舞踏会 1
今夜開かれる舞踏会は第1王子のお祝いのための舞踏会ということでかなり豪勢に祝うらしい。
新調したドレスを身に纏って、侍女達に手伝ってもらいながら準備をする。
薄く化粧を施してもらい、口紅をグラデーションしながら塗っていく。
・・・今夜の舞踏会での私のエスコート役、という人はいない。
何故かというと、
ファルナー王国には「デビュタントを終えた淑女のみが必ずパートナーと共に舞踏会に参加しなければならない」という掟があるからだ。
まぁつまり、私はデビュタントを終えていないのでパートナーは必要ないし、パートナーを伴って舞踏会に赴かなくてもいいという事だ。
お姉様はデビュタントを終えているので今日はアルフレッド野郎にエスコートされる手筈になっている。
・・・あ、もちろん、デビュタントを終えていなくてもパートナーと共に舞踏会に参加することはできる。
「淑女は絶対にパートナーと共に参加しなければならない」ということだけだしね。
そんな訳でエスコート役はいないが・・・なんか、今日の舞踏会はウォールに引っ付いて参加することになりそうなんだよね・・・。
というのも、お父さんから「今日はウォールが初めて人前に出る日だ。ライネも初めての大規模な舞踏会だろうが、ウォールのことにも気を遣って欲しい。」と言われたからだ。
「(ほんと、なんで私が野郎なんかに気を遣ってあげなきゃいけないんだか・・・)」
そう思いながら目線を下げ、バレないように溜息をつく。
・・・あーあ、お姉様のためならまだしもウォールかぁ・・・私に利点ほぼないじゃん・・・。
・・・だが、ウォールには色々とお世話になっているので色々と気を配ってやろうと思う。
♢♢♢
そんなことを考えている間に準備が終わった。
侍女が退室して、後はウォールの準備が終わるのを部屋で大人しく待つだけだ。
窓から屋敷の門の方を見ると、今夜乗る馬車がもう用意されていた。早いね。
ちなみに、今日の私の髪型はいつも通りツインテールだ。
鏡を見ると、薄く化粧を施された焦げ茶の髪を左右にツインテールにした美少女がこちらを見ていた。
・・・前から思ってたけど、ライネってやっぱりあのイケメンなお父さんと美女なお母さんの血を受け継いでいることもあって普通にめちゃくちゃ可愛いわ・・・。
ツインテールが似合う子って大体可愛いよね、うん。私可愛いわ((
・・・そうして暫くの間ライネの美少女感を味わい尽くした。
♢♢♢
コンコン、と控えめに扉をノックする音が聞こえたので返事をする。
そうすると、ビシッと礼装を着たウォールが一礼して入ってきた。
「・・・ちょっと遅かったんじゃない?」
大分待たされたので皮肉げにふっと笑ってウォールの方を見ると、ウォールは薄く目を見開いたまま固まっていた。
「・・・・・・?どうしたの?」
思わずそう問うとウォールはハッとしたように頭を振ってトロン、と目を和らげながらこちらを見た。
「・・・すみません、あまりにもライネ様が美しくて・・・思わず見惚れてしまいました・・・。」
・・・これにはこちらが照れた・・・。
いや、これは誰だって照れるでしょ・・・!!!!!
「は、はぁ⤴︎⤴︎!?!?
な、なんなの!?!?そういうことは口に留めておきなさいよ!!!!
普通に言うんじゃないわよ!!!!あんた馬鹿なの・・・!?!?」
私が声を張り上げながらそう言うと、「申し訳ありません。」といいながら口元に手を当ててクスリと笑うウォールに張り手を繰り出して大袈裟に足音を鳴らしながらドアの方に向かう。
「・・・さっさと行くわよ。
・・・・・・・・・・今日はよろしくね。」
歩きながら後ろを歩くウォールに声をかけると、「はい。今日はよろしくお願いします。」と後ろから声がかかってきた。
うん、いい返事ですな。
それでは、いざ舞踏会へ!!!!




