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ある日の午後  作者: ラゼル
Chapter 1
8/72

たこやき×トラウマ×トキメキの罠



「なぁなぁ芽衣。これとか面白そうじゃねぇ?」

「んーちょいまち」


現在、ジュンク堂に来ております。ちなみに3階建てのおっきな本屋さんです。新刊もそろっているし、大学で使う参考書の実物を見たいときとかもここに来ます。たくさんの本が平積みされている様子は壮観で本好きとしては心躍る光景です。



――小1時間前


服屋さんで敗北したあとは、この本屋さんの前にあった屋台でたこ焼きを買って食べました。

 やっぱり大阪に来たらたこ焼きなのか、そこそこの人数が並んでました。

 さすがに空腹に耐えられないし、きっちりしたランチを奢るには金銭的に大学生にはキツイ。


「なー、芽衣。これ何が入ってるんだ?」

「海に住んでいる生物ですよー。」

 とふわっとぼやかしつつも、ふー、ふーと冷ましながらたこ焼きを頬張る。


 海産物を食べる文化はあちらにはあるのだろうか?

 タコのことは細かく説明しないでおこう。グロテスクだし、知らないほうが幸せな事ってあるものだ。


小さい頃から周りが食べているものって自然とおいしいのかな?と思って食べたくなるけど、慣れてない食べ物って意外に精神的なダメージが大きいものだと思う。

 台湾行ったときのフードコートで食べた汁そばの匂いは当分の間、麺類が食べられなくなるほど強烈で軽くトラウマだ。それでも食べきった私も大概だが……。母は途中で断念した。


 あー。

 あと昔バレンタインデーの友チョコであんまり仲良くない子からまるで雑巾のような味のするガトーショコラを頂いた。何をどうすればこんな破壊力のあるものを作れるんだよ……と思ったものだ。


 味見をしろよ最低限のことだぞ! 人に食べさせるんだから!


 二次元だと『らんま1/2』にでてくるあかねちゃんとか、胃薬必須のすごいもの作っていらっしゃったけれど、まさか現実にあんなものをしかもこの日本の文化圏でナチュラルにつくる人がいるのにはびっくりだ。


「ちなみにこれはこの地域の名物料理です。この国の料理って基本的にこんなにこってりした味付けが基本ではなく、もう少し繊細な感じですが」

 だし重視だもんねー。お味噌汁は日本の心だよねー。


「ふぅん まぁ大味だな。たまにはいいかもな。」

「ですね。」

まぁ確かに、こういう粉ものは毎日食べるものじゃないな……。


 たこ焼き機は一家に1台。ウチにもバッチリ置いてある。

ちなみにわたあめ製造機や流しそうめん機もあったりする。


「ごちそうさま。」

いただきます、ごちそうさまでした、は一応教えておいた。

 説明が面倒くさいからいただきます言わないでおこうと思ったんだけど、うっかり言ってしまった。

 習慣って侮れないなーやっぱ。


「いえいえ、お粗末さまでした」

私が作ったものじゃないんだけどね。


 ――そして冒頭に戻る


 カイトに待てをしつつも。

 えーと、この漫画の5巻前回買い忘れたんだよねー。よしよしと本を手にとる。


 ん……? 視界に色んな本を入れながら、本棚の間をすいすいと歩いていると。 


「うにょーあぁ! 幽霊伯爵の新刊出てるー!!」

うっかりしてた いつのまにーっ 

 きゃあぁ! 竹岡先生のヒカルシリーズも新しいのも売ってるー! 最近発売日のチェック怠ってたからなぁ。


「あー、この作品もおもしろそう…… ハードカバーだから高いなぁ。図書館で借りて読もうかなー。うーん。」

 目線を忙しく動かしながら足早にくるくると小説と漫画コーナをいつもの倍速で動く動く。


「なんか急に表情豊かになったな…奇声まであげて……」

 カイトが呆れている。

 まぁ自分でもそう思う。アドレナリンがどばーって感じだ。

 基本私のお金のほとんどは服か本につぎ込まれている。もうそろそろ本の置き場所が部屋に無い。たんすの上にまで本棚を作って置いてあったりする。


 ふー、とりあえず一段落と息をつく。


「そんで カイトは何見てたの?」

「おー これこれ」

 たくさんの本を両手で抱えつつ、カイトの手元を覗く。キレイなロサンゼルスの写真集。

 青い海とか可愛い町並み、カラフルなカップケーキ。

 うわーすごいこのケーキ青い……。着色料ハンパ無いわー。


「へーキレイだね」

「そうだな。こんな綺麗に風景を (のこ)しておけるんだな」


「……そうだね。」

うん。思い出も大事だけどカタチとしてっていうのもやっぱり欲しいものだよね。





――カイトとも何か(のこ)しておけるといいなぁ。

サブタイトル“カタチあるもの”にしようか迷った…

まぁ こっちのほうがいいとか言う人がいたら変えようかな?

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