17 己の正義
「ウガァァァア!!!」
バーーン!!
天使の力を使った瞬間、大爆発が起きた
「やばい…早く逃げないと…」
周りにあった他の魔法石は吹き飛び、何個かは破壊されてしまう
太郎は、後ろにいた警官達を抱え、地下からの脱出を試みた
………………
タッタッタッ…
外に出ると、魔法石を管理していたところに大きな穴が空いていた。
バーン!バーン!
外へと出てしまった天使が暴れ始める
「ふっふっふっ…来たようだな天使さんよ」
遠くからユグはほくそ笑んだ
こうしてユグの計画が実現してしまうのだった
タッタッタッ…
太郎は天使のもとへと走っていく
「天使だか何だか知らないけど…この町で好き勝手暴れられたら困るな!」
「くらえ!ヘルインパクト!!」
バゴーーン!!!
その攻撃は天使に命中した。
しかしその攻撃を耐える天使…
そして次の瞬間、反撃してきた
「光の矢」
グググ……!
「所詮は小悪魔。そのような分際でよく倒せると思ったな!くらえ…」
バババババ!!
ドドドドド!!!
「ぐあぁぁぁあ!!」
光の矢は太郎を狙い撃ちする
太郎はその攻撃をくらい、吹き飛んでいった。立ち上がろうにも立てない
一瞬のうちに絶体絶命の状態となってしまう
トコトコ…
そこにユグも合流する
「イブの発明能力、そして私の改造能力が合わさってできた傑作、天使の力!悪魔の力には劣るが…あいつが消えた今、最強はこいつだ」
「くそ…が…」
「お前は…天使なんかじゃない…ふざけるのもいい加減にしろ…!」
「新人類の誕生のためにはこの世を1回創りかえなければならない」
「この人類にとっての天使ではない!新人類にとっての天使だ!」
「創りかえるだと…?絶対にそんなこと…させるものか!」
「オラァァ!!」
「そんなに怒り狂っていたら、また小悪魔に浸食されてしまうぞ。ハッハッハッ!」
「黙れ!!」
シュバッ…!
太郎は天使に向かって技を放つ
「hell、氷の力…」
「ヘルブリザード!!」
太郎は足に冷気をまとい、キックを放った
バンッ!
ガガガ…!!
「良い攻撃だ…だがこんなものでは効かない!オラァ!!」
バーーン!!
「ぐはあっ!!」
バタッ…
「完璧だ。我が天使よ」
「そのままエレメントを奪ってしまえ!」
だが、何故か辛そうにしている天使…
「うっ…くそ…」
「どうした…?大丈夫か?」
「こいつの低すぎる適合率の身体では、限界がくるのが早い…」
「もうこんなになってしまうとは…」
そんな中太郎は再び立ち上がる。辛そうにしている天使を見て、太郎はチャンスがきたと思った
「hell、そして電気と風…」
「超絶スピードでもっと追い込んでやる」
シュバッ…!
ビュオンッ!!
「こんな状態に…くそ、太郎…!」
「くらえ…!光の爪!」
カンッ!カンッ!カンカンッ
互角に張り合う2人…
「だいぶ苦しそうだな…!適合率が低いんじゃないか?天使とやらよ!」
「別に大丈夫だけど…適合率も80は越えている…」
「バレバレな嘘をつきやがって…!」
すると次に太郎は、火の力と岩の力を使う
「次はこれだ!はっ!」
シャキンッ…!
「メテオバーンブレイド!オラァ!!」
ズドーーン!!
今の天使にとってこの攻撃を耐えることは出来なかった
「ぐ…う…!」
ヒュンッ!
「追撃だ!オラァ!!」
「このままじゃ…くらえ…!ホーリーエンド!」
バーン!!ボガーン!!
2人は同時に吹き飛んでいった…
「何故だ…天使が押されているだと…!」
「おい!何をしてるんだ!お前は最急なはずだろ!」
「しっかりと適合率の高い人間を用意しなかったお前のせいだろうが!」
「何だと…!」
太郎は呆れた表情で言った
「また喧嘩か…?世界征服も楽じゃないようだな」
「まぁいい!ここは一旦逃げるしかない…」
ガシッ!
天使はユグをつかみ、どこかへと逃げ去ってしまった
バッ!
「くそ…!逃げられたか…」
「まぁいい…あの状態じゃ長くは保たない、すぐに解除するだろう」
「念の為、管理場所に戻るか」
タッタッタッ…
そこに誰かがやってくる
「太郎ー!!」
太郎を呼ぶ声、それは双炎だった
「太郎…いったい何が起きたんだ」
「新しい力、天使の力のせいなんです…」
「やっぱりか…さっきちょうど俺の頭上を飛んでいった」
「だけど…大丈夫なのか…?」
「あいつの適合率はめちゃくちゃ低いと思われる」
「あいつの身体はもうボロボロだった。解除するのも時間のうちだと思う」
「そうだ、ちょうど管理場所に向かっているところなんです。双炎さんも一緒に行きましょう」
「あぁ分かった」
トコトコ…
………………
そして2人は管理場所へと、地下へ向かった。
辿り着くとそこは悲惨なものだった。天井には穴が空いており、周りには色々な魔法石が転がっていた
「おいおい太郎…見てみろよ」
そこには天使の力の衝撃によって破壊された魔法石が何個もあった
「残った魔法石は、heavenとの戦いで強化した物のみ…」
ガシッ…!
双炎は自身の火の力の魔法石を手に取った
「逃げた先でしぶとく生き残っている可能性もある。いっちょやってやるか…」
「大丈夫なんですか?」
「まあな…アクアを守るためにも俺が行かないといけないし」
………………
一方で天使は、ユグを背中に乗せながら飛び、身を隠せるような場所を探していた
「緑地山はすぐ見つかってしまう。もっと奥のほうにある山までいけるか」
「うっ……どう見ても…無理に決まってるだろ」
「これは仕方ない…緑地山に降りる…」
「お前は最強だ。絶対に消滅させる訳にはいかない」
「そうだ…」
そう言うとユグは、ポケットから今日の昼飯用の食べ物を取り出す
「パンだ。これでどうだ?」
「パン…なんだそれは」
「良いから食え…!」
そのパンを食べる天使
「おぅ…中々良い味だな…」
「これならもう一つ奥へ行けるかもしれない…」
天使は残った体力を振り絞って目的地まで飛んでいった
スタッ…
ドサッ…!
天使は目的地に着いたと同時に倒れ込んでしまった
「はあぁ…はあぁ…やっぱりダメだ…身体が保たない」
「そうか…無理をさせてしまったか…」
「大丈夫だ…自分で食い物をとってくるから…」
天使は立ち上がる。しかし…
「うっ…」
バタッ…
再び倒れてしまった
そうして次の瞬間、天使の力と、操られていた人間が分離してしまう…
「ん…どこだ…ここ…」
「確か…魔法石管理場所へ行って…」
「分離してしまっただと…これはまずい…」
「確かお前って…ユグだったよな」
「俺はあの後どうなったんだよ。金はどうなった?後…なんで俺はこんなところに?」
「君は、葛西くんだったかな」
操られていた人の名前は葛西というそう
「君はそうだな…惜しくも2位だったんだ」
「てめぇ…!嘘ついてんじゃねぇぞ!」
バンッ!
葛西はユグを殴った。ユグがよろけた隙に、葛西は天使の力の魔法石を奪った
タッタッタッ…!!
「お前…お前!!ふざけんじゃねぇぞ!!」
「お前が嘘をついたのがいけないんだ…!どうせ金も用意してないんだろ!」
タッタッタッ…!!
「金は用意するから…!」
「いいや、金はもういい。俺はその価値以上の物を奪えたから」
「くそがよ…!なんで毎回こうなんだよ!!」
「あっ…!」
ユグは石につまづき、顔から着地してしまう
バンッ!
「いっだぁ!!」
「くそ…待て!待て!!」
顔の痛みからか、ユグは立ち上がることが出来ない
遠くへ離れていく葛西を見ながらただ叫ぶことしか出来なかったのだ…
「葛西ーー!!!」
タッタッタッ…!
そうして葛西は逃げ続けていると…
―お前…ユグはどうした…?―
「石が…喋った…?」
―お前はさっきまで俺の力を使って暴れていたんだぞ?知らずに使っていたのか?―
「魔法石という存在自体は知っている。だが、こうやって喋ってくる魔法石というのは聞いたことがない」
―俺の力を使えば最悪級な事件を起こすことが出来る―
「へぇ、最高じゃねぇか」
―俺にはある計画がある。まずは管理場所へと行ってくれ―
………………
太郎は市民に向けて避難警告を発する
「皆さん…魔法石を悪用する者が現れてしまいました。最悪の事態に備えて出来るだけ遠くに避難するように」
その警告を聞き、避難していく市民…
トコトコ…
するとその中に2人、逆行してくる人が…
その人達は太郎のもとへと向かっていった
少し経った後、見回りをしていた太郎は、その人達と出会うこととなる
「え……2人とも…」
そこにいたのはクルンとソニックだった
「こんな時だからこそ助け合わないとな」
「私もこの間で成長したからね」
「サンキュー!」
双炎はそう言い、彼らに電気の力、風の力を渡した
「いつ頃戦うんですか?」
「正直相手次第なところがあるな…」
「だが、あいつらの狙いは俺のエレメント。絶対に俺の目の前に現れることだろう」
タッタッタッ…
そこに誰かが来た
「皆さん…お勤めご苦労さまです。実は、ユグの目撃情報があったとのことで…」
その人は警官だった
「目撃情報ですか…!よし!先回りしてあの力を奪えば…」
だが…
「へっへっへっ!!!この姿をしていたらこんなにも近くにいけるんだな!!」
それの正体は葛西だった…
「終わりだ!天使の力!!」
「なっ…!」
「みんな逃げろ!!」
「ハッハッハッ!ぐ…グガァァァア!!」
バーーーン!!!
変身の衝撃波が4人を襲う
「よ~し、すぐにケリをつけようか。太郎!!」
「みんな行くぞ…オラァ!!」
「はあっ!!」
「くらえ!!」
「はあっ!!」
4人は、一斉に天使に襲いかかった
「4人相手か…面白い!ふっ!はっ!」
バンッ!バンバンッ!
一気に3人をなぎ払った
「来い!」
シャキンッ…!
天使は、能力を使って光の槍を生成した
シュンッ!カンカンッ!
天使は、重い一撃を双炎にくらわせる
「オラァァ!!」
バーーン!!
「ぐはぁっ!!」
バンッ!
天使は、4人を相手にしても余裕そうに戦う
「時間が無いんだよ太郎!早くエレメントをよこせ」
「俺が完全な究極生物になるために!」
タッタッタッ!!
天使は倒れている太郎に向かって走り出した
ビュンッ!
「させるか!」
ソニックは太郎を庇った
「邪魔するな…!オラァ!!」
バンッ!!
「ぐはあっ!!」
「私も応援する。くらえ…黒風!」
ビュンッ!!
クルンの周りを漂っていた黒い風が、一斉に天使を襲いかかる
ヒュウゥ…ヒュオンッ!
バンッ!ババババ!!
「くっ…!邪魔だ邪魔だ!鬱陶しい…!」
バヂンッ!
天使はその風を消し去った
ボワァァア!!
「オラァ!!炎竜王!!」
ズドーーン!!
「こんな攻撃…」
「滅悪消技!」
天使は新たな必殺技を放つ
シュバーーン!!!
「ぐあぁぁ!!」
双炎は吹き飛んでいった
「ハアァ…ハアァ…」
「正義も悪も、この世界を壊す要因でしかない。いつから行き過ぎた正義という言葉が生まれたんだろうか」
「みんな完璧な世の中を望んでいるはずだ。だから正義も悪もいない新世界を創るしかない。どう思う太郎?」
「行き過ぎた正義…それはお前のことなんじゃないのか!行き過ぎた正義…それは誰もがなりうる。だからこそ、俺が本当の正義を貫くしかないんだ!」
「俺が行き過ぎた正義?馬鹿を言うな!これこそが本当の正義だろうが!」
ビュンッ…
ガシッ…!
天使は太郎を胸ぐらを掴み、高く上げる
「お前の正義は生ぬるい…!だからこそ俺がやるんだよ」
「その力をよこしやがれ!」
シュバッ!
「炎竜王!!」
「ライジングスマッシュ!!」
「デスウインド!!」
バーーーン!!!
「ぐがぁ!!!」
天使が太郎を高く上げている隙に、双炎ら3人は、天使めがけて必殺技を食らわせた
天使は、太郎を掴んでいた手を離し、吹き飛んでいった
ドガーン!!
「ここで…死んでたまるか…」
そこでトドメとして、太郎も技を放つ
「ヘルエレメント…インパクト!!」
ビュンッ!
ズバーーーン!!
「グガアァァア!!」
バーーン!!
天使はその攻撃をくらってしまった
「この俺がこんな奴らに…!ありえない…」
「ぐふっ…!やはり体力の減りの速さが原因か…」




