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第21話「それぞれのこれから」

いつぶりでしょうか……

というわけで更新です。この作者エタるかどうかはっきりしろよ

 宿に戻った俺は、リオンと共に夕食を食べながら今日の戦闘や今後の方針について話をしていた。


「結局、ボスとの戦闘の様子を勇者たちと比較して数値に出ない戦力を測るのは失敗に終わっちゃったんだよな。いい経験にはなったけどあの鬼には参った」


「で、でもマコトさんが無事で良かったです。その鬼?もマコトさんだから倒せたようなもので、普通の冒険者さんならやられちゃってますよ?私だって5分持てば長いくらいな相手じゃないですか」


 初めて鬼との戦闘について話した時は随分心配げな様子だったリオンも、俺に大した怪我がないと分かると(これはあったとしても治癒させただろうが)大分落ち着いたようで、こうして聞いた情報から戦力予想を立てたりもしている。

 そういえば、前に敬語は無理して使わなくてもいいと言った覚えもあるけど結局戻っちゃてるな。


「マコトさん、今後はどうするんですか?もうしばらく勇者さん達の方を?」


「それね、とりあえずあいつら自体の偵察は一旦やめにするよ。もっと上の方を視る方が良さそうだからそっちかな」


「上って……」


「まあ、目的としては戦争を止めたいわけだし?できるできないは置いとくとして、どこを抑えればいいと思う?」


「それはまあ、軍……というよりは国?なんじゃないですか?」


「そういうこと」


「はぁ……え?マコトさんもしかしてプライディア王に直談判でもしに行くつもりですか?捕まりますよそれ」


「そうだね、流石にそこまでやるつもりは無かったけど、リオンって割と過激だね?ま、どれくらい戦争に向けて準備してるのかなーくらいは調べるつもりだよ」


「気をつけてくださいね?それにしても、私そんな過激……ですかね?」 


「だと思うけどね」


 首をかわいらしく傾げ、尻尾を揺らしながらそんな疑問を口にするリオンに苦笑を漏らしながらその日の夕食を過ごした。




 場所は変わり宿の自室。


「調べるとは言ったけど、正直なとこ戦争についてそんな詳しいわけじゃないんだよな」


 と、いうわけで。


 《……まぁ、いいでしょう。マスターの目的としては既に始まった戦を仕切る、というわけでもありませんし。戦争自体というよりかは周りの動きを見るべきでは?》


 そんな有り難い言葉を俺の能力を支えるブレインたるウィズがくれた。


「じゃあその方向で調査を進めることにするよ。頭脳労働は向いてないからウィズがいると助かるよ」


 《ならばもう少し私に頼るべきですねマスター。なんのための私だとお思いですか?》


「わかってるよ、ウィズにはあの臭い?の呪いの解除も頼んであったからあんまり負担にはさせたくなくて」


 《スキルである私に負担……まさか心配のおつもりですか?》


 そんな不思議そうな声色でウィズは俺に尋ねる。


「え?あぁ、そうだよ、もちろん。いや、俺だってただ使うだけのスキルにはそこまでするつもりないけど、ウィズは話せるじゃん。心があるってことじゃないかな、違う?俺にはただ聞かれたことに答えるだけの人工知能とウィズを同じだとは思えないけど」


 《あなたは……いえ、ありがとうございます。ですが、私も主の役に立つというのが今の存在意義なので、それも踏まえて貰えればその……嬉しいです》


 率直な考えを伝えたわけだけど、元の世界ではあまり大事にしてなかった会話の意義を感じた。


「はは、やっぱり思ってることは言わないとだね。そういうことなら頼らせてもらうよ、俺の大事な……秘書?とかどう?」


 《それもいいですね、その場合はマスターではなくご主人様と呼んだ方がお好みですか?》


 からかってくるウィズと言葉を交わしながら、これから先どうなるのかな、なんて未来へ思いを馳せ空へ目を向けたのだった。





 場所は変わりプライディア軍務部。


「して、勇者たちの育成の進捗は?」


 壮齢の男が尋ねるのは勇者たちの教育係であるアスラ・アンティその人、彼はその言葉に頷き口を開いた。


「パーティ単位での戦闘はひとまず及第点でしょう、オーク相手の戦闘でもここ数日は被弾もなく動けています。ギフトもそれぞれの使い方を覚え、個性に合った動きができているかと」


「この短期間でやるじゃないか、流石は無間のアスラだな」


 からかうように口にしたのは2mを軽く越える大男。その身体に贅はなく、にも関わらず筋肉の付き方に無駄はない。その身体の大きさを余すこと無く活かす、そんな練り上げられた身体だ。


「ハイエン、軽口は後にしてくれ」


 そう言いながらも半ば諦めた様子のアスラ、いつもの事なのだろう。壮齢の男も呆れた様子でそのやり取りを眺めていたが、気を取り直すかのように頭を揺らし、咳払いで注意を引いてから再び口を開く。


「育成訓練の内容はしばらく現状のまま続けるのか?」


「いえ、連携の基礎は先程の報告通り及第点と言える練度になりました。ですので、そろそろギフトの力自体を伸ばす訓練を始めようかと」


「ふむ……元の世界で武器を取る事など無かったと聞いていたが、なかなか早く慣れてくれたものだな」


「ギフトの力がそうさせるのでしょう、自分で驚いてる勇者もいるくらいです。とはいえもうひと月半が経とうとしています。王の定めた期限までは長くありません。それまでに仕上がるかどうか……」


 そのアスラの言葉に男もハイエンも渋い表情を浮かべた。


「せめて1年あれば……と思いはしても仕方ない、その時まででの最善を尽くしてくれ……苦労をさせるな」


「いえ、出来る限りのことをやりましょう。これも全て我らが国のためです」


「ああ、頼んだ。では今回はこれまでにしよう、もし何か問題があれば我々『三鬼将』で解決に動くこととする」






「なるほどね」


 神の眼に目通せないものは無い。

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