↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イケおじ元魔王は、凄腕薬師でアル  作者: ゆうきぼし


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1/10

プロローグ

 かつて世界を恐怖で支配し、勇者一行に滅ぼされたとされる魔王がいた。その力は強大で、あらゆる魔法や攻撃や防御、作戦が意味をなしえなかったとされる。その中で唯一、勇者一行が勝利できたのは、「魔王自身が自らの死の未来を確定させてしまった一瞬の隙」を見極めることが出来たためだった。


「人間はやっぱり面白いなあ」


 そんな風にひとりごちて煙草の紫煙を煙らせているのは、腰まで伸びた銀髪を無造作に紅紐でくくりつけた壮年の男だった。紅紐の先には長い房がついており、寸分違わずその房がまっすぐに揃うのは上質な素材で出来ているからであろう。すらりとした長身に、黒地に立ち襟の中華風の上着。前面には黄昏色のチャイナボタン。袖周りには繊細な金糸で雲気が刺繡されている。細身のズボンに足元は黒褐色の編み上げのブーツを履きこなしていた。


「良く寝たから体もすっきりしたし、今日はこの服装にしてみるかな。久しぶりに外に出るのだし、歩きやすい靴のほうがいい。あれから少し時間もたったし今の流行りを見てみるのも良いか」

 長い脚を組みながら、愉快そうに口の端をあげる。酷薄そうに鋭利に光る瞳が薄闇の中で金色に輝く。両手を組んで腕をあげると大きく伸びをした。


「さてと吾輩を楽しませる糧でも探してみるか」

 ふらりと立ち上がると、手元に現れたステッキをくるりと回して地面をとんっと叩く。浮かび上がった魔法陣の真ん中に立つと、しゅんっとその場から消えてしまった。─── 彼が去った後には静寂と闇しか残されていなかった。


 実はこの壮年の男は《《元》》魔王である。長年の封印から目覚めたが、世界征服にはとっくに飽きており、自分を倒した人間に対して興味津々だった。今世は正体を隠して人間界で暮らしてみようと虎視眈々としている……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。