表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したらゴキブリでした  作者: Right
序盤: 地下での生誕と生存のための戦い
12/64

地下の深部での新たな挑戦と適応

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


暗闇の中で、俺は全力で叫びながら落下していた。前回の油断からくる痛い目に遭って、崖から落とされた俺だが、今回ばかりは逃げる余地すらない。暗闇の底はどこまで続いているのかもわからない。落下速度はどんどん増していくし、俺の心拍数もそれに比例して加速している。


「やばい…これ、終わったんじゃね!?」


そう思って、俺は必死に再生能力に頼ろうとしたが、再生する前にまず地面にぶつかるのが先だ。再生能力って言っても、バラバラになったらもう無理だろ…!


「落ち着け、落ち着け…!ゴキブリとして何かできるはずだ…!」


そう考えた瞬間、ふとあることに気づいた。


「待てよ…俺、ゴキブリってことは…飛べるじゃん!?」


そう、ゴキブリは実は飛ぶことができるんだ!もちろん、長時間バサバサ飛び続けるわけじゃないけど、ある程度滑空して着地を柔らかくするくらいのことはできるはず。俺は無我夢中で体をひねり、背中の羽根を広げた。


「頼む、飛んでくれ、ゴキブリパワー!!」


そして――


「おおおっ!? 飛んだぞ!!」


俺は見事にゴキブリとしての飛行能力を発揮し、滑空する形で落下の速度を緩めることに成功した。もちろん、優雅に飛んでいるわけじゃない。どちらかというと、「バサバサ…バサバサ…」とかなり不安定で、風に流されるかのように地面を目指している感じだ。


「ふふ、これがゴキブリの力ってやつか!」


飛んでいる最中、ちょっとした優越感に浸る俺。人間だった頃には経験したことのない飛行感覚が、今の俺にとっては唯一の頼みの綱だ。


「まぁ、こんなこともできるようになるなんて、転生も悪くないのかもな…」


そう思ったのも束の間、俺は無事に地面に着地することができた。もちろん、ちょっとした衝撃はあったが、ゴキブリの再生能力があるので大したダメージにはならなかった。


「ふぅ…なんとか助かった。マジで危なかった…」


暗闇の中での生き延び方を模索


だが、無事に着地したはいいものの、周りは一切の光がない暗闇。ゴキブリの目でも何も見えないほどの深い地下の底だ。風もなく、湿気だけが重くまとわりついている。音もなく、何かが潜んでいるような気配だけが不気味に漂っている。


「おいおい…ここ、俺一人で生き延びられるのか?」


暗闇の中で生活することになるとは思ってもみなかったが、ここまで来た以上は仕方ない。何とかしてこの環境に適応し、再び地上近くに戻るための方法を見つけなければならない。


「でもさ、俺ゴキブリなんだから暗闇には強いんじゃないか?」


そう考えて少し前向きになってみた。ゴキブリって、暗い場所を好むし、視覚以外の感覚も鋭いはずだ。視界が効かないなら、他の方法で周囲を察知するしかない。


「よし、ゴキブリの触角を使ってみよう…」


俺は触角をピクピクと動かしてみた。すると、周囲の空気の流れや、微かな湿度の違いが感じ取れるようになった。目が見えなくても、この触角があれば少なくとも物理的な障害物は感知できそうだ。


「ふふ、俺ってゴキブリとしての感覚も結構鍛えられてきたんじゃないか?」


音の感覚を鍛える


さらに、暗闇の中で周囲の状況を把握するためには、音にも敏感になる必要がある。地下の深部では、些細な物音が異様に響くことに気づいた。水滴が落ちる音、何かが遠くで擦れる音…これらの微細な音を聞き逃さないことが重要だ。


「音を聞けば、周囲に何がいるかもわかるかもな…」


実際、ゴキブリとして耳は人間ほど発達していないが、足で地面の振動を感じることができる。この地下の環境では、足で地面に伝わるわずかな振動を感じ取って、何かが接近しているかどうかを察知することができるはずだ。


「ふむ、地面の振動もかなり有効かもしれないな…俺、かなり敏感になってきた気がする!」


地下深部での食料探し


しかし、暗闇の中で生き延びるためには、当然ながら食料も必要だ。この深い地下の底には、どんな食料があるのだろうか? もちろん、ゴキブリの俺にとっての食料といえば昆虫や小さな動物たちだが、こんな深い場所にそんな生物がいるのか不安になる。


「でも、俺ってゴキブリだし…食べ物に関しては何とかなるだろう。」


少し楽観的に考えながら、俺は触角を使って周囲を探っていく。すると、暗闇の中に小さな昆虫のようなものが動いている気配を感じ取った。音もなく、ひっそりと動いているそれに俺は近づいた。


「よし、これが今日の食事か!」


そして、俺は小さな昆虫を捕まえて口にした。正直、味なんて気にしていられない。生き延びるためには、何でも食べるしかないのだ。ゴキブリとしての本能がそう告げている。


「うん、まぁ…美味しいってわけじゃないけど、これでエネルギー補充はできたな。」


暗闇の中での生活に慣れる


しばらく暗闇の中で生活していると、俺はこの環境に少しずつ適応してきた。触角を使い、音や振動で周囲を把握し、食料を見つける。暗闇でも生活が成り立つことがわかり、少し安心した。


「暗闇って、慣れれば意外といけるもんだな…ゴキブリとしては、むしろ快適かもしれない。」


ここまで来ると、ゴキブリとしての自分に対する妙な自信が湧いてくる。暗闇で生き抜くスキルを磨き、ゴキブリとしての感覚を最大限に活用することで、この深い地下の生活も何とか乗り越えられそうだ。


「よし、これなら俺もこの暗闇の中で生き抜いてやるぜ!」


暗闇の中での生活に自信を持ち始めた俺は、さらなる挑戦に向けて体を動かし始めた。次の目標は、地下のさらに深い場所で何が待ち受けているのかを探ることだ。だが、まだ油断はできない。ここは地下の深部。何が潜んでいるかは、まだ誰にもわからない。


「よし、次の冒険に出発だ! ゴキブリの力、見せてやる!」


そう呟きながら、俺は暗闇の中を進んでいった――。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ