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2050  作者: 落川翔太
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六月八日。東京・霞が関


『臨時ニュースです。先程、午前十一時四十六分に大内(おおうち)天皇が赤坂御用地(あかさかごようち)にある大内邸(おおうちてい)の庭で倒れているのが発見されました。大内天皇は自殺された模様です』

 署の近くにある和食屋で、真平が田中巡査部長と田宮さんと三人で一緒にお昼を食べていると、店のテレビでそうニュースが報道された。

 店にいる全員がテレビの方を向く。真平や部長、田宮さんもそちらを見た。

「え……うそ……!?」と、部長が呟く。

「…………」

 真平は言葉が出なかった。

 それから、真平は考える。どうして天皇が自殺なんか図ったのだろうか。何かあったのではないか。その何かとはいったいなんであろうか。

「どうして……」

 真平はようやく口を開いた。「どうして天皇は自殺なんかしたのでしょう?」

 真平は部長や田宮さんに質問するように言った。

「さあ?」と、部長は首を傾げる。「しかし、何か問題があったんだろう」と、部長は言った。

「その問題って、何でしょう?」

 真平は再び訊く。

「あ」と、田宮さんが思い出すように言う。「例えばですけど、誤って『日本語』を喋ってしまったとか?」

 あ、と真平は思った。おそらくそうではないか!

 日本語を喋ったために、それを隠ぺいするために天皇自らわざと自害したのではないか!

「そうですよ! 田宮さんの言った通りじゃないですか?」と、真平は言った。

「それか、何か別の問題で、自殺した可能性もあるとも考えられるけどね」と、部長が付け加えるように言った。

 確かにそういう問題だったと言うこともある。

 今後の捜査によって、明らかになるのだから。


 その後の警察の調べによって、天皇がなぜ自殺したのかが判明した。

 天皇は、やはり「日本語」を口走ってしまったと、天皇の夫である大内皇婿(こうせい)が話した。 

 彼の話によると、その日、大内邸の庭に梯子が屋根まで伸びていたことから、大内天皇がそれに上り、屋根から飛び降り自殺を図ったということらしい。

 天皇が自殺したことで、皇婿はショックを受けていると話しているとのことだ。また、自殺の理由については、彼女は「処刑をされたくなかったのかもしれない」と、彼は続けた。

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