戦いの果てに
ウッディの放った究極魔法アルテマは、周囲にある物を飲み込みながらアルザスを襲う。
「な、何だ! この魔法は……か、身体が捻れていく……ぐはっ……」
アルテマはアルザスを飲み込み、木っ端微塵に砕き形なきものにした。
「ハァ……ハァ……やった……か」
ウッディは、アルザスを倒したのを見届けると、その場に座りこんだ。
「ウッディ――っ! あんなに凄い魔法があるなら、何で最初からやらないだよ」
暁がウッディに駆け寄る。
そして、少し遅れてイシュケルも駆け寄った。
「ウッディ、見事な魔法だった……見直したぞ!」
ウッディは、虚ろな目をして、二人に言葉を返すことなく黙ったままだ。
「ウッディ……ウッディ?」
返事をしないウッディにしびれを切らし、暁が肩を掴み揺さぶる。
「…………あ……暁……これは……禁断の魔法……だったんだ……命と……引き替え……の……うぐっ」
ウッディの身体全体に、倦怠感と剣を何千本も刺されたような痛みが走る。
更に、呼吸器系も蝕まれ酸素を取り入れることさえ、困難な状況に陥っていた。
「暁……残念だが、ウッディはもう……」
イシュケルはウッディを見て、その命はもう幾ばくも残されていないと悟り、暁の肩を叩いた。
「イヤだよ、ウッディまで死んだら……僕は……」
暁は人目を憚らず、声を出して泣いた。
サハンも黒龍も、静かにそれを見守っていた。
「……ウッディ、すまない。一度お前を蘇生してるから、次は俺の手では……出来ないのだ……」
「……イシュケル……気にすんな……お前には……感謝してるぜ……必ずイセリナを……生き返らせて……くれよ……暁! 最後に顔を……顔を見せてくれ」
「何だよ、最後だなんて。そんな悲しいこと言うなよ!」
暁がそう言うと、ウッディは出来る限りの笑顔で返した。
「暁……最後に言わせて……くれ」
「な、なんだよ、こんな時に」
「暁、お前が…………す…………だ……」
「ウッディ? ウッディ――っ!」
ウッディは、力なく暁に最後の言葉を残すと、息を引き取った。
泣き崩れる暁の肩を、イシュケルはそっと撫でた。
「思い切り泣けばいい……この悔しさを忘れない為にも……」
「……そうだね……」
イシュケルは何も言わず、暁が落ち着くまで肩を撫でてあげた。
「イシュケル、もう大丈夫だよ。僕達には、やらなくちゃいけないことがあるんだ」
「そう言うことだ。暁、ではこの城に囚われた天空人を探すとしよう」
「わかった。その前にちょっと、待ってて」
暁は、イセリナとウッディの亡骸を並べ、道具袋から粗末な布を取り出し二人に掛けてあげた。
「イセリナ、ウッディ、ちょっと行ってくるよ」
暁は、二人の亡骸に明るく話し掛け、イシュケルの元に駆け寄った。
「もう大丈夫か?」
イシュケルが、暁にそう問いかけると、
「うん!」
と、暁は元気に返した。
「では、行くぞ! サハンもついて来い。黒龍はここで、二人を見守っていてくれ、わかったな?」
「ギャォォン」
「いい返事だ」
イシュケル達は、謁見の間を離れ、囚われた天空人の捜索を始めた。
イシュケルは、自分の城ということもあり、天空人を探すのにそう時間は掛からなかった。
「じいちゃ――ん!」
サハンは囚われていた一人に言った。




