


「あぁ。昨日ある小説を読み耽ってしまってな・・・ついつい夢中になってしまった・・・。」


やってしまったとばかりに前髪をぐしゃっと掻き回しているオーガをチラ見する。

こいつ、前髪ぐしゃぐしゃになっても気品が失われないのほんとおかしい。顔がいいことに感謝した方がいいぞ、オーガよ。








そんなことを考えている時だった。








私達の頭上から「いやぁぁぁ避けてくださいいいいいい!!!!!」という大声が聞こえて私達3人がバッと後ろを向くと女子生徒が階段を踏み外したのか真っ逆さまに落ちてきている。


「・・・っ!?!?」


思わず手を広げて受け止める体制を作り足を踏ん張らせる。

オーガと私の間に女子生徒は落ちてきた。

ドンッという音がして背中に鈍痛が走り、オーガと私は一緒に下敷きになって倒れた。



「ひ、あ、・・・痛く、ない・・・?」



恐る恐るといったように目を開く女子生徒。


「・・・・・・・いっつ・・・・・・・・・。」


オーガは思わずと言ったように声が出ていた。


女子生徒は誰と誰を下敷きに助かったのか理解したのか、瞬時に顔を真っ青にさせた。


「すみません!すみません!申し訳ありません!すぐに退きます・・・!!!」


女子生徒は慌てて私達の上から退こうとしているのだが、腰が抜けているのか立てないようだった。



「ちょっと、フランソワ、だいじょう・・・っ!?!?殿下とファルベルン様・・・!?!?あんた何やってるの!?!?」



この女子生徒の友人であろう子が慌てて此方に駆け寄ってきて女子生徒を私達の上から退かそうとするが変に強ばっている女子生徒の身体は重いのか上手く動かせないようだった。

ちらりとオーガの方を見るが、はぁ・・・と1つ溜息をつき無言だ。

はぁ・・・とオーガが溜息をついた瞬間女子生徒はガタガタと震えて可哀想なくらいに真っ青になっていた。なにやってんだオーガ・・・。


すみません、とまたもや口を開こうとした女子生徒を手で遮る。


「失礼、」と言って私とオーガの上に乗っかっている女子生徒の膝裏と背中らへんを持って腹筋を使い女子生徒をお姫様抱っこしながら立つ。

なにこれこの女子生徒まじ軽い。重くないやんけ。私がいつも持ってるダンベルより全然軽いじゃん。


「謝罪は受け取りました。きっとオーガ殿下も同じ気持ちです。

そんなに気にしなくて結構ですよ。全然痛くなかったですからね。」


そう言ってお姫様抱っこしている女子生徒に少し顔を近付かせて微笑めば女子生徒は先程と打って変わって顔を真っ赤にしながら「は、あ、う・・・」と唇を震わせていた。可愛いね、この子。


「おい、俺は痛かっt」とオーガがなんか要らん事言おうとしていたので遮って「殿下は鍛えてらっしゃいます。鍛錬で毎日投げ飛ばされているでしょう。こんなに羽のように軽いお嬢さんを受け止めたぐらいで弱音を吐くような方ではありません。ね、そうですよね、殿下?」とニッコリ笑顔でマシンガントークを繰り出すとオーガは「お、おう。まぁ、そうだな。」と若干引きながらも応じてくれた。



「・・・お嬢さんは今立てないようなので保健室に送ってきます。ウォールと殿下は先に帰っていて下さい。」


そう言ってウォールとオーガの方に視線を走らせると、 2人は頷いてくれたので背中を向けてこの女子生徒を保健室に送ろうと歩き出した。



♢♢♢



この女子生徒の名前は「フランソワ・バートリ」と名乗って、その友人で私とオーガの上からこの子を退かそうとしてくれたのは「モイラ・ブラウン」という名前の子だった。

彼女たちは幼馴染らしい。


保健室の先生に先程起きたことを話して見てもらうとフランソワはオーガと私で受け止めたといっても軽い捻挫と打撲をしていた。


「完全に受け止めきれず申し訳なかったです。」


と私が言うとフランソワは首をぶんぶんと振りながら、


「いいえ!いいえ!私が階段を踏み外したのが悪いのです・・・ファルベルン様こそお背中・・・痛かったのではないですか・・・?

大変申し訳ありません・・・。」


今にも涙が零れそうな程瞳を潤ませて謝り倒す彼女にこちらがさらに申し訳なくなってくる。


「いつも鍛えているのでこれしきのことなんでもないですよ。

それに、お嬢さんは羽のように軽かったですしね!」


場を和ませようと微笑みながらそう言うと彼女は顔をまたもや真っ赤にして「羽だなんて・・・!!!そんなことないです・・・!!」と恥ずかしいのか膝を抱えた。


「可愛らしい御方ですね・・・。」


と思わずそう呟くとボッと音がするように隠しきれてない横顔と耳がさらに真っ赤になった。なんだこの子、すっごくかわいい〜!!!!!!!


「ファ、ファルベルン様・・・そろそろやめてあげてください・・・この子がもう限界です・・・。」


フランソワの友人であるモイラも彼女に釣られたのか顔を赤くし、ぷるぷると身体を震わせながらそんなことを言った。

なるほど、やりすぎてしまったか・・・。




♢♢♢




そろそろお暇しようと思っていた頃、


「・・・オーガ殿下は・・・怒っていない、でしょうか・・・。」


ポツリ、というようにフランソワはそう零した。

まぁ、確かに誰だって王室の怒りは買いたくないよな・・・。

でも、オーガがあれぐらいで怒り散らす奴だとはどうしても思えない。


「・・・きっと、大丈夫だと思いますよ。

お嬢さんを守って受けた痛みなら甘んじて受け入れるでしょう。

あれしきのことで怒るような性格ではありませんしね。」


もし何かあれば私が守ってあげましょう、と付け足すと彼女は息を飲んで私を見た。


「・・・何故、そこまで気遣って下さるのですか・・・?私なんかに気遣ってもファルベルン様に損はあっても得なんて無いはずです・・・。

何故、そこまで・・・。」


その言葉に少し考える。

確かに、得はない。

・・・だけど。



「目の前で愛らしいお嬢さんが困っているのにそれを見過ごす馬鹿なんていますか?いませんでしょう。

・・・そういうことですよ。」



ふ、と笑って「それでは失礼しますね。」と保健室から退室した。




♢♢♢




そして今。

彼女たちに迫られている。



「・・・どうしたというのです?」


そう聞くと、彼女たちは昨日の私の振る舞いに感銘を受けたらしくなんでもいいので恩返しがしたいらしい。



「あー、ふむ。なるほど。

恩返しなんていいんですよ。私がしたくてやっていることなんですからね。」


「「私達もしたくてやっております!!」」


「・・・そうですか・・・。」



ここまで言われちゃ断ろうにも断れないわ・・・。

というか美少女2人両手に花状態だぞ?悪い気がするはずがないよね??

是非友人になってもらいたい。



1つ、溜息をつくと彼女たちは身体を強ばらせて「だめ?だめなの・・・?」と上目遣いで捨てられた仔犬のようにこちらを見てきた。

うっ、かわいい・・・!!!!!!!


「お嬢さんたちの熱意はよくわかりました。

これから、よろしくお願いしますね。」


私が折れると彼女たちは顔をパァッと明るくされて笑顔になった。可愛いね。


「・・・お嬢さんたちとは友人になりたいと思ってます。

ファルベルン様では、お姉様か私かわかりにくいでしょう。

是非、ライネとお呼びください。」


そう言うと、彼女たちは先程より増して顔をキラキラさせた。嬉しいんだね、良かったね。かわいい。

さっきから可愛いしか思ってないぞ大丈夫か私。


「では、私のことはフランソワと!呼び捨てに!」


「私も!私のことはモイラと!!!!」


(めちゃくそ押してくるやん・・・。)そんなことを思いながら頷き、「フランソワと、モイラですね。わかりました。改めてよろしくお願いしますね。」と握手を交わした。


同日、オーガが「あの時溜息をついたのは受け止めきれなかった自分に対して腹が立っていたわけであって決してお前たちに怒ったわけではないし、お前たちに対して怒っているはずがない。大丈夫だ。

・・・変に怖がらせて悪かったな。」

と彼女たちに謝っていた。



(・・・やっぱ根はいいやつだよな、オーガって・・・。)



そうぼんやり思っていたら「おい!怪力女!何ぼさっとしてるんだ!次の授業に遅れるぞ!」とオーガがクソデカ声で呼びかけてきた。




・・・前言撤回。やっぱあいつ糞だわ!!!!!

普通に腹が立ったので飛び蹴りをお見舞いしたライネであったとさ。

めでたしめでたし!!







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