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ダンジョンのある日常~とあるテイマーかく戦えり~  作者: 那田野狐
ダンジョンの秘密

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203/208

第203話 蟻の巣ダンジョンその1

 朝8時30分。キャナルシティダンジョンの入口が開いた。

 С級以下の開拓者は入場出来ない特別なダンジョンなので、オープンは役所時間だ。午後は5時30分には閉まる。


「はい。許可証です」


 櫛田神社開拓者ギルドが発行したキャナルシティダンジョンへの入ダン証を守衛に見せる。


「確かに・・・」


 守衛は許可証に目を通すと自分らを通してくれる。


「へぇ・・・案外通路っぽいね」


 紅桃が呟く。


「壁が崩れ落ちそうにないです」


 ペンタントちゃんが壁を叩きながら呟く。


「蟻の通った道がダンジョンに変質したのかな?

 」


「マイダンジョンの仕様を見る限りダンジョンが先やね。まぁ、蟻だから後から横に広がるぶんは解らないけど・・・」


「増築分はいつ崩れ落ちても解らないってこと?」


 ペンタントちゃんが身を震わせる。

 まぁその辺は時間も経っているし、ダンジョンが崩れないように手当てしていると思うよ。


「大丈夫だと思うけど・・・気をつけて行こうか」


 2列で先に進む。先頭はユウイチローと龍神丸で2番目は自分とペンタントちゃん。最後尾は紅桃だ。


 カチカチカチ。


 堅いモノを打ち鳴らす音がする。


「せい!」


 ユウイチローの足が蟻の頭にめり込んで黒い塵に返る。


「あ?弱いな」


「第1階層はどこも弱いよ」


 ユウイチローの言葉を紅桃が拾う。


「それもそうか・・・」


 ユウイチローは落ちていた魔石を拾って投げ渡してくる。

 第1階層はそんな感じで進んでいった。


「第2階層から第5階層まで第1階層のボスが雑魚敵で現れるってどんな手抜きだよ・・・」


「まだ踏破されてないからね」


 なぜだか解らないが、ダンジョン内部に変化があるとしたら最終ボスが倒されたあと完全踏破されてからというのが定説である。

 最終ボスが倒されると1日から1カ月、ダンジョン内部からモンスターが居なくなることがあるのでそのときに再配置されるという説が濃厚だ。

 極稀になんだけどね。


「さて、第5階層のボスは・・・」


 ボス部屋に突入する。


「ありゃ丸盾か?」


 ユウイチローが言うように部屋の中心に丸盾のようなものが三つ横ー列に並んでいる。


 ギィ


 丸盾の間から蟻が顔を出す。


「先手必勝!」


 ユウイチローが突っ込んでいく。


 ガシャ


 丸盾がユウイチローの拳をいなす。


「なんだ!?」


 丸盾だと思ったら円盤状の頭部を持った蟻だった。


「タートルアント。防御特化の戦士です!」


 ペンタントちゃんが鑑定した結果を叫ぶ。


「ギィ」


 タートルアントの間からアントが尻を逆つの字にして液体を噴射する。蟻酸攻撃だ!


「短、中距離攻撃とかズルくないか?」


 ユウイチローは寸前で蟻酸をかわす。

 そこに石礫が飛び込んでくる。


「土魔法も使えるってか!」


 石礫がストーンバレットと呼ばれる初級の土魔法だと看破したユウイチローが腕を振るって石礫を散らす。

 イヤイヤなんで散るの?


「前衛が守り固めて後衛が間接で攻撃する。やるじゃないか!」


 ユウイチローが口角をあげる。


「チェインライトニング!」


 ペンタントちゃんが人差し指でタートルアントたちを横なぎになぞる。

 雷が指がなぞるように走る。

 チェインライトニングは雷の広域魔法のひとつだ。


 ズガン!


 オゾンが空気が焼ける臭いがする。


「キシャ!」


 タートルアントの動きが止まる。痺れたようだ。


「せい!」


 紅桃がタートルアントに飛びつきその頸部に腕を回す。


 ゴリ!


 タートルアントの首がへし折れる。


「意外に脆い?」


 黒い塵に還るタートルアント。残ったのは魔石とタートルアントの頭部。


「盾かな?」


 紅桃は、飛んできた蟻酸をタートルアントの頭部で受け止める。


「同胞の蟻酸で溶けるほど柔くないってか?」


 蟻酸を吐いた蟻にタートルアントの頭部ごとぶつかる。


「ギャオ!」


 龍神丸がその顎でタートルアントに噛みつく。そして、その体を回転させる。鰐の必殺技であるデスロールだ。


 ボキ!


 その回転に耐えられずタートルアントの首がポロッと取れる。


「オラ!」


 ユウイチローがタートルアントの頭部を捻るようなパンチで横から叩く。

 痺れて動けないタートルアントの頭部がくるんと一回転する。


「あと2匹!」


 ペンタントちゃんが指さす。


「エアカッター」


 アントの細い首に空気の刃が集中する。


 ザン!


 アントの首が宙に舞う。


「弱点が分かれば脅威度が下がりますね」


 ペンタントちゃんが笑う。

 アントは黒い塵となり魔石と殻を落とす。


「鎧の素材ですかね?」


 ペンタントちゃんがアントが残した殻をコンコン叩く。

 いい音だ。


「その辺は職人さん次第だね。数を集めることにしよう」


 しかし、アントの殻はレアンドロップのようで、第15階層まで数が集まることはなかったよ・・・

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― 新着の感想 ―
>しかし、アントの殻はレアンドロップのようで、第15階層まで数が集まることはなかったよ・・・  つまりこの殻が出たら「蟻がとう」ってダンジョンにお礼を言うわけですね。
まあ、最初の内はそれほど強い蟻は出ないだろうねぇ。鉱石とか採掘が出来る深い層だと・・・メタルアント(金属蟻)とか出て来そうな気もする。こいつらの場合、物理防御とか魔法防御も高いだろうから、厄介そうだな…
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