⭕ 水死体からの誘い 3
小玄武
「 霄囹は杜代加有明古に憑いている鬼狐の隷属になった。
何があっても鬼狐には逆らえんし、裏切れない。
良い気味だ 」
瀬圉静絵
「 人間の陰陽師の中で1番強かったんでしょ?
それを隷属しちゃうなんて鬼狐ちゃんって凄い鬼なのね 」
小玄武
「 どんなに強くとも所詮は人間だ。
鬼神化し自我を得た “ 異形の怪異 ” には敵わないものだ 」
瀬圉静絵
「 玄ちゃんでも? 」
小玄武
「 難しいな。
怪異は祓えるが “ 異形の怪異 ” は祓えるものではない。
“ 異形の怪異 ” を祓おうとすれば必ず何等かの形で報いを受ける事になる。
“ 異形の怪異 ” とは上手く付き合って行くものだ。
With怪異というヤツだな 」
瀬圉静絵
「 そうなの?? 」
小玄武
「 怪異と “ 異形の怪異 ” は別物だ。
“ 異形の怪異 ” は鬼狐のような祓えない存在だが、怪異は祓える。
怪異は野良式神が関連している存在だからだ。
怪異も “ 異形の怪異 ” も怪奇を起こす。
どちらが起こした怪奇なのか区別するのは、玄武でも難しい 」
瀬圉静絵
「 そうなんだ?
それよりも、小玄武ったら本体の玄ちゃんを呼び捨てて大丈夫なの? 」
小玄武
「 問題ないな。
我は分身体だが、玄武の記憶は受け継いでいる。
我は小玄武だが、玄武でもある 」
瀬圉静絵
「 そう…なんだ? 」
小玄武
「 家へ帰るぞ。
我は転移陣使う。
人目の無い場所へ行くぞ 」
瀬圉静絵
「 うん 」
小玄武に言われて、私は小玄武と人気の無い場所を探した。
まさか小玄武の転移陣で消える所を目撃されていたなんて知らずに────。
◎ 訂正しました。
有明子 ─→ 有明古