プロローグ
ベルデは、真っ暗な場所にいた。
光は届かず、一寸先も見えない闇が辺りを覆う。
そんな闇の中にいるはずなのに、
自らの体はハッキリと見ることができた。
ふと、遠くに光る何かを見つける。
あれは、何だろうか。
輪郭などとても分からないのに、
ベルデはソレが何なのかを直感的に理解した。
⬛︎⬛︎⬛︎だ。
遠く、遥かより遠くにあったはずのその光は、
気づけばすぐそこにいた。
相変わらず得られる情報はなにもない。
その光に語りかける。
「⬛︎⬛︎⬛︎…だよな?」
何故だか分からないが、頷かれた気がした。
「俺、どうしてここにいるんだ?
何があって今こんなとこに…?」
光は静かに首を横に振る。
「どうしたんだよ…?」
一瞬、そう一瞬。
ほんの一度瞬きをすると、
いつの間にか光は消えていた。
ベルデは、闇の中で1人になった。
何も聞こえない。何も感じない。
きっとまだ1分も経っていないというのに、
既に永遠を過ごしたかのような感覚がした。
もし死後の世界があるとすれば、
こんな世界なのだろう。
不思議とそう思った。
「⬛︎⬛︎⬛︎も、これを感じ―」
口を手で覆う。
言ってしまった。
辺りの闇がだんだんと消え、
周囲がよく見えるようになってくる。
視界が、捉えた。
見たくない。
そう目を瞑っても、その姿は脳裏に焼き付いて
離れることがない。
そこにいたのは、
腹が抉れ、絶望に顔を引き攣らせた
⬛︎⬛︎⬛︎の姿だった。
―――
飛び起きる。
(また、嫌な夢を…。)
どうしても、あの姿を忘れることができない。
あの日、あの場所で、
死んでしまった⬛︎⬛︎⬛︎のことを。




