絡まれる同級生
命に嫌われているを聞きながら投稿しました。本編とは一切関係ありません。
食事を終え、僕達は国際通りでショッピングをしていた。ユノが初めて見る物ばかりで興奮しきっている。僕も沖縄は初めてなので正直結構興奮していた。
「パパこれ欲しい!」
ユノが持ってきたのは…木刀だった。えぇ…
十歳の子の選ぶ物じゃないとも思うが、あっちの世界で彼女は勇者として僕の元に来たのだ。こういった物に興味を持つのは当然の事かもしれない。どうしたものか。
「も、木刀は今度僕があっちで創ってあげるから、今日は別のにしたら?」
「うーん…じゃあそうする!」
ユノが木刀を置いてきて他のを選び始める。僕は一息つくと、ログマへの土産を選び始める。途中ふと路地裏を見ると、高校生が二人の不良に絡まれていた。普通なら関係ないと放っておくのだが…
「ちょっと離して!」
「おい!琴葉から手を離せ!」
「うるせぇ!こっち来い、一緒に気持ちぃ事しようぜぇぐへへ」
「お前もなひっひっ」
「やめて!」
「おい雪乃を離せ!」
お前らかよ。いや何してんの?マジで。はぁ面倒だが、一応友人だしな。それに何か琴葉にちょっかい出されるのを見ると無性に腹が立つ。
「おいやめ、グッ!」
「グハッ!」
「お兄ちゃん!三原君!」
「斉君!悠二!大丈夫?!」
「ひっひっひっよえーなお前ら」
ほう、斉は帰宅部だから兎も角、日頃から鍛えてる悠二がやられるとは意外だ。ああそっかあいつ暴力とか嫌ってたしな。そろそろ助けるか。ユノは…目を離すのは心苦しいが、まぁ僕を除けば地球上で最強だからな。天力のコントロールも完璧に出来るようになってる。何かあっても自分で対処出来る。仮にも勇者だしね。さて、行くか。
「オラッ!トドメだ!っ!?」
斉に向かって放たれた拳を間には入り受け止める。大したことないな。軟弱な拳だ。
「な、何だ?誰だてめぇ!」
「高校生相手に暴力とは、酷いですね…それと彼女を離してもらえるかな?」
琴葉を掴んでいる腕を掴んで力を込める。
「痛てぇ!!」
「なっ!?てめぇ!」
雪乃を掴んでいた方の不良が雪乃の腕を離し僕に殴りかかってくる。僕は掴んでいた不良を壁へと叩きつけ、拳を掴みその勢いのまま回転させ地面に落とした。受身が出来ず腰をぶつけ痛みで気絶した。あっけない。
「くそが…おらっ!」
もう一人も殴りかかってくる。それを左手で払い溝落に拳を叩き込む。
「ぐ、あぁ…」
かなり手加減はしてるが魔王の一撃にただの人間が耐えきれるわけがなく、その一撃で気絶してしまった。
「パパー!」
ユノが僕のほうへ駆けてくる。走ってるユノもか( ゜д゜)わ( *゜д゜)ゆ(*´д`*)す。おっと親子親子。
「なにかあったの?」
「いや何もないよ、大丈夫」
「ふーん」
「さて、君達大丈夫かい?」
四人に尋ねる。四人揃って口を開き呆けていた。まっ当然の反応か。
「大丈夫かー?」
今度は顔の前で手を振りながら尋ねる。それで漸く戻ったようだ。
「あっすいません。た、助けていただきありがとうございました!」
斉がそう言いお辞儀をする。それと同時に三人もしてくる。
「いや別に構わないよ。怪我はー…無さそうだね」
殴られた所は既に回復済みである。
「あれ?痛み引いてる…」
「俺もだ…」
「まあ良かった良かった。んじゃこいつ等は俺が処理しとくからお前らは行っていいぞ」
「えっいやしかし…」
「折角の修学旅行だろ?存分に楽しんでこい」
「「「「……あ、ありがとうございました!」」」」
四人で顔を見合わせてから僕の方を見てお礼を言ってきた。大した事はしてないがな、雑魚に制裁を与えただけだ。それから悠二、声でかい、煩いぞ。
「気にすんな」
「で、では失礼します」
四人が路地裏を出ていくのを確認してから、空気を読んでくれたのか壁際にいたユノに話しかける。
「ユノ、悪いんだけど、少し入口付近で見張っててくれる?少し彼等とお話・・したいからさ」
「…分かりました!」
ユノが路地裏入口付近まで行き、見張り始める。そして僕は彼等を回復させ、目覚めさせる。
「おい、起きたか?」
「…んあ?…なっ!おまっ!?」
「ひっ!?」
最初にぶっ飛ばした奴は結構怯えてんな。ビビりか?
「お前らに一つ言っておく事がある」
「な、何だ?」
「…お前らはアイツらに手を出した。正直気絶させただけでは怒りが収まらないんだよ…だから…」
そこまで言うと男達の背後に暗闇が現れた。その暗闇から漆黒の腕が伸びてきて、不良二人を引きずり込んでいく。
「ひっ!や、やだ!助けてくれぇ!」
「離せっ!くそっ!やめろォ!!!」
問答無用で引きずり込まれていく。
《冥界門》
死者の彷徨う冥界へと誘う門。生者が迷い込めば冥界の女神《エレシュキガル》に地獄の様な仕打ちを受ける事になる。因みに僕が入った時も《エレシュキガル》が仕打ちをしようとしたが返り討ちにした。そしたら何か好意を持たれて冥界にいる間ずっとストーカーされてた。
不良が冥界へ入ったのを見て、《冥界門》を即座に閉じる。あまり長い時間開けて《エレシュキガル》に勘づかれたくはない。
「ん?おわったの?」
「ああ、さてさっさと土産選んでホテルでも探すか」
「ほてる?…ほたる?」
それ光るヤツな。ユノにホテルの説明をしつつ、土産を選んでから、力を使い良さそうなホテルを見つけ向かった。…あれ?今頃だけど俺犯罪した?…まぁいっか。自業自得だ。
まーひーまーひー