12
六月十七日。東京・霞が関
それから、二日後の朝。
いつものように真平は朝礼のために、会議室へ行き、空いている席へ座り、スマホをいじっていた。
その五分後に、田宮さんがやって来て、「おはようございます」と真平に挨拶して、左隣に座った。
「おはよう」
「あれ? 部長はまだです?」
それから、彼女がそう訊いた。
確かに真平はまだ部長の姿を見ていなかった。いつもなら自分よりも早くその部屋にいるのに、その日はいなかった。もしかして、喫煙室で煙草を吸っているのかもしれないと真平は思った。
九時になり、チャイムが鳴る。それから、梶副署長がその部屋へ入って来た。
「皆さん、おはようございます!」
梶副署長は大きな声で署員たちに挨拶した。
「おはようございます」と全員が言い、梶副署長は咳払いをする。それから、口を開いた。
「まずは、皆さんに悲しいお知らせがあります。昨日、捜査本部第一課の伊達太蔵警部補、交通課の田中亮二巡査部長、そして、捜査第二課の堺健太巡査が亡くなりました……」
田中亮二巡査部長と聞いて、真平はハッとした。彼は真平たち交通課の部長であり、真平たちの上司であった。
「うそ……」
真平の隣で、田宮さんが呆然としていた。「どうして……」
「…………」
真平も言葉を失った。
梶副署長が話を続ける。
「三人のご冥福を祈り、一分間の黙祷をお願い致します」
そう言った後、梶副署長は「黙祷!」と大声で言った。
それから、梶副署長が目を瞑り、そこにいた署員たち全員が黙祷を始めた。
真平や田宮さんも黙祷をする。真平は田中巡査部長の顔を思い浮かべながらそれをした。
「目を開けて下さい」
それから、梶副署長が言った。「さて、朝礼は以上になります。皆さん、本日も頑張って参りましょう。では、解散」
梶副署長がそう言うと、そこにいた署員たちが席を立ち、その部屋を出て行った。
「あ、永尾くんと田宮くん。ちょっといい?」
それから、梶副署長が真平たちを呼んだ。
「はい? 何でしょう?」
真平は立ち上がり、梶副署長の所へ行く。田宮さんも、その後ゆっくりと立ち上がり、真平の横へ行く。
「さっき話した通りだけど、君たちの部長が亡くなった。したがって、交通課は二人になるわけだ。そこでなんだが、君たちに別の部署に移ってもらおうと思うんだ」
梶副署長がそう言った。
「別の部署ですか?」
真平は驚いてそう訊いた。
「そう。『生活安全課』ってあるだろ? 君たちはそこへ移動してほしいんだ」と、梶副署長は言う。
「はあ……」と、真平は頷く。
「申し訳ないとは思っている。けど、そこに三名の署員がいるから、二人よりはいいかと」
梶副署長はそう付け加えた。
「分かりました」
それから、真平は返事をする。
「田宮くんも、いいね?」
その後、梶副署長が田宮さんに訊く。「はい!」と、彼女も返事をした。
「生活安全課の部署は、どこか分かる?」
それから、梶副署長が言った。
「えっと……どこでしたっけ?」
真平が分からずにそう答えると、「三階の三〇四号室だ」と、梶副署長が言った。
「分かりました。ありがとうございます」
真平はそう言って、梶副署長に頭を下げる。
「うん、よろしく」
梶副署長はそう言うと、手を上げてその部屋を出て行った。
「はあ……」
その後、田宮さんがため息を吐く。
「まさかだね……」と、真平は言った。
「本当ですよ……部長が亡くなったって、信じられないです……」
田宮さんが残念そうに言う。
「だよね……」
「はあ……私、もう正直、仕事したくないですよ……」と、彼女は声を漏らすように言った。
「僕も……」と、真平も言った。「でも、生きている以上、仕事しないと」
真平がそう言うと、「ですね」と、田宮さんが頷いた。
「うっかりと喋った時は、もう仕方ないよね」
それから、真平はそう言った。
「ええ……」
「さあ、生活安全課へ行こう!」
「はい!」
真平たちは会議室を出て、エレベーターまで歩く。エレベーターの上のボタンを押し、それを待つ。少しして、エレベーターが二階に来たので、それに乗って三階へ行く。三階に着いて、生活安全課がある三〇四号室へ行く。
真平は扉をノックした。中から「はい」と、男の人の声がした。「どうぞ」
「失礼します」
そう言って、真平はそのドアを開けた。
「交通課の永尾です」
真平はそう言った後、田宮さんも中に入ったので、真平は彼女を紹介する。「こちら、同じく田宮です」
「初めまして、交通課の田宮真子です」と、田宮さんも挨拶する。
「あー、梶副署長から聞いてます」と、背の高い眼鏡の男性が言った。「僕は、生活安全課・巡査部長の大塚です。それから……」と彼は言って、そこにいた二人の方を見た。
「おーい、二人ともちょっとこっちに来て! 今日からここで働く新しい方々だよ」
大塚さんがそう言うと、二人の男たちが真平たちの所へやって来た。一人は小太りの男性で、もう一人は茶髪のホスト風の男だった。
「こちらが永尾さんで、こちらが田宮さん」と、大塚さんが二人に真平たちを紹介した。
「初めまして」と、小太りの男性が言った。「吉田です」
それから、「初めまして、俺は河野です」と、ホスト風の男が挨拶した。
「初めまして、よろしくお願いします」
真平は二人に挨拶し、田宮さんも頭をペコリと下げた。
「女性の方なんて、珍しいですね」と、吉田さんが言った。
「確かに!」と河野さんが言って、「田宮って……あれ? マコっちゃんじゃない?」と、彼女を見て言った。
「え……?」
それから、田宮さんが不機嫌な顔で言った。
真平はなぜこの河野という男性が田宮さんを知っているのだろうと不思議に思った。
「あれ? 二人は知り合い?」
すぐに大塚さんがそう訊いた。
「昔の知り合いです」と、田宮さんが言い、「元カノだよ」と、河野さんが答えた。
「あ……なるほどね……」
大塚さんが気まずそうな顔をする。真平も困った顔になった。田宮さんはさらに不機嫌な顔になり、吉田さんも呆然としていた。
「あ、そうだ」
その後、大塚さんが思い出したように口を開いた。
「田宮さんって、もしかして、田宮丈太郎警部の娘さん?」
「あ、はい、そうです!」
大塚さんにそう言われ、彼女は嬉しそうに答える。
「へー、やっぱそうか! 僕、実はね、以前、捜査一課にいたんだけど、その時、田宮警部と一緒に仕事したことがあるんだよ!」
大塚さんは得意げに言った。
「あ、ホントですか!」と、田宮さん。
「うん、でも、田宮警部が亡くなったって聞いた時は、ショックだったな……」
それから、大塚さんは残念そうに言った。
「はい……」と、田宮さんは俯いて言う。
「それに、君たち、交通課の部長である田中巡査部長も亡くなっちゃったのか……。本当に残念で仕方ないよ」と、大塚さんは呟くように言った。
真平や田宮さんはその話を聞いて、黙っていた。吉田さんや河野さんも黙って聞いている。
「ああ、ゴメンね。こんな暗い話をしてしまって……」
それから、大塚さんは思い出したように言った。
「この話はもうよそう! それより、永尾くんと田宮さん。今日から、ウチのメンバーとしてよろしく!」
それから、大塚さんは笑顔で言った。
「はい!」と、真平は返事をする。後から、田宮さんもはいとを返事した。
大塚さんが話を続ける。
「それで、今回から二人の職場はここになるけど、梶副署長と話し合って、君たちのやる仕事は今まで通りでいいということになってる。主に、パトロールや事件捜査、取り調べといったところかな?」
「そうです」と、真平は答える。
「うん、じゃあ、そういうことでよろしく。えーっと、まずは何をするんだい?」
それから、大塚さんがそう訊いた。
「パトロールに行ってきます」と、田宮さんが答えた。
「パトロールか。分かった。じゃあ、気を付けて」
大塚さんは笑顔で言った。
「はい」と、真平は返事をした。「行ってきます」と田宮さんが言い、真平たちはその部屋を出た。
午後五時。真平は生活安全課の部屋でパソコンとにらめっこしていた。その隣のデスクで、田宮さんも同じように仕事をしていた。
真平がそれを終えて、一息吐く。それから、真平は一度、田宮さんの方を見る。彼女はブラインドタッチをこなしているのに気付いた。彼女が真平に見られているのに気づいて、彼の方を向く。
「どうかしました?」と、彼女が訊いた。
「あ、いや」
「そうですか」
彼女はそう言うと、パソコンに顔を戻し、再びブラインドタッチを続けた。
「ふう」
しばらくして、彼女がそれを止め、息を吐いた。それから、「あの」と、彼女が口を開いた。
「ん? どうした?」と、真平は訊く。
「永尾さん、今夜、ちょっと飲みに行きません?」
「え? 飲みに?」
真平は驚いた。彼女から誘うなんて珍しいなと真平は思った。
「はい」
「いいけど……どこ行く?」
真平がそう訊くと、「この近くにイタリアンのお店があるので、そこなんてどうです?」と、彼女が言った。
「イタリアンか! いいよ」
真平がそう言うと、「じゃあ、早速行きましょ!」と、彼女は嬉しそうに言った。
すぐに田宮さんは自分のデスクから立ち上がり、帰る支度をした。真平も立ち上がり、支度を済ませて二人でそこを出た。
署庁を出て、五分ほど歩いた所にそのイタリアン専門店はあった。
平日の夕方六時前だったので、そのお店の中は空いていた。真平たちはすぐに奥のテーブルに案内された。早速、二人はメニューを見て何を注文するか決める。
マルゲリータピザとカプレーゼ、たらこパスタ、ミートソース、それから、生ビールを二杯タッチパネルで注文した。
少しして、生ビールが二つ届き、真平は田宮さんと乾杯する。すぐに真平はビールをごくりと飲む。そのビールは冷えていて、美味しかった。田宮さんも美味しそうにそのビールを飲み、「ぷはっ」と息を吐いた。
それから、カプレーゼが届いたので、二人でそれをつまむ。
真平はそれを一口頬張る。トマトの酸味とチーズの塩味、それから、濃厚なうまみが口に広がった。
「うん、うまい!」と、真平は言った。
「おいしいですね」と、田宮さんもそれを食べて言った。
それからしばらくして、マルゲリータピザとたらこパスタ、それと、ミートソースがやって来た。
田宮さんが早速、そのマルゲリータピザを六等分に切り分けた。それから、「どうぞ」と言って、そのピザを真平に勧めた。真平はそれを遠慮なくいただくことにした。
一切れ取ると、チーズが伸びる。「いただきます」と言って、そのマルゲリータピザを食べてみた。焼きたてのそのピザは美味かった。トマトの甘味やチーズの濃厚なうまみがとても感じられて美味しかった。
「うまい!」
真平がそう言った後、田宮さんもそのピザを一切れ頬張った。「うん、美味しいです」と、彼女は微笑んで言った。それから、真平はピザを食べながら、ビールを飲む。
その後、真平はミートソースを食べることにした。一口食べると、そのミートソースも美味しかった。田宮さんもたらこパスタを食べる。彼女も美味しそうにそのパスタを堪能していた。
ビールを飲み干して、真平が次に何を飲もうかを考えていると、彼女もそれを飲み干した。
「次、私、白ワインにしようと思います」
田宮さんがそう言ったので、真平もそれを飲むことにした。
店員がちょうどお皿を片付けに来たので、真平は白ワインをグラスで二つ注文した。
ややあって、白ワインが二つ届いた。田宮さんがグラスを重ねようとしたので、真平もそれに合わせて再び乾杯した。
真平は早速、その白ワインを一口飲む。ワインの芳醇な香りと独特の匂いが真平の鼻を一気に抜けた。そのワインも美味しかった。
その後も、真平たちはパスタやピザを食べながらワインを飲んで、話をした。お酒を飲みながら二人で喋っていたが、全くといっていいほど「日本語」が出てこなかったので、真平は安心していた。
それらを食べ終えた後、デザートのジェラートとコーヒーを頼んだ。それらを食べて、真平たちは帰ることにした。
その日、せっかくなら真平が奢ってもいいだろうと思ったが、彼女が「割り勘で」と言ったので、会計はそうすることにした。少しだけ多く真平が払うことにした。
「永尾さん、今日は付き合っていただいてありがとうございます」
店を出て、田宮さんがそう言った。
「いやいや、僕も久しぶりに誰かと飲めて楽しかったよ」
真平がそう言うと、「それならよかったです」と、彼女は言って微笑んだ。
「そうだ。永尾さん」
「何?」
「今度、休みの日にうちの実家に来ません?」
ふいに彼女が真面目な顔で言った。
「田宮さんの家に?」
「はい。一緒にご飯でもどうです? 母もおりますけど」
「あ……うん、いいよ」
「本当ですか?」
「もちろん!」
「やったー!」
真平がそう言うと、彼女は嬉しそうに喜ぶ。
「じゃあ、楽しみにしてる!」
「はい」
「田宮さん、ちょっと一緒に行きたい所があるんだけど……」
その翌日、食堂で田宮さんとお昼を食べている時、真平は彼女にそう言った。
「どこですか?」
「部長の家に……」
真平がそう言うと、「……ああ、はい」と、田宮さんは頷いた。
「じゃあ、今日の夕方にでも」
午後五時。真平は田宮さんと中野にある田中巡査部長の自宅へ来ていた。お昼ご飯を食べ終えた後、真平は部長の家に電話を掛けた。すると、すぐに奥さんが出た。真平がその日の夕方にお伺いしてもいいかを彼女に訊くと、快く受け入れてくれた。彼女は自宅の住所を教えてくれた。
中野駅から十分ほど歩いた所に、田中巡査部長の家はあった。早速、真平は呼び鈴を鳴らす。少しして、玄関から女性が出てきた。
「こんにちは。お電話した永尾です」
真平がそう言うと、「あー、永尾さん、こんにちは」と、彼女は出迎えてくれた。「妻の律子です」
「こちら、田宮です」と、真平は田宮さんを紹介する。
それから、「田宮真子です」と、田宮さんが挨拶した。
「あなたが田宮警部の娘さんね。主人から聞いてますわ」と、奥さんは笑顔で言った。
「はい」
「すみません。突然お邪魔して」
真平が言うと、「全然構いませんよ! あ、どうぞ!」と、奥さんは真平たちを中へ招き入れた。
「部長にお会いしてもよろしいですか?」
早速、真平がそう言うと、「こちらへどうぞ」と奥さんは言い、リビングへ案内した。
真平はそのリビングを見回した。しかし、仏壇らしきものはなかった。
「仏壇なんて用意してないですから、ここに主人の写真と花瓶だけ飾っております」と、奥さんは言った。
確かに壁際に木製の小さな飾り棚があり、そこに部長の写真立てが一つと、その隣には花束を差した青色の花瓶が一つ添えられていた。それは、簡易的な仏壇にも見えた。
真平は線香を上げたかったが、それ自体置いていなかったので、それはやめてその場で手を合わせて黙祷した。田宮さんも真平に倣って、手を合わせた。
一分ほどして、二人は顔を上げる。
「奥様、ありがとうございます」
真平は奥さんの方を見て言った。
「いや、こちらこそ。来ていただいてありがとうございます。主人も喜んでいるかと思います」と、奥さんは笑顔で言った。「あ、今お茶出しますね」
それから、奥さんは思い出して言った。
「ああ、お構いなく」
真平はすぐに帰るつもりだったが、「どうぞそこへ腰掛けて。少しゆっくりしてください」と奥さんが言ったので、真平たちはリビングのソファに腰掛けることにした。
少しして、奥さんが紅茶を出してやって来た。
「すみません、ありがとうございます」と、田宮さんが恐縮したように言った。
「いえいえ、これくらいしか私にはできませんから」と、奥さんは言った。
「奥様、あの」ふと、真平が口を開く。「もし差し支えなければ、田中巡査部長のお話をお聞きしてもいいですか?」
真平が真面目な顔で奥さんにそう訊いた。
「え? ああ……ええ、いいですよ」
奥さんは険しい顔をして言った。それから、彼女は口を開く。
「主人がどうして、亡くなったかですよね?」
「はい」
「ええっと、三日前の夜です。主人と二人でいつも通り夕食を取っていた時なんですけどね。私達には、中学三年になる息子がおりまして、ちょうど息子の高校進学の話をしていたんです。息子は無償であるからと、都立の高校に通いたいと言っているんですね。でも、主人はお金のことは心配ないから、私立へ行けと言うんです。もちろん、私立だと例えば、青山だったり、早稲田だったりと大学にそのままエスカレーター式で行けるからという理由でです」
「なるほど……」真平は頷く。
「それで、二人の意見が食い違っていて……。私としてはやっぱり息子の意志を尊重したい派なんです。だから、私は主人にそう言ったんですけど、やっぱり主人は私立の方がいいと言い張るんです。私たちはお互いに意見を譲りませんでした。それから、私は主人と口論になってしまって、しまいには主人がうっかりと日本語を言ってしまったんです!」
私は聞いてしまったんです、と彼女は言った。
「聞いてしまった以上、どうすることもありません。私は主人にこう言いました。『警察に通報するわ』と。すると、主人は真っ青な顔になっておりました。私だって心苦しかったのです。でもそうする以上他なかったのです」
彼女はそう話した。
「だから、すぐに警察に連絡したのですか?」
真平が訊いた。
「ええ……」と、奥さんは頷いた。
「なるほど……」と、真平も頷く。
田宮さんも頷いてその話を聞いていた。
「ひどい話よね……」
それから、奥さんが呟くように言った。「どうしてこんなんで、事件になって、処刑されなくちゃいけないのかしらね……」
「仰る通りです」と、真平は言った。田宮さんも頷く。
「『夜も眠れない』なんて言うけど、今じゃ『昼間は起きてられない』わね……」
奥さんは俯いて、呟くように言った。
「奥様、お話しいただきありがとうございます」
真平は奥さんにお礼を言った。「あ、そうだ! 息子さんはどこに?」真平は思い出して奥さんにそう訊く。
「息子なら、部活よ。柔道をやっていてね」と、奥さんは答えた。
「柔道ですか?」
「ええ、主人に憧れてね……。警察官になりたいんだとか」奥さんはにこりと笑って言った。「あ、もうすぐ帰ってくると思うわ」
それから、真平は腕時計を見る。午後五時半を過ぎた頃だった。
そろそろお暇しようと真平は思い、「じゃあ、そろそろ」と、真平はソファを立ち上がる。田宮さんも真平が立ち上がったので、立ち上がる。
「奥様、本日はお時間を頂き、ありがとうございます」と、真平は言った。
「いえ」
「お二人とも『言葉』にはお気をつけて」
真平はそう言い、奥さんに会釈をしてリビングを出る。田宮さんも、彼女にペコリと頭を下げ、真平の後に続いた。




