ゴキブリとネズミ族の共存生活パート3
「いやぁ、今日の戦いは見事だったな。トリケラを倒すなんて、まさか俺たちができるとは思わなかったぜ。」
チュー太が満足げに言いながら、巨大なトリケラの死体を見上げていた。倒れたトリケラは驚くほど大きく、その肉はたっぷりと取れそうだった。
「そうだな。トリケラの突進にはビビったが、罠のおかげで何とか勝てた。で、次は…この肉をどうするかだな。」
俺はトリケラを見上げながら、ふと思った。戦いは終わったが、このトリケラの肉、かなりの量がある。せっかくだから、みんなでこの肉を使って美味しい料理でも作ろうじゃないか。
「おい、みんな!このトリケラの肉、せっかくなら料理して食べようぜ!」
俺の提案に、ネズミ族たちがざわざわと集まり始めた。彼らも戦いの後で腹が減っているだろうし、何より巨大なトリケラの肉を目の前にして、食欲が湧かないわけがない。
「おお、それはいい考えだ!トリケラの肉なんて、なかなか手に入らないしな!」
チュー太もノリノリで、さっそく準備に取りかかろうとしていた。
「じゃあ決まりだな。まずはこの肉を切り分ける必要があるな。誰か、ナイフとか持ってるか?」
「ナイフ?そんなもんいらねぇよ。俺たちの鋭い歯があるじゃないか!」
チュー太が笑いながら、自分の大きな前歯を誇らしげに見せた。そうだ、ネズミ族の歯は驚異的に強力で、硬いものでも簡単に噛み砕ける。トリケラの分厚い肉でも、ネズミたちなら難なく切り分けられるだろう。
「よし、それなら頼んだぞ。俺は火を起こしておく。」
料理の準備開始!
俺は巣の中にある「キッチンスペース」――と言っても、ただの広場のような場所だが――に向かい、料理の準備を始めた。まずは火を起こして、肉を焼く準備を整える。ネズミ族の仲間たちが手分けして、燃料となる木材や地下で見つけた古い魔法の遺物(たまに火を起こすのに使える!)を集めてくれた。
「ゴキブリ、火の準備は任せたぜ!俺たちは肉を切ってくるからな!」
ネズミ族たちはトリケラの肉を次々と切り分け始めた。その姿は、まるで地下の職人集団だ。見事な手際で分厚い肉を薄く切り、焼きやすいようにスライスしてくれている。
「へぇ、ネズミ族って料理も手慣れてるんだな。」
「まぁな。狩りの後にこうして肉を切って、みんなで食べるのが一番の楽しみなんだよ。」
チュー太が楽しそうに言いながら、トリケラの肉を大きな木の板に並べていた。その姿を見て、俺はなんだかこの地下での生活も悪くないなと思った。
「よし、火がついたぞ!さぁ、焼いていこうぜ!」
俺はチュー太と一緒に火を起こし終え、続けて肉を鉄板に乗せて焼き始めた。ジュウジュウと音を立てながら、トリケラの肉が美味しそうに焼けていく。だが、ただ焼くだけじゃつまらない。ここで俺のゴキブリらしい「工夫」を加えることにした。
「おい、みんな。調味料とかは持ってないのか?」
「調味料?そんなの地下にはないだろ。」
チュー太がキョトンとした顔をしている。確かに、地下ではスパイスやハーブなんてなかなか手に入らないかもしれないが、俺には別の方法がある。
「いやいや、ここにあるものをうまく使えば、もっと美味しくできるんだよ。例えば、この壁に生えているキノコだ!」
俺は巣の壁に生えている、香りの強いキノコを手に取った。地下ではこういった自然の食材が豊富にあり、これをうまく活用することで、トリケラの肉をさらに美味しく仕上げることができる。
「ほら、このキノコを肉に乗せて一緒に焼けば、香ばしい風味が加わるんだ。」
俺がキノコを肉の上に乗せて焼き始めると、ネズミ族たちは驚いた顔をしていた。
「おいおい、なんだこの匂い!?すごくいい香りがするじゃないか!」
「これがゴキブリ流の工夫ってやつさ。」
さらに、俺は地下で拾ったハーブを手に取り、細かく刻んで肉に振りかけた。これで味に深みが増し、肉がより一層美味しくなるはずだ。
トリケラ肉の宴
「さぁ、みんな!焼けたぞ、食べてくれ!」
俺が大声で叫ぶと、ネズミ族たちが一斉に集まり、焼きたてのトリケラ肉に群がった。俺たちが作った料理は、ネズミ族の巣中に漂う美味しそうな香りに包まれていた。
「うわぁ、これすごく美味しい!肉が柔らかくて、キノコの風味が効いてる!」
「こんな美味い肉、初めて食べたぞ!」
ネズミ族たちは次々とトリケラ肉を口に運び、大喜びしている。俺も自分で作った肉を一口食べてみたが、そのジューシーさと風味に驚いた。
「こりゃあ、マジで美味いな…。自分で言うのもなんだが、俺って料理の才能があるのかもな。」
俺たちは満足げにトリケラ肉を頬張り、勝利の後の宴を楽しんだ。戦いの疲れも吹き飛ぶような、この肉の味は格別だった。
「お前、マジで頼りになるな。料理までできるなんて…ネズミ族として、すっかり一員だよ!」
チュー太が笑いながら俺に言った。俺は少し照れながらも、この地下での生活に完全に馴染んでいることを実感した。




