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おひるごはん

家に帰り、犬のご飯のあげかた、鶏のえさやりを教えてみたが、リンたちは犬は怖がって無理そうだったので犬の世話係はたまの仕事になりそうだった。


荷物を下ろして、庭とリビングにそれぞれ運ぶように4人にお願いをして、僕はお昼ごはんの準備に取り掛かる。


ホームセンターで乾麺を幾つか手に入れたので、バーベキューセットでお湯を沸かし、パスタをゆでる。


缶詰のコンビーフを包丁で細かく切って、ホームセンターで野生化していた野菜のキャベツを細かくきって、コンビーフとともに油で炒める。そういえば、とさっきホームセンターの調味料のコーナーで見つけて持ってきてみた乾燥ガーリック(消費期限が1年過ぎているもの)を蓋を開けてにおいを嗅いで…えいや、ときゃべつとコンビーフと共に炒めた。


ゆで上がったパスタもそれに合わせてフライパンでまんべんなくカラめて炒める。


サラダ油とかは密封されていたからか、特に問題なく使えるけれども、他のものは試しながら使うが、来年、再来年と時間が経つにつれて厳しくなっていくだろうことは想像できるので、できる限り、いまものがあるうちに自分達の手でつくれるようにしていかないといけないな、と考える。


たまと2人のときは、あるものを消費して細々と、とおもっていたけれども5人になった今は、生産して、きちんと生き抜くことを考えないと、何かあった時に全員が共倒れになってしまう。

目先の冬の事を考えて、どれくらいの食糧の備蓄が必要かに思いを馳せる。


そうこうしているうちに、フライパンから美味しそうな香りが広がり、たまやリンたちが集まってきたので、大きな皿にパスタを盛り付けリビングのテーブルへと移動した。


それぞれの前に皿を置いて、スプーンとフォークで取り分けていく。

本場のイタリアではスプーンは使わないらしいけれど、便利なので、パスタにはスプーンとフォーク派だ。


「いただきます」


たまと2人のときは朝と夜だけだったが、朝軽くした作らなかったからか、ルーを見るとお昼も食べさせないといけない気がするからか、目が覚めてからはじめてのお昼ごはん、しかもちゃんと調理をしたのは今回が初めてかもしれない。


温かいご飯はカップラーメンでも食べていたけれども、きちんと調理するご飯はまた一味ちがった。


その味に、目が覚める前のことを思い出し、僕は少しだけ、ほんの少しだけ寂しさと悲しさと今のこの状況への憤りと不安のまぜこぜの感情を思い出したが、思い出しすぎてしまうと、現実に打ちひしがれてなにもできなくなりそうだから、噛み締めて飲み下す。


『美味シイ』


たまがそういって笑いかけてくるのと、フォークを苦労しながら使うルーを見ていると、ちょっとだけ胸が暖かくなる。


「ご飯食べたら、まずは持ってきたものをしまうところにしまって、リンは僕と一緒に屋根に上ってもらおうと思う」


「屋根?」


そう。屋根に上るのだ。

ここ数日やりたくてもやれていなかったことに取り掛かろうと思う。

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