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地上の探検、危険な遭遇と予期せぬ発見


「さぁ、今日はいよいよ探検の日だ!みんな準備はできてるか?」


俺は新しく覚えた魔法で浮かせた小さな石を指でポンポンと弾きながら、周囲を見渡した。探検隊のメンバー、つまり俺たちゴキブリ族とレッドローチたちが集まり、地上の未知のエリアを探索する準備に余念がない。


「準備はできてるよ、リーダー!でもさ…何か怖くないか?」


レッドローチの一匹が不安げに言う。確かに、地上はまだまだ俺たちにとって危険が多い場所だ。魔物や人間に出会う可能性もあるし、何が待っているか分からない。だけど、そういうのも含めて探検ってもんだろ。


「おいおい、そんなにビビるなよ。魔法も覚えたし、今までよりだいぶ強くなってるんだから。大丈夫さ!」


俺は彼を励ましつつ、探検隊の士気を高めようとした。スケルトンの兄貴も一緒にいて、彼がいるだけで少し安心感がある。元冒険者の彼なら、いざという時に頼りになるはずだ。


◇◇◇


「さて、今回はどこを探索するかって話だけど…」


俺は地図を広げながら、どのエリアに進むべきか考えていた。地上にはまだまだ未踏の地がたくさんあるけど、俺たちが今いるエリアの近くには、少し気になる場所があった。それは大きな森が広がるエリアで、人間の足も時折踏み入れることがあるらしい。


「この森だな。ここなら食べ物も見つけられるだろうし、隠れやすい場所も多いはずだ。人間がいるって話も聞いたけど、上手くやりゃバレないで済むだろ。」


「人間かぁ…ちょっと怖いけど、やるしかないか。」


レッドローチの一匹が覚悟を決めたように言う。彼らにとって、人間は天敵とも言える存在だ。だけど、俺たちゴキブリ族には、俺がいる。俺は人間の言葉を話せるし、上手く交渉できるかもしれない。


「もし人間に会ったら、俺に任せとけ。ちょっと交渉するくらいならできるからさ。」


そう言って俺は笑顔で安心させた。正直、俺も内心では不安だが、仲間たちを鼓舞するためには強気でいないといけない。ゴキブリ族リーダーとしての責任だ。


◇◇◇


森の中に足を踏み入れてからしばらく経った。地上とはいえ、ここはかなり静かで、自然の音しか聞こえない。俺たちは慎重に進んでいたが、何か違和感を覚えた。


「なんか…静かすぎないか?」


スケルトンの兄貴が骨の手で木の枝を掻き分けながら、低い声で言う。彼の言葉に、俺もハッとした。確かに、周囲がやけに静かだ。鳥の鳴き声や虫の音が全く聞こえない。


「何か…いるな。用心しろよ。」


俺は仲間たちに警戒を促しつつ、魔法の準備を始めた。さっき覚えたばかりの視認妨害魔法を使えば、少しは敵の目を逃れられるかもしれない。


突然、前方の茂みがガサガサと音を立てた。俺たちは全員緊張し、息を潜めた。すると、茂みの中から現れたのは――


「え?ただのウサギじゃねぇか…」


そう、出てきたのは小さなウサギだった。俺たちは一瞬、拍子抜けしてしまったが、その次の瞬間――


「ギャアアアッ!」


ウサギの後ろから、巨大なカエル型の魔物が飛び出してきた!


「うわぁぁ!カエルだぁ!逃げろぉ!」


レッドローチたちが一斉に逃げ出そうとするが、ここで逃げては意味がない。俺たちは今日、この魔物を倒すために魔法を学んできたんだ!


「おい、全員、毒攻撃の準備だ!カエルには毒が効くって、兄貴が教えてくれたろ?」


俺は叫びながら魔法を発動させた。手のひらに毒のエネルギーを集中させ、カエルに向けて放つ。すると、他のレッドローチたちも次々に毒攻撃を発動し、カエルに向かって飛ばした。


カエルの動きが徐々に鈍くなっていく。


「効いてる!やったぞ!毒が効いてるぞ!」


俺たちは一斉に歓声を上げたが、油断は禁物だ。カエルはまだ生きている。だが、この毒の効果が持続している間に、雷魔法でトドメを刺す必要がある。


「雷だ!雷を打ち込め!」


俺は指示を飛ばし、自分も雷魔法を発動させた。手のひらから放たれた雷がカエルの体に命中し、カエルは痙攣しながらその場に倒れ込んだ。


「よっしゃぁ!倒したぞぉ!」


全員が喜びの声を上げ、俺も拳を突き上げた。これで、魔法の訓練が無駄ではなかったことが証明された。


◇◇◇


「ふぅ、何とか倒せてよかったけど、あんなのがまだまだ出てくるんだろうな…」


俺たちは疲れを感じつつも、森の奥へと進んでいった。探検はまだ続いているし、この先にはもっと危険なものが待ち受けているかもしれない。だが、俺たちには魔法がある。今なら何とかやり抜ける気がする。


「それにしても、この森、結構食べ物がありそうだな。」


俺は周囲の植物を観察しながら言った。この森には、今まで見たことのない種類の果実や木の実がたくさん実っている。レッドローチたちもそれに気付き、嬉しそうに見回していた。


「うわ、これ食べられるのか?いい匂いがする!」


一匹のレッドローチが木の実を手に取って、嬉しそうに匂いを嗅いでいる。どうやら、この森は食料の宝庫らしい。


「よし、今日はこの辺で一旦キャンプを張って、明日また探索を続けるか。食べ物も調達できそうだし、少し休んでからまた動こう。」


俺はそう提案し、みんなも同意して準備を始めた。魔物との戦いは疲れたが、食料を手に入れるためにはまだまだやることがたくさんある。これからも、俺たちの冒険は続いていく。


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