表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/28

ヒトナナノハナシ 嫉妬と助言そして残らぬ想い

久し振りに1週間以内に投稿します。

楽しんでくれれ嬉しいです。

 その夜、俺はとある夢を見た。そこはただただ白いだけの空間で、距離感はおろか自分が足を付けて立っているのかも怪しい。この場ではっきりと分かる事は、自分が知らないところに居る事。そして、ここに存在しているのは自分と少し離れたところに座って何かをしているこれまた白い格好をした白髪の男だった。

 男は、そこに俺が気付いたようで、ゆっくりとこちらを向くとふわりと微笑み彼はこう言った、

「やぁ、僕は『旅の神』。君を守護している神さ、よろしく」

「あんたがスキルを奪った張本人かぁ!!」

 なんてやつだ。人のスキルを奪っておいてよろしくだって?おまけに俺の安眠を妨げやがって。斬ってしまおうか?どうせ神様なんだからそれぐらい余裕だろ。

 ゴブリン相手にすら躊躇していた俺でも、こいつなら斬れる。確信があった。

 だがそうもいかないらしく、

「まぁ、落ち着いて。あれには深ぁい訳があるんだよ。斬るのはそのあとでもいいだろ?」

 どうやら俺の思考を読んでいるようだ。まぁ、こいつの言う通りだし聞くだけ聞くとしようか。

「訳?人のスキルを獲るほどの訳とは一体何だ?」

「うん、実は先日彼女と別れてしまってね。そこに君がとびきりに美人さんを奴隷…もとい仲間にしたもんだか—―」

 斬った。縦横十字に。綺麗に四等分だ。欲を言えば飛沫で深紅の華を咲かせたかったところだが、夢のせいなのかその体は白に溶け込むかのように霧散するだけだった。

「そんなふざけた理由で俺のスキルを奪ったのかあんたは!!」

 スキルを奪われた理由が嫉妬だったなんて、笑いの一つも出やしない。唯華の事も奴隷とか言いかけやがって。そんな俺の心を知ってか知らずか、旅の神は空間から話しかけてきた。

「ふざけただって!?とんでもない!僕はいたって真面目だよ。僕だって彼女の耳をモフりたい」

「わかった、わかったよ。俺が悪ぅござんした。」

 モフる?人間相手にモフるなんて、頭大丈夫か?どこをモフれというんだよ。

 このままでは埒が明かない。そう判断した俺はこの状況から一刻も早く抜け出すため、折れることにした。…ダサいとか言うなよ?

 そのことに気を良くしたのか

「そうだよ君が悪いんだよ大体君は~~」

 愚痴を始めたのだった。


 40分後。既に俺の耳には彼の声はBGMとしか判別できなくなり、右から左へときれいに突き抜けていた。

「というわけなんだよね。」

 お、どうやら彼の愚痴もようやく終わりを迎えたらしい。

「いやぁ、なんか愚痴ばっかり聞かせちゃってごめんね」

 全くだ。いや、最後の方は流してただけだけどな。

「じゃあ愚痴聞き代と言う事で俺のスキルを――」

「いや、それはない」

 ちっ。

「一つだけ助言をしてあげよう」

 お?

「まぁ、助言といってもどうするかは君が決めるんだけどね。じゃあ言うよ。今日起きたらこの王都の一番大きな図書館に行ってごらん。そこの『魔術書棚』の所に行くんだ。そこからは感銘寛大なこの僕が導いてあげるから」

 なんでこいつは一言多いんだろうか。そんな事を思いながら俺は意識がかすれていく感覚を覚えた。

「お別れの時間だね。では、君のこの『リース』での旅が幸多いことを祈ってるよ。」

 それがこの世界の名前だろうか。そんな彼の言葉を最後に、白の世界は黒に飲まれた。

(でもね、貴方にはあの力はまだ早いの。もっと心を育てて)

 黒に飲まれる意識の中、そんな聞き覚えのある声がどこからか聞こえてきたが、そのことが俺の記憶に残る事はなかった。

ご感想、ご指摘などありましたらぜひお寄せ下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ