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悪役令嬢の妹ですけどなにか?  作者: トマッティ
38/43

入学式

携帯がぶっ壊れまして頑張って書き溜めてたものが全てパァになってしまいモチベが下がって全然更新できてませんでした・・・すみません・・・。

今日からまた更新再開します・・・!

リアルがかなり忙しいので不定期になってしまうかもしれませんが待ってくださると幸いです・・・(泣)

幾年か経ち、

私はデビュタントを終えてウォールと共にファルナー学園中等部に入学することになった。

ファルナー学園中等部の入学試験は難しいと聞いていたが、どれも楽勝でしたね。

筆記試験と面接を受けました。




今日は、入学式。

お父さんやウォールと共に馬車に乗ってファルナー学園へと赴く。



真新しい制服に身を包み、馬車に乗り込む。

カタカタと馬車に揺られながら小一時間経ったか経たないかぐらいの時間でファルナー学園に到着した。





馬車が止まったので、窓を開けてみると・・・・・・・・・桜が咲き乱れていた。

この世界に生まれてから初めてみた桜だ。


(なんか、まるで日本みたいだな・・・。)と感想を抱き、眺める。

風に乗って桜の花びらが窓から入ってきたので摘むと、ウォールが「綺麗ですね。」と声をかけてきた。


「そうね。・・・とっても綺麗。」


窓から差し込む光に花びらを透かして見る。

うん、綺麗ですね。


「桜、初めて見るようだけど・・・気に入ったのかな?」


花びらで手遊びしていると、お父さんがニッコリと笑ってそう聞いてきた。


「そう、ですね。なんだか心が踊ります。」


ヒラリと窓から桜の花びらを出して、大人しく座る。

・・・入学式が楽しみだ。



♢♢♢



馬車から降りてウォールと一緒に会場へと向かう。お父さんは手続きがあるらしいので別行動だ。


桜の小道をウォールと並びながら歩いていくのだが、なんにせよ桜が風が吹く度に散って頭や肩に付着する。


「((・д・)チッなんでこんなに桜の花びらが散りまくってんだよ。こういうのは程々が1番美しいのに・・・。)」


あまりにも花びらの量が異常だ。

はぁ、とため息をついて身体についた花びらを落としていると、ウォールが私を覗き込むように腰を落として私の頭に手を伸ばした。

そして、頭のてっぺんに何かが触れたと思ったらウォールは美しく笑った。


「ふふ・・・ついてますよ、ライネお嬢様。」


どうやら、私の頭についていた花びらを取ってくれたらしい。


「ありがとう。」とお礼を言ってから、ウォールの方を見るとウォールの頭にも花びらがついていた。



「ちょっと、しゃがみなさい。」



私がそういうと、「?」と顔をしてウォールはしゃがんだ。

・・・最近、ウォールの身長はめちゃくちゃに伸びまくって私の背をとうに追い越してしまっているのでしゃがんでもらわないと取れない。


ぱっぱっと頭を払って花びらをとってやる。


「できたわよ。あんたにも花びらついてたの。」


そう告げると、なぜだか嬉しそうな顔をしてウォールはお礼を言ってきた。

・・・何故とってあげただけで嬉しくなるのか理解できそうもない。



♢♢♢


そんなこんなしている間に会場に着いた。

会場に入ると、ファルナー学園の生徒さんが席に案内してくれた。

ウォールと私は別々に案内されるらしく、私たちはここで別れた。

案内される途中で、ニコニコしながら「御入学、おめでとうございます。」と生徒さんが言って下さったので私もニコリと笑いながら「ありがとうございます。」と返した。



・・・なんだか、すごい別嬪な生徒さんだったな・・・。

あと、なんかどっかで見たような・・・。

珍しい銀髪に青色の目だったから1度会ったら忘れないはずなのに。

男だったのだが、笑顔が爽やかで好印象です。



♢♢♢



うんうん悩みながら待っていると、直ぐに時間が来た。







「これより、第645回入学式を始めます。」







司会の人が喋り始めましたね。

ってか、645回ってすごい歴史だよな・・・ファルナー学園は・・・。



学園長先生からの祝辞もあったのだが、学園長先生は40代だと聞いていたのにめちゃくちゃイケメンだった。

アレは、20代後半って言われても納得できるレベルです・・・周りの新入生の人達、みんなポーっとした顔で見惚れてました。




「・・・続いて、生徒会からの挨拶です。」



司会の人がそう言うと、アルフレッドとお姉様とその他数名が壇上に上がった。

マイクの前に堂々とアルフレッドが立つ。




・・・ファルナー学園には、中等部と高等部に分かれて中学生徒会と高校生徒会がある。

メンバーになるには成績上位なのに加え、多数の生徒の推薦が必要だ。

生徒会に入ると、学園での権威が上がり内申もかなり良くなるらしい。

それに、中学生徒会に入ると高等部の生徒会に入るのがかなり楽になる。

大体の高校生徒会のメンバーは中学生徒会のメンバーがそのままになっていることが多い。

高校生徒会のメンバーとして選ばれると、将来の出世が約束されたも同然なので生徒会のメンバーはかなりモテる。それはもうめちゃくちゃモテる。

前世プレイしていた「プリ恋」でも生徒会のメンバーは何をしても黄色い声が上がっていたことを記憶している。




そしてなによりも・・・生徒会のメンバーは美男美女が多い。

圧倒的に美男美女が多かった。





製作者のイメージなのか知らんが、成績優秀者で推薦がたくさん貰える人は美男美女というのが乙女ゲームではお決まりらしい。






そんな事を考えていると、アルフレッドの祝辞が終わったみたいだ。





「・・・改めまして、ご入学おめでとうございます。」




ニコリ、と爽やかに微笑むアルフレッド。




周りの新入生女子たちは「はぁ〜〜♡♡」とでも言うようにうっとりしてアルフレッドのことを見ている。


・・・騙されるなッッ!!!!!騙されるんじゃない!!!!!こいつはとんでもねぇ腹黒ドS男だぞッッ!!!!!顔に騙されるな淑女たちよ!!!!!!!




あ、後ろでお姉様が微笑んだ。かわいい。すき。圧倒的女神。すき。昇天案件。すき。


後ろの新入生の男子2人組が「やっぱローゼ様は美しいな・・・」と話し合っていた。

わかるぞ、そこの男よ。お姉様はとても美しいのだ。是非とも語りたい。



♢♢♢



入学式が恙無く終わり、各自の教室に向かった。


新入生のクラスは「A、B、C、D、E」という成績順のクラス分けとなっている。

成績優秀者はAクラスで、成績がよろしくなかった人はEクラスとなっている。

もちろんのこと、生徒会のメンバーは全員Aクラスだ。


今回のクラス分けは入学試験結果からクラス分けされたらしく、私はAクラスだった。

まぁ、簡単だったから当たり前だよな・・・。

ウォールとオーガもAクラスだ。



ウォールと一緒に教室に入ると、好奇の視線が飛んできた。

気にせず黒板の前の席順を見て自分の席に向かう。窓際の列の前から数えて3つ目の席で、なおかつ窓から校門が見渡せる席だった。景色綺麗。



隣の席に座っている人を見ると、青と紫の混じったような長髪を緩くまとめて、綺麗なアメジスト色の目をしている男だった。

なんとなく雰囲気がチャラチャラしている。そして、こちらを「興味津々です」という顔をして見ていた。

誰だテメェ。不躾に淑女の顔を見んな。



視線をガン無視して窓に視線を向ける。

狂ったように咲き乱れている桜が一望できるこの席はアタリなのではないだろうか。


「ねぇ。」


あーー、お姉様と一緒に桜道デートしたい。

というよりもお姉様とデートできるのなら何処でもいい。


「ねぇってば!」



お姉様は今なにをしてらっしゃるのだろうか。

アルフレッドと共にいるのだろうか・・・。

クソっっ、このアルフレッドクソ野郎め・・・!!!!羨ましいッッ!!!!!

私もお姉様と一緒の教室で学びたい!!!

あわよくば、「わからないんです、教えてくださいお姉様ぁ♡ 」とか言って午後の放課後勉強デートしたい!!!!!!!!

したいよぉおおおおー!!!!!!!!

はぁ、お姉様・・・愛しい・・・お姉様のことを考えると胸が苦しい・・・・・・!!

これが・・・恋なの・・・!!!!!!




「ねぇ!!!!!!」




グイッと引っ張られて顔を無理やり右に動かされる。

すると、先程のチャラチャラしている男・・・つまりチャラ男が私のことを見ていた。



「・・・何か用?」



話す気なんて毛ほどもなかったのに、ここまでやられちゃ話すしかない。

なんで無視したのに話しかけてくんだよ・・・。

溜息を1つ吐きつつそう聞くと、チャラ男は嬉しそうに目を細めて微笑んだ。


「君、可愛いね。隣の席なんだし、俺仲良くなりたいな!」


「・・・。」


アウトですね。こいつは中身もチャラチャラしてました。お姉様には絶対に近付けたくない部類の男です。


「ねぇ、きーてる?」


返答に詰まっていれば、ふるふると目の前で手が振られた。


「・・・聞いてますよ。貴方が下らないことを言ったので返答に詰まっただけです。」


「うぇ!?酷いね、君!?

顔に似合わず毒舌なんだね!?」


「顔に似合わずってなんですか・・・。

失礼ですよ、貴方。」


「だってすっごく整った顔しているのに・・・。

俺もまぁ、イケてる方だと思っているけど君の方がカッコ可愛くていいね。」


「・・・はぁ。そうですか。ありがとうございます。」


自称:イケてるチャラ男はニコニコとしながら「可愛い、可愛い」と連呼した。

チャラ男の顔もかなり整っていると思います。

前世だったら超絶イケメンの部類に入ると思う。

アから始まるクソ野郎とかメンヘラとヤンデレがごちゃまぜ気味になっている第2王子とかと同じくらいの顔の良さ。


なんか、顔がいい男の周りってキラキラエフェクト入ってるよね。不思議。



「ライネちゃんって、あのローゼ・ファルベルンの妹なんでしょ?仲良いの?」


「良いに決まってるでしょう???何をおっしゃってるんです????」


即答した。当たり前なんだよなぁ。

そして、自然に人の名前をちゃん付けで呼ぶな。許した覚えはないぞ。


「っていうか、貴方ね・・・勝手に人の名前を馴れ馴れしくちゃん付けで呼ばないで頂けますか?」


そう言って笑うと、チャラ男はこれまたニッコリ笑って「じゃあ、俺のことは呼び捨てでいいよ!」と言ってきた。



「・・・・・・は?」


「俺、ライネちゃんともっと仲良くなりたいな!

俺の名前は知ってるよね?」


「いや・・・知りませんけど。」


「えぇ!?!?なんで知らないの!?!?

俺結構有名なんだけどな!?!?」


「知らないったら知りませんよ。」


「えー、しょうがないなぁ。じゃあ教えるね。」


「名前呼びなんてしないので結構です。」


「そんな酷いこと言わないで!?

俺の名前はルイ・ライロンド。

一応、ライロンド王国の第1王子なんだよ。」



そう言ってチャラ男・・・ルイは口角を上げた。


・・・・ん????ルイ・ライロンド・・・????

ライロンド王国の、第1王子・・・。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・攻略対象者じゃねぇか!!!!!!!!!!!!!!!!(絶叫)




♢♢♢


ルイ・ライロンド。

ライロンド王国第1王子。

青と紫が混じったような美しい髪が特徴的。

飄々としてどことなく馬鹿っぽい言動をするが、相当なキレ者。

フェミニストでチャラ男。息をするように女性を口説く女の敵。

権力もあるし顔もいいから口説き落とされる女性が多数いる。




・・・まとめてみると、こんな感じだ。

他国の王子は高等部から編入するのが一般的なのでまさか中等部でオーガやアルフレッド、ウォール以外の攻略対象者に会うなんて思わなかった。

確かに、ルイの攻略イベントでは主人公を手馴れた手つきで学校を案内してたもんな。



私と同年代だということは知っていたが・・・まさか、同じクラスで隣の席とか・・・・・・。

最悪すぎる・・・。


こいつ女好きだから色々とめんどいし、正直言って関わりたくない・・・クソが・・・。



「驚いた?」と言わんばかりの顔を向けてくるチャラ男。

えぇ、それはもう驚いたよ・・・ッッ!!!!




「・・・かの名高いルイ・ライロンド様でしたか。先程の無礼をお許しください。」



そう言って頭を下げると、彼は手をヒラヒラと振った。


「いやいや、そんなに気にしてないよ〜!

別に謝らなくても大丈夫!

・・・っていうか本当に知らなかったんだね。」


「寛大なお言葉ありがとうございます。

・・・はい。まさか、ライロンド様がここにいらっしゃると思わず・・・。」


「まぁ、確かに他の国のやつらは高等部から編入するからね。そう思うのも無理はないよ。」


上目遣いでこちらを見てくるチャラ男。

自分の顔の良さがわかってるな、この感じは。



「というわけで、俺の名前がわかったわけだし・・・仲良くなろう?俺の名前、呼んでくれるよね?」


「え、いや、無理です。

すみません。ライロンド様と仲良くなるだなんて烏滸がましいことは言えません。」



だーれが攻略対象者となんて仲良くなるかっての!!!!

ニッコリと完璧な笑顔を作ってそう言うと、彼は少し驚いたような顔をした。



「え、なんで?

俺、第1王子だよ?仲良くなりたいと思わないの?」


「申し訳ありませんが、第1王子というだけで仲良くなりたいとは思いません。」


キッパリとそう言うと、彼はキョトンとしてからニンマリと笑った。


「・・・へぇ・・・君、面白いね。

やっぱ俺、ライネちゃんと仲良くなりたいな。まぁこれからゆっくりと仲を深めてこうよ!よろしくね!」


「はぁ・・・いや、別に仲は深めませんが・・・よろしくお願いします。」


どこからともなく手を出しあって握手をした。

あ、やっぱり第1王子だから身体鍛えてるんだな・・・剣だこがある。


彼も私の剣を扱う分厚い手に驚いたのか、「女の子なのに鍛えてるの?」と言ってきた。

「そうです。」と言うと、「そうなんだ。教えてあげよっか?」と言ってきたので丁寧に断っておいた。

「遠慮しなくてもいいのに。」と言っていたが、別に遠慮したわけではない。


だって、お前より私の方が絶対強いもん。





・・・そんな感想を抱きながら、ルイ・ライロンドとの会合を果たしたのだった。


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