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闇昇 藪危の悲劇 弐 バイオレンスデイ【狂気仕掛けのキラーマシーン 落咲 末菜の悲劇】

『警告!!』

この話は作者の捻じ曲がった創造と感情と思想が入り混じって出来てしまった

いわば、欠点だらけのご都合主義で作り上げてしまった作品です。

あまりにもすごい内容にできあがり自分でもすごくひいています

絶対に次のような方が読むことをお勧めしたくはないので書いておきます。

 1・現実と想像の境目を理解できない人

 2・15歳未満の人

 3・殺人心情に深入りしてしまう人

 4・自分を見失ってる人

 5・あまりにも優しすぎる人

該当するような人にはあまり読んでほしくはないですが、この作品は自分的には書いていて好きになってしまった作品なので書いてしまいました。読む場合はけっこう過激な所があるので注意してください【特に会話が】。キャラの心情の深入りはお勧めしません。みな問題を抱えすぎてしまったキャラクターが描かれているためです。

それでも、読んでくれるという人は読んでもらえればとてもうれしいです!

どうぞ、「闇昇 藪危の悲劇」の世界観をお楽しみください。

幸せってなんだろう?


それは誰かに譲ってもらうものなのか


与えられるべくして与えられるのか…


「闇昇 藪危の悲劇」


率直な感想で言うと


弐 バイオレンスデイ【狂気仕掛けのキラーマシーン 落咲 末菜の悲劇】


ドウデモイイ…




闇昇【あんしょう】は呪姓を持つ一族であり

暗道【あんどう】は呪名を持つ一族である

闇昇は一応呪姓を持つ一族の一つでもあるが相手を絶対的に不幸にするほどの力を持ち合わせてはいない…

闇昇一族の異常性は普通であるようにして普通でない環境を作り上げるその存在性にこそあるのである。

闇昇はそこにいるだけで災いと歪みを運ぶ…

それゆえ自分の二つ名は【悪運運送車】なのだろう…

しかし、闇昇の一族の力は暗道と違い衰えてきている。

一族の元たる【闇場『あんじょう』】の頃は

なぜかしらの【異形の力】を有していたらしいが俺にはほとんど備わっていなく

あるのは、闇昇という名の呪いだけが自分には残っているだけらしい『血毬【ちまり】さん情報♪』

…しかし、これだけの悲劇を惹きつけるのだから闇昇の名は恐ろしい

さて、今宵の悲劇にこの話が必要だったか?と言うとあまり必要なかったかもしれないし必要だったかもしれない…

ちなみに補足しておくと自分自身が自分の名を語るときに闇昇を名乗ることはなんの問題もない…らしい…



自分は朝の目覚めは鳴ることのなかった朝の目覚ましのスイッチを切ることから始まる。

カーテンを明けると眩しい日差しに目を細めてしまう

「…」

自分はカーテンを閉めて着替えを始める

自分は別にカーテンを開けるためにカーテンを開けたわけではない

日差しで目を覚ますためにカーテンを開けたのだ。

ちなみに、自分は光というものが大嫌いである。

自分は部屋の中の電気スタンドのスイッチを入れ着替えを始める

暗闇に目が慣れ始めたらスイッチを切る

それなりにいいジーンズにそれなりの皮のジャケット(血毬さんがくれた相当な値のヤツだが自分の扱いの悪さでボロボロ)を着る

これが俺の休日のファッションスタイル

「…」

今日は例の悲劇【首フェチニスト 首フェチン 首キリスの悲劇】の後の土曜日である。

ようは

「デートかぁ…」

そう、今日は【あの】夢道 百禍【むどう ももか】とデートをする日なのである

ん?何故強調したかって?気にしなくていい…

そいうわけで、

自分、闇昇 藪危は朝からどのようなプランを立てるべきだったのか?を今頃後悔している所なのである。

「…」

…はっきり言ってノープラン

というか、自分はこれまでにプライベートで遊ぶ相手は殺目【あやめ】か百禍のどちらかか三人一緒なので実は一度もデートとか計画を立てた休日など過ごして事がないのだ。

それ以前に自分は面倒な事をすることがあまり好まないため

そんなことなど、出来るはずがないのだとあからさまな言い訳をここに並べてみた。

「…」

気分が少しは良くなると思ったがそうでもなかった…

気休めにもならんとは、言い訳も落ちぶれ者だな…

「…」

自分はカーテンの向こうにあるであろうそれに目を向けて見る

自分はその目を自分の手のひらに向け眺める

自分、闇昇 藪危【あんしょう やぶき】は実感し始めていた

自分が他人の死に感傷できないほど人間になってきていることを…

「…」

いままでは泣く…などと言うことはなくとも

嘔吐ぐらいはしたものだ。

最初に見た血毬さんの殺人は一週間半のときどきくる嘔吐に悩まされたものだ。

しかし、あの時の自分は悲しみを感じてはいたにしろ彼の死に対して違和感を覚えることはなかった…

「…」

予想以上に自分も壊れてきているのかもしれない

まぁ…そんなことなどとっくのとうに失われきっていた感情に近いのかもしれない

それほどまでに自分は多くの死に出会いすぎたのかもしれない…

…というか、最初のくだりからくると今の自分は誰見ても現実逃避している少年Aにしか見えないはずでありどうしようもない救いのないダメの人間しか見えないはずだ

…どうしようか?

自分はその後、10秒できっぱり悩み続けることをやめて

階段を下がるとリビングに向かう廊下に小さな人影があった。

その人影を確認する前に俺の腹に突然の激痛が走る

何とか、体制を整え目線をその人影に合わせるとやはりと言うべきか

そこには、

「お兄ちゃん♪おはようございます♪」

血の繋がるはずのない妹キャラがいた。



今日は小さなテーブルをリビングに置きご飯を食べることにする。

俺の向かいには先ほど電撃的な登場をした深眼 殺目【ふかめ あやめ】 12歳 がいる。

殺目はいつもと同じ血のように赤いゴスロリ衣装に金髪のポニーテイル

腰に小さなの血で染まったような赤いかわいらしいポーチをつけ

両目に包帯を巻いていた

…えっ?なぜ、両目に包帯だって?

それは、殺目が両目を持っていないからである。【深い突っ込みはしないと言うことで…】

生まれたときからなかったらしく

彼女は全然気にしていない。

というか、殺目には目が必要ないほどに周りの気配に敏感な肌を持っている。

言わば、殺目は【心の目?…的なもの】を持っているのだ。

その力は相当なもので半径50mのことなら何でも感じとることが出来るらしい『生物であろうと無機物であっても…』

ようは、生活する分には何一つ不自由のないほどなのだ。

俺はいつもの切り出しで話を始める

「で?殺目はどうして俺の家に来たんだ?」

とここで一般男子の願望では

 『お兄ちゃんに会いに来たんだよ♪』

などの妄想を抱くのだろうが

そんな生易しすぎる展開はなく『というか、血のように赤いゴスロリ衣装に両目に包帯の時点で言うはずがない』

殺目はいつもと同じ返事が返ってくる

「お兄ちゃんの目をもらいに来たんだよ❤」

と万遍の笑みで答えてくる。

はっきり言って冷や汗ものである…

❤マークの必要性をまるで感じさせないセリフだ…

自分はいつも通りに

「殺目にあげる自分の目はないし自分は誰にもこの両目はあげる気はない!」

とはっきり答える

ちなみに言っておくとここで、『いいよ♪』と答えることは絶対にやってはいけない。

殺目は冗談を言うほど生易しい少女ではない

いわば、殺目は狂気的にピュアな少女なのである…

…ほんとに殺目は両目を抉り取られかねない

「えぇ~!」

「殺目にあげられる目はないといつも言ってるだろう?」

「一つだけでも~!お兄ちゃん❤」

「だめだ!それはついでで一緒に朝食食べに着たんだろ?」

「朝食はついでだよ♪お兄ちゃん♪」

「…」

ここまで、冷や汗ものの妹キャラは殺目いないだろう…

「だって♪

 【お兄ちゃんの目は殺目のモノ♪お兄ちゃんも殺目のモノ♪】

だもん♪」

「…」

ちなみにこのセリフは毎日会うたん日に聞いている…

俺は一応反論しておく

「それには、俺の許可がないだろう?」

「大丈夫❤お兄ちゃんは殺目❤【ラブ】だもん♪」

「自分の両目を取りにくる悪魔を普通の人は❤にも【ラブ】もならないと思うぞ」

「お兄ちゃんは優しいから大丈夫♪」

「…そういう問題ではないと思う」

「藪危様、殺目様、朝食を目の前にして会話はいけませんよ」

と自称【真人間】を名乗る未皆 血毬さんが自分たちのテーブルに朝食を運んでくれる

「はーい♪」

「すいません…血毬さん」

「それでは、ごゆっくりどうぞ…」

おっ?今日はアサリの味噌汁がある

「…食後の感想を忘れないでくださいね。藪危様」

「…了解です」

いつもこのような新婚さんのような会話をされると心臓が持たない…

「お兄ちゃん♪あ~ん❤」

目の前の妹キャラも困りものだ…

「! 藪危様!」

「だめだ!殺目にも血毬さんにもやらないから!」

「え~!」

「…残念です」

このシチュエーションが普通の少女たちによって展開されたらどれだけいいだろうと自分は虚しさを覚える。

『キャ~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!』

「「「…」」」

自分の着信ボイスのホラ映画に出てくる女性の悲鳴が家に響く

おっ?暗道からメールだ

「お兄ちゃん…」

「藪危様、その着信音はやめた方が…」

隣から予想外な視線を感じるが無視する。

内容は

……

中身を書きたいものでなかったので省かせてもらう

ようは、百禍とのデートをノープランだと書いたらコロスといったようなものだった。

自分はとりあえずこのメールを無視したいのだが後々自分の命に関わるので正直に返事をする。

…ちなみにここで1分以内に返事を返さないと鉄バット付きで暗道が家に登場してしまう

ピッ!

『ユ~ア~デ~~~~~~~~ス!!』

…あれ~?可笑しいな?こんな着信音つけた覚えがないのだが

ちなみにケータイの画面を見ると予想通りメール一件

そこには簡単に

『今殺しに行くから♪』

とあった。

「…」

「お兄ちゃん?」

「藪危様どうしましたか?」

自分はため息とともにテーブルの下に潜り込むと

窓ガラスが割れる音が家中に響く

どうやら、二階のようだ

寝込みを襲おうとするとは抜かりのない悪魔だ。

急ぎ足で一階に向かう足跡に日本刀を無言で取り出す血毬さん

…ヤバイ

「血毬さん!撃退しなくていいですから!」

さっきに行って置かないと本気で殺りかねない!

「そうですか?」

とそっけなく懐に戻す

階段を急ぎ足で歩く音が聞こえる

自分は席に戻り食事を再開

殺目もその様子を見て気にすることなく食事を再開する

ドアをおもいっきり開け

殺目との楽しい食事を妨害してきたその人物を一応確認する。

「暗道か?」

「あんた、いい身分してるわね…」

今日の暗道はいつも異常に殺意に満ちている

「待て!言い訳を聞け!」

「いいわよ。いいなさい!」

「…すまなかった」

とりあえず、謝ることに徹してみる…

……



「…」

俺は何度か鉄バットで暗道に殴られ一応許してもらえた。

百禍もそこまで要求していないだろうとの考えのもとだ。

暗道はあの後

「…デートをする日なのに少女を家に上がらせる神経が気に食わない」

と数回殴られた。

自分は何とか誤解を解き『殺目も手伝ってくれた…一応…』

暗道は説明に納得すると

「…百禍を泣かしたらゆるさないから❤」

と釘を刺された

…そこで❤を使うなよ

自分はその言葉にいつも通り

「なら、自分よりお前が付き合ってやれよ。その方がうれしいぞ。百禍は」

と言うといつも通り

「私は百禍を愛せないから…」

と言って勝手に二階に上がり多分、壊した窓ガラスから去っていった。

相変わらず身勝手なお嬢様だ

「…」

自分は食事終え

「ご馳走様」

と言うと

「お味はどうでしたか?」

と上目遣いで聞かれたので

「味噌汁の香りがよかったです」

と万遍の笑みで忘れていた感想をでっち上げて言った。



あの後、一発腹にストレートパンチを受けた自分は腹の激痛と戦っていた。(鉄バットの後に何故かとんできた)

殺目はそんな自分を気遣ってくれた。

自分はふと時計を見る

7:10

確か、集合は八時に商店街の入り口で待ち合わせだったはず

そう、そのためにまずしなければならないのは…

「いててて、あっ!今日は首吊魔と一緒に遊ぶんだった!急がないとな!」

「? お兄ちゃんは今日は百禍姉ちゃんとデートでしょ?」

…聞いていたか

まぁあれだけ、暗道が騒いでいたのだ。

ここで、はぐらかしがきくはずもない…

「殺目…」

「嫌だ!」

「そう言わずに」

「殺目も行く!お兄ちゃんとデートする!」

…やはりか

「いや、今回は遠慮してくれないか」

「嫌だもん!お兄ちゃんとデートしていいのは私だけだもん!」

「…自分は一度も殺目とのデートした覚えがないけど」

「殺目との遊びはデートだもん!」

くっ!ここまで粘られるとは自分も想定外だった。

しかし、ここで引くわけには行かない

なぜなら、殺目をつれいったら次は間違いなく百禍に(に怒られずとも暗道に!)怒られるからだ。

自分は全力で殺目を説得にかかる!

「殺目…




「…で?藪危先輩どういうわけですか?」

かわいい白のワンピースに包まれた百禍は聞いてきた

自分は覚悟を決め地面に顔面を出来るだけ近づけ土下座した

「すまない!」

隣にはうれしそうに正座した俺の背中に抱きつく殺目の姿があった。



…きつい鉄拳を右頬にくらった



「じゃあ今日は、わたしに一日中付き合ってもらいますからね♪藪危先輩★」

そう言って、うれしそうに微笑んでいる百禍を見るとこのデートをしてよかったと思える(まだ、始まったばかりだが…)

「殺目もお兄ちゃんとのデートうれしいよ♪」

と誤解招きかねない発言をする殺目はいつもながら…(多分、わざとだ…)

「今日は藪危先輩とのデートはわたしなんだからだめですよ!殺目ちゃんは邪魔しちゃ★」

「う~~~!殺目もしたかった…!」

殺目が同伴するくらいは許してもらえ

自分は不本意だが百禍との二人(?)のデートが始まった。

最初は商店街のお菓子屋さん巡り

これは、休日に三人【殺目と百禍】で商店街をぶらぶらする時にやる

いつもの行事だ。

今日は少し日差しが強かったので(自分は相当の暑がり)アイスクリームのおおきめのを240円で購入

「また、アイスですか腹を壊しますよ?藪危先輩★」

と始まったばかりのデートでスーパー袋一杯のお菓子を片手に抱え水あめを口にくわえて出てくる百禍

「お兄ちゃんは熱がりだもんね♪」

と片手に食べかけの板チョコを持って出てきた殺目

「というか、百禍。そんな食べて昼ごはんたべるのか?」

「舐めないでください!百禍の胃はブラックホールも驚きです★」

「いいな~!殺目も胃がブラックホールびっくりさんになりたいな~」

「それは、やめた方がいいぞ!殺目…お腹は壊すし気分も悪くなる!いいことなんて一つもないぞ!」

それに、こんなびっくり人間はこれ以上増えてほしくない…

「あっ!藪危先輩♪お昼おごってくれませんか★」

「…自分に死ねと?」

持ち金が少ないわけではないが百禍が食べる量は尋常じゃなく自分の万札ががっぽりなくなる(来週には新作のホラーゲームが出るためできるだけ出費を抑えたいし使いすぎれば血毬さんの説教がまっている…アレだけは絶対避けたい!)

「嘘ですよ♪藪危先輩★」

「百禍の冗談は正直冗談に聞こえた覚えがない」

「…それは、藪危先輩が鈍感なだけですよ★」

「そうだよ。お兄ちゃん」

そういうものなのだろうか…【よくわからん…】

「それより、この後どうするか…」

商店街を抜け近くのこの町最大の大型デパート【デルックスン】の前に出る。

この大型デパートはなんとこんな狂った田舎なのに5階建てとビック!

しかも、5階は映画館であり他の町よりは比較的遅いが今時の映画が見れる

自分は新しいホラー映画【骸屋敷】が上演されていることに気づき足を止めてしまう。

そう言えば新しいのが入っていたんだっけ…

気にはなってはいたけれでもここら辺を通る機会があまりなかったので上映されているとは知らなかった…

後ろから百禍と殺目の視線を感じ振り向くと

なぜか、二人は不気味な笑顔になっていた。

「…」

「藪危先輩♪見たいんですね♪そうなんですね★」

「お兄ちゃん♪見たいんだよね♪そうだよね♪」

と二人は突然両肩をブロックすると俺をデパートの中へと引きずりこんでいった

そんな二人に

「…なんか嫌な気がする」

という疑念を感じずにはいられない自分

映画館内はいたる所に傷や血の染みや時々鎌などの凶器が刺さっているが気にしない。

むしろ、このような景色はわりと普通なものに部類される

まだ、周りにあるコンビニなんかより刺さっている凶器の数が少ない

えっ?そんな問題じゃないって?

まぁ、しょうがない、ここは終焉の町【闇里死】なのだから

チケット売り場では、あいかわらず生気の感じられない売り子がいた。(

…この町は、意外と狂人よりも廃人が多い

まぁ生きるだけのような彼らに感情を求めることは(ここの住人事態それを望んでもいないが)ない

はっきり言って何されようがものともしない人形である

…例え理不尽に殺されようとも

「藪危先輩?どうしましたか★」

「いや、…何でもない」

自分は券を三枚買い一応お礼を言いい会場へと向かう

「お兄ちゃん。どうして、お礼なんて言ったの?」

と本気で聞かれたので、

「一応な」

と言って置く

まぁこのお礼など自分が“まともな人間”であることを意識したいだけの自己満足に過ぎないのだろうけど…

自分は売店でポップコーンとジュースと買いに行くことにする

「百禍、殺目、ジュースとポップコーンを買うんだけど何がいい?ちなみに今日は百禍とデートってことだから、これは奢る」

「マジですか!藪危先輩★」

「あぁマジで」

「ありがとう♪お兄ちゃん♪」

意外と二人とも大喜びしてくれたので良かった

いきなり右手を垂直にキリッ!と俗に言う授業で悪目立ちして椅子から立ち上がって手を上げる学生姿勢で言う

「スペシャルビックラージポップコーンのキャラメル味とラージ&ラージジュースブトウで★」

「…」

【ちなみに今、言ったポップコーンは軽く二千円する何故かしらドデカイポップコーンでジュースは誰が飲むのかってくらい大きなサイズで千円である

…どんだけ、遠慮がないんだよ!】

「【】の部分が声に出てますよ♪先輩★」

「マジか!」

「何の話してるの?お兄ちゃん?」

「!」

「~♪★」

…百禍のヤツさては自分のことを嵌めたな

「お兄ちゃん!私ね、…お兄ちゃんと一緒のポップコーンでエスのアップルジュースがいいな…」

うん!こちらはとてもかわいい返答だ

これが、自分の両目を狙っているかわいい妹だったらホントに良かったのに…

後ろから『むっ!』と少女に対抗意識を持った声が聞こえるがあえて聞こえないフリをする

「なら、わたしも一緒に藪危先輩と一緒に食べます!飲みます★」

「いや、無理だろ。百禍それくらいペロっと食べちゃうしすぐに飲んじゃうだろ…その自慢の胃袋で…」

「なら、二個買えば★」

「…そんなに出すのは勘弁してほしいだけど」

「う~~★」

「それに、そんな気にすることないだろ?」

「わたしと…」

「?」


「わたしと藪危先輩のデート何ですよ!!」


涙目で訴えられてやっと自分は理解した。

「あっ…ごめん百禍」

「…」

「二個買って一緒に食べる」

「…」

「だめか?」

「手…」

「?」

「今日一日中つないでくれたら考えます★」

「…わかった」

自分は百禍の涙目に耐え切れず了解した。

「♪★」

彼女はうれしそうに手をつなぎ会場へと向かう

殺目から冷たい視線を感じるので、自分は殺目にだけ聞こえるように『ごめん…』と伝える

殺目は納得したのか小さなため息をつくと耳元に近づいてきて

「…今日だけだよ?本当に今日だけだよ?本来なら“藪危お兄ちゃん”は殺目だけのもので…“藪危お兄ちゃん”は殺目の大好きなお兄ちゃんなんだから…トクニ目ガ…」

背筋が凍る冷たい声で身が震える。【これでは、マシンガンを背中に突きつけられた方が生きた心地を味わえてしまうだろう…】

…自分は思うのだが、将来どちらかに殺されそうな気がしてならないのだが

「殺目ちゃんだめですよ!藪危先輩をおどしちゃあ★」

「…百禍先輩は相変わらず羨ましいくらいにお気楽ですね♪」

やばい!殺目が少し病みモードに入った!

ちなみに、病みモードになると自分の呼び方が“お兄ちゃん♪”から“藪危お兄ちゃん”に変わるのですぐわかる。

「まぁ、いいですよ。今回は百禍先輩の藪危お兄ちゃんですから…」

「ありがとう♪殺目ちゃん★」

「うん♪百禍お姉ちゃん♪けど、お兄ちゃんは譲らないから♪」

「…」

…こんな二人に翻弄される自分とは何だろう?



自分たちは一番よく見えるド真ん中の三席に座る

ちなみに今日は土曜日だと言うのにこの映画館内の人気のなさは異常だな…

自分たちは映画が始まるまで一緒にポップコーンを食べた。

ちなみに、ポップコーンは10分しない内にほとんどが百禍の腹におさまった

映画が始まるとここぞとばかりにまだタイトルすら流れていない時点で二人は…

自分の両肩を拘束する。

「…何をやってるんだ?二人とも」

「何のことですか?藪危先輩★」

「何のことかな?お兄ちゃん♪」

その文字のとおりに二人はうまく腕をからませ体を密着させ見事に自分の体を固定してきた。

…ヤバイ

精神的や性的にではない

この後、二人がどのようなアクションを取るのか

その後のアクションによる自分の被害が目に見えていることに焦りを感じているのだ

自分はすかさずに言う

「二人とも!手を離してくれ!」

さすがにいつも冷静な自分でも命の危機となれば必死にもなると必死になる

ちなみに映画館内では静かしないといけないのは基本ルール【今回は場所が場所であり危機が危機なのでゆるしてほしい】

「だめ!お兄ちゃん!殺目こういうものは苦手なの♪」

嘘言うな!昨日、夕方ケラケラしながらきついヤツ見てたくせに!

それにその【♪】はなんだ~!?

「百禍はただ映画館で悲鳴を上げるシチュエーションを暗道先輩の変わりに藪危先輩にやってほしいだけです★」

本人にやってもらえ~!

「二人とも何で身構えてるの?えっ?まさか、いや、まさか…」

自分は恐る恐る映画のほうに目を向ける

そこには最初の絶叫シーンの直前と言えるシーン

自分は必死にもがく!冷や汗が止まらない!必死にもがくがその結果は虚しく

『キャ~~~~~~~~~!』(映画のヒロインの悲鳴)

「「キャ~~~~~~~~♪」」(とても幸せそうな二人の声)

「~~~~~~~#$%?!*!!!!!!!!」(主人公の悲痛な声…)

自分の声にならない悲鳴は館内中にこだました…

二人は終わるまでに何度も絶叫シーンがあるたんびに自分の腕を締め付けてきた

自分は何度もその激痛に堪えた

百禍に関しては首筋をキスまでしていた…

自分はそんな状態だったため映画に集中できず映画を見るのにフルマラソンをしたくらいの【実際したことはない】疲労を体に受けた

ちなみに自分は館内から出た記憶がなく多分、二人に両手を引きずられて出たのだと思う…



「…やっぱ、いずらいな」

こちらは移動して二階の女性のファッションコーナーに移動した。

自分はその一角にあるベンチに座っている。

あの後はCDショップで聞きもしない音楽を二人につき合わされ【殺目が演歌を勧めてきた時は驚いた】振り回され

本屋、アクセサリー売り場、ゲーム売り場【特に百禍が興奮していた】を一通り回るハメになった。

「…ハァ」

デートとはこんなにも疲れるものなのだろうか?

いや、自分は多分、殺目を連れてきていた時点で問題だったのであろう

結果的に二人はいつも以上お互いを意識しあう形に持ってきてしまったのだから

【悪運運送車】が自分で悪運を運送してしまうとは滑稽だな…

「藪危先輩★」

と首がグキ♪と逝きかねない勢いで自分の首を回す百禍

「どうした?百禍」

「これどうですか?似合いますか?」

そんな百禍が着てきたのは

                   …フリフリフリルのメイド服だった


「そんなのあるのかよ!?」


百禍は自分の尋常じゃない反応に?の文字を頭に浮かべ

「ふつうじゃないですか?メイド服が置いてある店って?」

「どっかのオタク街ではないのだから、そんなものあるはずがない!」

とついつっこむんでしまった

てか、本当なんで置いてあるんだ?

しかも、スカートがミニスカ風なのはなぜだ!?誰かの陰謀か!?

「お兄ちゃ~~ん♪」

自分は背中になぜか寒気を感じる

なぜだろう?振り向いてはいけない気がする

ここまでを警戒心を持ったのは血毬さん以来だ

ここで振り向いたらいろんな意味でダメな気がする

かといって状況を把握しないわけにはいかないので、振り向く

すると、試着室から出てきた殺目は

                  …スクール


「ストッーーーーーーーーーープ!!【映像的にも自分のためにも】」

自分は殺目のその着替え姿を直視する前に殺目を試着室に叩き込んだ。

なんちゅう格好するんだ!あの子は!

おかげで、自分の平均値よりも血圧が一気に上がってしまった

てか、何であんなマニアックなもんこんなデパートに売ってんだよ!

「む~藪危先輩はやっぱりああいう際どいものがいいのか★」

「…」

自分は良からぬことを企む百禍を試着室に叩き込んだ。



…疲れた

今日の二人はいつも以上にハイだ…

もう、これ以上振り回されると身が持たない

デートだからとは言ってもいられない!

自分はベンチから立ち上がるとふと、血毬さんから

『牛乳買ってきてください♪買ってきてくれないとグーでパンチです♪』

って言われたのを思い出し(最終的に選択肢のない命令で…)

あわてて一階の食品売り場に向かう

二人の買う服を決めたらしく俺自分売り場から出たときには二人とも片手に紙袋を持っていた

「てい★」

「おに~ちゃん♪」

と二人は両肩に絡み付いてくる

「どうしたんですか★」

「いや、血毬さんに牛乳を買ってきてくださいって言われたのを忘れてたんだ!」

と素直に告白『デートで買い物も悪くないだろう…』

「お兄ちゃん、血毬お姉ちゃんの頼まれ事忘れたらメッ!何だよ!」

「…その通りで」

自分はその時にはまだ、違和感を感じなかった

この大型デパートに招かれざる客が来ていることを…

その存在に気づいたのは、一階に下りるエレベータに乗り下についたときにやっと気づく

「んっ?」

突然、足元に転がってくる人間の生首

その転がった向こうには黒長髪で顔が隠れた不気味な中学生が立っていた【丈の短いセーラー服と身長でそう判断】

残骸と化した自動ドアの前で右手に花束ならぬグチャグチャのバイクをもう左手に拳銃ならぬグチャグチャになった商品棚を握り締めていた。

そして、何よりも着ているセーラー服が


           過激なまでに血の色に染まっていた


「…」

「藪危先輩♪わたしはこの後、ラーメンが食べたいです★」

「殺目はハンバーガー♪」

「バカやろう!」

自分は咄嗟の判断で二人を両肩に抱え込み近くの商品棚【化粧品売り場】の中に飛び込む

「くっ!」

ドゴーーーーーン!


「「「!」」」

投げられたバイクは食品コーナーのところへと飛んで行き次々と商品棚を粉砕していった。

「…はぁ?」

「何事ですか★」

「…これは、やばそうだね♪お兄ちゃん♪」

三人は三者三様の反応を見せる(てか、落ち着きすぎだろ殺目!)

今の自分にわかる状況は今のところ一つ

【ここにいると危ない!】

自分は二人の手を取りがむしゃらに走り出す

まずは、距離をとって思考をめぐらせなければ

ちなみに、自分たちが隠れていた化粧品売り場の商品棚は自分たちが走り出してまもなく粉砕された…



「ハァ!ハァ!」

「藪危先輩…手を握る力強すぎです★」

「殺目と愛の逃避行だね♪お兄ちゃん♪」

「ハァ…ハァ…わけわからんこと言ってないで策を考えてくれ…」

やはりというか何と言うか元気な二人だ。

自分はこういう展開にかなりの場数を踏んでいるが命の危険な展開にはどうしても慣れない

ケータイを取り出し最悪のヘルプテレフォンをかける。

「誰に電話ですか★」

「ハァ…ハァ…お前のご主人様だ」

自分は憂鬱な気分を堪えながら耳をケータイに傾けた



『あら?御機嫌よう♪ヘタレゴミムシ♪』

…わかっていたが、初っ端から罵声か

「こちらの状況はわかるか?」

『全然ですわね。百禍との二人っきりのデートをセッティングしたというのにあろうことか小学生を家に誘いこんでその小学生をも引き連れあろうことか、デートのプランゼロのままで、小学生のデートでもなかろうに駄菓子屋巡りをして新作ホラー映画で二人を弄び、二人を犯罪チックなコスプレをさせていたなんて、全然知らないわね♪』

「大体全部知ってるようだけど事実を捏造すんな!コノヤロウ!」

『百禍?手を出されていない?』

「今のところ大丈夫です★」

「…今後もそんな展開はない」

「殺目とは?」

「ないよ♪」

「そんな★」

「…お兄ちゃん」

なんで、そんな残念そうなんだよ!

『ひどいわね…どうせ、遊びなのね…私のことも(笑)』

「な・ん・の・は・な・し、してるんだ!お前は!しかも、お前“(笑)”って!」

『(笑)(笑)(笑)(笑)(笑)存在自体(笑)』

「…」

精神的にも追いつめられてきた…

『ちなみに私は今、シャワーを浴びてるところなんだけど…』

「誰もテメェ~のお色気シーン求めてない!」

『ちなみに嘘♪』

「…」

ここで、一つ自分は世の健全男子諸君のために言っておこうと思う

「…すぅ~

        死ね!!」

本来ならこのままで、電話切ってやろうと思ったが状況的そうもいかない。

…期待はしてなかったよ?

「たく!遊びはそこまでにしてくれ!自分たちは今、最悪の事態なんだ!」

『あら?あの渇飢 血飛沫【かわき ちしぶき】の時よりはまだ、マシな状況じゃない?』

「いや、アレと比べるな!アレと!」

あれは【最悪】どころか【地獄】でしかない!

『ふふ♪そんなに思い出したくないのかしら?血飛沫ちゃんのこと♪』

「いい加減に・し・ろ!!」

たく、人をからかう時は相手を逆上させるな!

と言っても聞かないんだろうけどな…『元々、自分と暗道は犬猿の仲だしな…』

『そうねぇ…こちらも想定外な展開ではあるわね…』

「何なんだ?あの子は?呪○でもこんな怖い展開ないぞ。」

『…古いホラー映画名前引っ張り出すわねぇ』

自分は危険を感じ取り二人の手を引きその場から離れだす

「で?どうなんだ?」

『どうもこうしたもないわ。外部からの侵入者。いや、新しい村人…って答えた方がいいかしら?』

「…マジか…情報は?」

『残念ながらまだね…空非あきひに荒餓鬼の一族の情報ネットワークにハッキングさせている所』

「…」

マジか?あの荒餓鬼の情報ネットワークに入る込むなどと言う自殺行為をやってるてのか?

空非さんなら、心配ないか…

無理上むりじょう 空非あきひさんはこちらよりもあちらの世界のほうに近い人だ。

だからこそ、暗道とも気が合い打ち解けている所がある

しかし、彼自身を侮ってはならない

少なくとも自分が知る中では【最強のハッカー】だ。(自分が知っているハッカーは空非さんだけだが…)

彼にかかれば警察の機密じょうほうからノートに書かれた切れっ端の事実まで捜索可能という神憑りな人だ!(情報流通ルートは主人たる暗道にすら秘密であるらしいがどうやらあちら側の力を借りてやることが多いらしい…)

ちなみに、暗道は多分、空非さんのこと恋愛対象として好きだと自分は見ている。

「そうか!それなら安心だ。暗道!自分たちはどれくらい逃げ回ればいい?」

『大体二十分は必要ね…苦導【くどう】にも協力を要請しておけばいいかしら?』

「あぁ!お…

ズドーーーーーーーーーン!

      …危ない!」

さっきまで隠れていたたこ焼きの屋台は粉々になっている。

ちなみにあそこには廃人もいなかったので少しホッとした。

「暗道!これ以上の会話は無理そうだ!いつまで、逃げればいい?」

『少なくとも30分は調査でかかりそうだから…それくらいは時間稼ぎして』

「わかった!」

『精々、生き残りなさい♪』

自分は電話を切り後ろを振り返るとここでやっと、相手の乱れた黒長髪から瞳を確認できた

その色は…

「…あれじゃあ、廃人ですね」

殺目の言う通り廃人のようなに目は濁った色の瞳をしていた。

自分はその後、すぐに彼女の右手の異変に気づき遅かったことに気がつく

右手にはたこ焼き屋の変形してしまった鉄板が指にめり込まれて持ち上げられていた。

「ありゃ?」

「危ないです!藪危先輩★」

「お兄ちゃんはダメだな~♪」

二人はいつの間にか自分の手元から離れ

右から二人で自分を押す形になり

自分を洗面所と非常階段のある方に押し込んだ

破壊という破壊が

衝撃という衝撃が

店内に響き渡る

ちなみに今ので自分が逃げ道にするはずだった南口の強化ガラス自動ドアは完膚なきまでに破壊された

「まずい!」

こういう危機的状況に慣れている俺はこの後の展開が読めた

危険を察知した建物…いや、大型デパート【デルックスン】は警報が鳴ると自動的シャッターが静かに自分たちの退路を絶った!

「あれ★」

「あはぁ♪こりゃあやられちゃったね♪お兄ちゃん♪」

「くっ!」

夢道だけならあの速度で降りるシャッターから脱出できたかもしれないが自分と殺目では不可能だ。

ここに首吊魔がいてくれれば!

いないヤツのことを考えても意味はないことは重々承知

自分はとにかく、あの訳もわからない怪物から逃げるため二人の手を引き非常階段へと足を進める

あれでは、もう【狂人】というよりも【怪物】だ!

あの目からして多分、彼女は殺しているっという感覚すら多分ない!

何とかして、会話のルーツを掴まないと自分たちは殺られる!

「無道!」

「はい★」

一応、無駄だと思うが聞いてみる

「彼女を停止…もしくは、戦闘不能に出来るか?」

「藪危先輩!わたしはいろいろと暗殺者としていろいろなパターンで彼女の暗殺をシュミレーション★して見ましたが…」

自分の悪い予感が当たっていれば

「どれも、通用するものがありません★」

くそ!やっぱりか!

自分たちは二階への階段を半分…ようは、折り返し地点にいた。

突然、殺目が手を離すと

「もう、こういう時に夢道先輩は落ちこぼれですね♪」

と自慢げに百禍に微笑むと赤いポーチから何かを取り出し下の階段に投げつけた

「どういう反応を見せるか楽しみです♪」

殺目が投げたのはなんとあの忍者とかが使うマキビシだ

「これで、よしです♪」

殺目を自分の手を取り直して

自分はそれを合図に二階へと走り出す

「あれ?今日は縫い針じゃないのか?」

そう、彼女の戦闘スタイルはそんな忍者道具を使うのではなく縫い針を使ったものなのだ。【使い方は後のお楽しみ♪】

「ちゃんとありますよ♪お兄ちゃん♪」

「あれは、どうしたんだ?」

「血毬さんが、【もしも、お兄ちゃんに襲われそうになったら使いなさい…】って殺目を哀れみの目で見て渡してくれました♪」

血毬さん…今度、自分のイメージについて話し合おう…【まぁ多分、殺目がいらぬ事を血毬さんに吹きかけたんだと思うけど…】

二階に逃げ込んだとき下から足に何かがめり込んでいくような音がした。

「チッ!」

殺目の反応からしてマキビシ作戦は失敗だったみたいだ

自分は即座に周りを見渡す!

ここ【二階】には、衣服品を中心とした者が置かれている

試着室や並べられた服の周りなど隠れる場所が豊富だ。

「! お兄ちゃんこっち!」

殺目が突然自分を引っ張ってリードを始める

さすがは自称【自分の妹】いい隠れ家を見つけたようだ…



自分たちはあるコーナーに逃げ込んでいた…

「…なぁ殺目」

「なに?お兄ちゃん♪」

「自分はひどく後悔している…」

「なにを♪」

「…殺目を信用したことを」

そう、自分たちは

          女性用の下着売り場に逃げ込んでいた

「…」

目のやり場がないし思考回路がうまく働かない

ようは、策が思索できない

「へぇ~以外、お兄ちゃんこういうのウブなんだ♪」

「…」

本音が駄々漏れですよ殺目

まぁ殺目のことだから、わざとだと思うけど

「藪危先輩!見てください!似合いますか★」

何か小声で興奮して自分に良からぬ絵図を見せようとするものが後ろにいる気がするんだが…

「おい!静かにしろ!百禍!見つかったら洒落にならないしそのブラジャーを早く戻せ!」

赤い大人なブラを胸に当てて興奮している百禍の姿に目を合わせてしまった

「…」

ドウヨウシテナイヨ?

「ちぇえ!藪危先輩、やさしくないです★」

「この状況でどう女性の下着で興奮しろと!」

「お兄ちゃん!」

小声で叫ぶ

何か会ったかと振り返ると

自分の胸に際どいブラを押し当てて

「てへ☆」

と言って殺目がいたので、

ポカッ!

と少し強めに頭をグー殴った

「痛いよ~お兄ちゃん♪」

となぜか少し喜ばしげだったのに心の中で少し引いた

しかし…この状況はかなりヤバイ!

自分たちから手を出す術がないというのはある意味、ゾンビから逃げる子供と変わらない

一応、無駄だと思うが確認!

「百禍?百禍の暗殺術で何とかできないのか?あの子?」

「…多分、無理ですね。やったら、その後はお陀仏です★」

「だろうな…」

となると殺目でもダメか…

二人とも近距離戦を得意とするためあのデタラメな攻撃では近づきようがない…

しかも、百禍が言うことが正しいなら多分、あの子には死角がないに等しいようだ…

普段なら自分の力で心の隙間を作り出すことが出来るが話すこともできないのなら通用しない。

なんとか、暗道には会話のルーツをたどってもらわなければ、全滅と行かなくても百禍以外は生き残れないだろう

ちなみに殺目の感覚ではさっき見た怪物少女はまだこの階にいるらしい

自分たちが身動きがとれず動くことのできない状態は自分の感覚が正しいなら10分はたった

「5分ですよ♪藪危先輩★」

「…」

どうやら、自分の思考回路はこの状況にうまく働いてないらしい…【てか、ほとんど殺目と百禍のせいだ!】

しかし、あと25分もここで過ごせる気がしない

「殺目?」

「何?お兄ちゃん?」

「あの子はもう去ったか?」

「…多分、まだ近くにいると思う」

そりゃあ、気が緩めない…

「!」

殺目の目の色が変わった

百禍もすぐに違和感を感じ取ったようだ

……タッ!……タッ!……タッ!…タッ!

…足跡が近づいてくる

心臓の心拍数を抑えるように心掛ける

足跡は自分たちの5mくらい前で止まったように思える

「1、5mです★」

そうか…てっ!!

ズドーーーーーーン!!!!!!

数秒コンマ前、百禍は自分と殺目の肩を掴んでその場から飛んだ。【相変わらずデタラメな体術だ…】

というわで、自分たちは無傷ですみ下着屋はあたかたもなく消し去った

「…」

まぁ、どうでもいいが…

…いや、助かったとも言うべきか?

不時着すると二人は自分の両手を握り

「逃げましょう♪藪危先輩★」

「お兄ちゃん!早く♪」

と言って走り出した。

相変わらず命の駆け引きに緊張観のない連中ばかりだな。この町の人は…

振り返ると、相変わらず生気の感じ取れない血まみれの少女が左手に背中が良からぬ方向に曲がった廃人の死体を引きずっていた。

なんと、まぁ…地獄絵図なことだ。

曲がり角を曲がるとその死体は自分たちのほうに投げられたらしく曲がり角に激突しグチャグチャに壁に死体がくっ付いていた。

中には廃人だけではなく一端の狂人も混ざっているようだ

…お気の毒に

「…」

正に15歳禁…下手したら、18禁の映像になりかえないホラー場面が展開されていた

しかし、やはり

「…あまり楽しくないな」

「?★」

やはり、リアルとゲームではゲームの方が自分は楽しいな…



「ハァ!ハァ!…」

「ダメですね!藪危先輩♪そんなんじゃあ、強い男になれませんよ★」

「…」

「お兄ちゃん…人工呼吸必「必要ない!」…残念だな♪」

今日はツッコミ死にしそうだ。

「…しかし、可笑しな話だな」

「何がですか★」

「百禍から見て隙のない人物なんて、相当なものだぞ…」

そう、百禍は何ていったって暗殺一族【夢道】なのだから

「そうですね…呪われた名の一族とかでわないですか?」

「少なくとも呪性の一族ではないと思うが…」

鬱蒔姫【うつまき】の刺客か?

にしては、手口が悪趣味だ

いや、彼女自身とても悪趣味な女性だが、このようなことはしてこないだろう…

「なら、呪名の一族の人ですかね★」

「そこらへんは、違うんじゃないのか?暗道も外部からの侵入者的なことを言っていたわけだしな…」

「…そうですか★」

さて、自分たちは冷静に話しながら紳士服売り場の周りを歩いているわけだ

「殺目!そろそろここらへんはヤバイか?」

「多分…そろそろこっちに近づいてくると思う…」

さてと、

ここまででわかっていることは、

①彼女のことが何一つわからないこと

②話が通じないこと

③空非さんの調査は時間がかかること

④隙がないこと

⑤人外的な怪力を持っていること

⑥スピードは一定ペースであること

⑦生命体に対してのみ攻撃行動をとること

「…まぁ、こんな所か」

「お兄ちゃん♪そろそろ、仕掛けないとこっちもヤバイ♪」

「…」

殺目の言うとおりこの状況は正直言ってヤバイ

一番問題なのは時間である

このままのペースで逃げ回った場合、必然的に時間が間に合わない

かといって、あの怪力にこのメンバーで立ち向かうの危険極まりない

「だめだ!殺目!ハイリスクすぎる!」

「…でも、このままじゃあコロされるだけだよ?藪危兄ちゃん?」

…相変わらず目力がハンパないな殺目は

「…しかしな」

「殺目ちゃんの言うとおりですよ。藪危先輩…ここで何もしなきゃあ終わりです★」

「…お前らなぁ」

まったくどうしようもない奴らだ

命の危険性が高い賭けに出るなんてやりたくのないことだがここはやるしかないようだ。

けど…

違和感がある

決定的なことを…彼女の何かを自分は見抜けていない気がする

「…嫌な予感しかしない」

「けど、仕掛けないとお陀仏ですよ♪藪危先輩★」

…そうなのだ

しょうがない…

自分は暗道に電話をつなぐ

「あ!暗道!今、集まっている情報をできるだけ彼女の身の回りのこと重点的にしてまとめて伝えてくれ!」

『…苦導の応援なしで殺り合うつもり?』

「ああ…あまり気が進まないがな…」

『! このゴミクズ!!もしものことが、百禍にあったら!』

…相変わらず罵声が絶好調でして

「ねぇよ!…多分」

『多分?』

…ヤバイ、この危機よりもこの後の危機のほうが自分には重大かもしれない

「大丈夫です!暗道先輩♪藪危先輩と共にデートを無事完遂して見せます★」

…デートって完遂するものなのか?

『…わかったわ』

どこに納得!?

『けど、百禍に何かあったらただじゃあおかないから…』

「…了解」

何とか納得させることが出来たようである…

てか、早くしてくれよ。

こちらはホラー映画に負けない怖い女が近づいてきているんだから

いや~このデパートがバカでかくて助かった…

なぜか、出入り口にのみ非常シャッターに備え付けられていたのには困ったが

『一応、今ある資料を私なりにまとめてメールで送信するわ』

「あぁそうして、もらえると助かる!」

『…ちなみに勝算は?』

「自分たちの見立てでは今のままではゼロに等しく自分の見立てではこの作戦の成功率もそれに近いと思う」

『…』

「危険になったら退くようには一応、忠告している!はっきり言って自分ができるのはそれくらいだ」

『ホント…頼りないにもほどがある彼氏ね…』

「この状況で頼られるようなことはあまりない人間なものでね♪」

「大丈夫です♪藪危先輩♪私はいつでも藪危先輩の味方です★」

「お兄ちゃんはいつでも、殺目の大事な人だよ❤」

「…」

二人とも黙っててくれ

しかも、ニュアンス違う気がするし

これだと

友達の少ない殺目の彼氏見たいに聞こえる

友達が少ないのは事実だがふせたいところだ…

『フフフ♪良かったわね♪ダメ人間さん♪』

「…何気に嬉しそうだな?」

なぜか、とても喜ばしげだ

『…えぇ、だって』

「?」

『百禍がとってもうれしそうにデートしているのだから…』

「…暗道」

『最後までデートを楽しみなさい♪』

「いや、無理!」「はい★」

『…一応、苦導にも連絡を急がせるから頼んだわよ』

「あぁ…」

…こいつに頼られたのは初めてかもしれない

『借り一つねぇ♪』

「…」

こういうことは何度もあった気がする…

『…それじゃあ、よろしく♪』

「了解♪」

プツ!…

さて、もうこの階の中を逃げ回るのは不可能だろうから(破壊という破壊により)三階に移るとしよう

「…よし!気が進まないが一つやりますか」

「大丈夫です!藪危先輩!わたしがいます★」

「殺目もいるよ♪」

「…」



こちらは、三階は電気用品売り場

いたる所に冷蔵庫、テレビ、洗濯機などの投げられれば凶器になるであろうものが置かれている

…四階へ行ったほうがいいか?

どのものも当たれば無事ですまなそうなものばかりがある

自分はふとケータイ売り場があることに気づき

二人の手を引きケータイ売り場へと逃げ込む

「…ここなら、ある程度大丈夫そうだ」

「無駄だと思うよ?お兄ちゃん♪」

「…」

一応、三階に向かう時はエレベーターを使い登りきったところには一応、剣山を仕掛けて置いておいた

「てか、何であんなもの持ってるんだ?殺目?」

「あれはね♪血毬おねえ「いや!いい!!」…」

あの人とは真面目に話し合わないといけないようだ

「藪危先輩…私も…★」

「…」

まさか、その手のもので俺から身を守るように暗道に

「お弁当持って来てます…★」

「「…」」

それってこの状況この場所この場面で言うの?

「じっ自分で作りました!」

「いや、さっきラーメン食べたいって言わなかったか?」

「二人分しかないから…」

あぁそういうことか

後ろから露骨な舌打ちが聞こえてきたが、あえてそこは見ていないことにした

てか、この状況のこの告白…

本当に百禍はこの死に直面した場面で緊張感のなさすぎだ

「…わかった。後で三人一緒に食べような」

まぁ、この方が百禍らしくていい

「はい★」

…どうも、自分はこの笑顔に弱い気がする

「ありがとう♪お兄ちゃん♪」

この笑顔には警戒が必要な気がする…(眼が笑っていない…)

さて、

「そのためにも頑張りますか…」

「やりましょう♪藪危先輩★」

「殺目も一生懸命お兄ちゃんのために頑張るよ♪」

…一生はかけなくてもいい



…今の状況を説明したほうがいいだろうか?

自分はあの後、暗道から届いたメールを一通り読み

相手にどういった揺さぶりをかけるのかを安易に考え

テレビ売り場の近くで待ち構え

今、彼女と対人している…

案の定、彼女は右手に液晶に指をめり込ませ上の部分を持ち左手には軽々と洗濯機を持ち上げて現われた

…液晶からは何か体に触れちゃあいけない様な液体が出ているのだが大丈夫なのだろうか?

確か、あれには触らないようにと注意書きが説明書にあった気がするが…(ちなみに液晶テレビなら家にもある)

向かい合う両者

一応、近くで百禍をスタンバイさせているので安全だと思うが嫌な状況だ…

「自分は…」

「?」

「自分は藪危って言うんだ。よろしく側背 南下【かわせ なんか】ちゃん?」

「…」

あまり、反応していないようだが聞こえて入るようだ

この反応なら十中八九、その本人で間違いないだろう…

よし、ここからが正念場だ…

できれば、そこらへんにころがるような少年漫画や少女漫画のように美しく綺麗に終わるような展開を期待したいのだが果たしてどうだか…

「あぁ、ついでに言うと苗字はあるんだけどそれは今日の場合は、言わないほうが良さそうだからそうさせていただくとするよ…」

間違ってもフルネームをいきなり言われてはい!bad end…的な展開は起こってほしくないわけだが…

「えっと…返事を返していただけると自分はありがたいわけではあるのだが…」

少し素が混じったが問題ないだろう…

しかし、

「…」

やはり、リアクションなしか…

「君について、自分なり調べさせてはいただいたけど…」

さて、始めよう…

「そうとう大変な経歴を持っていたようだね…」

自分の戦いというものを

「…」

体がわずかに動きその瞳が俺のほうを向くようになったように思える

ここで、あえてこの当たり障りのないコメントをしたのは相手が自分に興味を引かせると言う所にある

以外にうまく行ったのでよかった…

ちなみにこのような話術には答えなんてものは一つもない、一つ間違えればそれこそ今ある関係を崩してしまう…

ようは、今回は運が良かったということだ…

けれども…

「「…」」

ここからである…

ここでの自分の選択肢が全てを握っている

と言っても今回の場合、自分が持っている答えなど並大抵のものであってなんの捻りもないものなのだがそれが俺の心の中で引っ掛かる…

果たして、それが本当に答えなのか?

しかし、今回ばかりは迷っていられない俺は戯言ぼやく

「誰に傷つけられたんだい?」

出来るだけ優しく、尋ねる様に言う

「自分ならその枷を外せる気がするんだ…いい話じゃないかな?」

どうも、自分がこのように話すと詐欺行為をしているのじゃないかと勘違いされそうだが状況が状況なのでしょうがない

「もう、自分だけで背負い込まなくてもいいんだ…」

きれいさっぱり奇麗事を並べたわけだが果たして…

自分の予想は至極簡単

この少女…側背 南下ちゃんは【苛め】によりこの凶荒に及んでしまったというどこにでもありそうな社会の問題点みないな答えだと踏んだのだが…

「クックク…」

「!」

しまった!

自分の五感が全てを告げる

そして、その全ては

「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ♪」

その敗北を自分に告げる

ふい、液晶テレビと冷蔵庫が彼女の両手から解放され落とされるよりも早く

彼女の両手が俺の首に向かって飛んでくる

一瞬の出来事

その危機を瞬間的に察知するも反応速度が遅すぎる

「くっ!」

「キャハ♪」

彼女の両手に首を締め付けられる形で地面へと押し倒される

「!#$?」

首を締め付けられているため声が出ず後頭部の痛みと首の痛みにもがく

「どうせ!!」

自分は彼女の突然の言葉に出来るだけ耳を傾ける

「だれも、わたしのことをわかってくれないんだ!みんなそうやって、わたしを困らせるんだ!」

「!」

ここまでの賭けに出て何も得られないかと思ったがそうでもなかったようだ

どうやら、彼女には相談できる…もしくは、相談に乗ってくれるような人物がいたようだ

しかし、

「~~!」

どうやら、自分の聞きだせることはここまでようだ

自分は、力を振り絞り両手を数回床を叩く

そう、ギブアップの合図だ

一回叩くなり後ろから飛び出す影が見える

そこに移る人物はマウンドポジションで首を絞める側背に対して思いっきり回し蹴りを首にくらわせた

警戒心が薄れていたのか思いのほかすんなり受けてくれたようで彼女がコンクリでできたであろう壁に激突したのを見届けた

「藪危先輩!!」

「…」

やりすぎだろう!とツッコミたいがその元気もない…

相変わらず涙の似合わない顔をしている女だな…百禍

「~~~%$!」

「…」

何か叫んでるみたいだが今の自分にはさっぱり聞こえない

やばいな…帰ったら百禍を泣かせた事で暗道に殺されそうだ…

まぁ

「…」

「!」

自分の意識もここまでか…




ここで死んだら、この物語は終わりなんだろうか…

いや、実際こんな物語は終わるためにあるんだろうと自分は思う

他人殺してまで美学を守る男

狂心に心を置いてしまった少女…

こんな話が続いていい話などあるはずがない

二話にしてこんな主人公が死に直面【いや、すでに一話目でも殺されかけてはいたが…】する話などまともであるはずがない

走馬灯…だろうか…

自分は二階の窓から夕日を眺めている

…続く退屈

…続く悲劇

…続く惨状

失うことばかり続き守れるものはなく

守らなかったが故に守られなかったものがある

ふと、目の前を見上げると一人の女が睨みつけるように自分のことを見下ろす

机の上に椅子を置きその上に座り自分を見下ろすその人物は言う

「わたしはあなたのことが大っ!嫌いです!」

あぁ、そうか…これはあの日の自分か…

彼女もそうだったがあの時の君もそうだった

あの時の君も自分にそう言ったんだ…

だったら、なんで

                      …殺してくれなかったんだ?




「やっや!」

涙交じりの声が自分の頭の中を廻り俺の回想を終わらせる

眼を明けるとやはりそこには、涙が一番にあわない

「笑えよ…百禍…」

大きな瞳の百禍がいた。

「藪危先輩!」

「すまんな…」

うっすらとだが意識が戻り自分は上半身を上げる

どうやら、膝枕されていたようで後頭部にぬくもりが残っている

自分は「迷惑かけた」と百禍に言うために頭の角度を傾けると

ガン!!

鈍い音が響き渡る

ちなみに何があったかというと自分の左頬が百禍の右ストレートをくらったわけだ…

痛い…

下手したらさっきの首絞めのほうがまだましだった

気を抜いていたから痛いというのもあるだろうけれども…やはり、暗殺一家の末裔…

もう少し手加減してほしい

「手加減なしなら死んでますよ♪藪危先輩★」

もしくは平手であってほしい

「頭吹っ飛びたいですか★」

どうやら、そうとうご立腹のようで冗談が通じなさそうだ

今、軽率な行動をとれば本当に殺してくれそうだ

「藪危お兄ちゃん♪」

…ヤバイ!今、後ろを向いたら殺られる気がする!

と言っても後ろに張り付いた状態でいるようで振り向かなかったら多分、

自前のマッチ針で殺されるだろう…

自分は覚悟をして振り向き

殺目のアッパーを甘んじて受ける

…マジで痛い

何もグーで殴るレパートリーを増やす必要はないだろうになぜか、自分の周りの女性は容赦ない

「藪危お兄ちゃん?殺目にごめんなさいは?」

最後の方のすごみがありえない気もしなくはないがここは正直に

「すまなかった」

土下座で誤る

「…」

何ともプライドのない限りだが、今回は少しやりすぎた。



まぁ、何がやりすぎたかと言うと実際の作戦は見てもらったとおり交渉にあるのだが…

実際問題、自分はこの作戦は失敗すると踏んでいた

その時点で二人には猛反対を受けていたのだがそこは何とか押し通した

その押し通すのにも決め手としていたのが情報収集にある

二人には自分が合図を出すまで絶対に手を出さないと頼み

自分は出来る限りの情報を手に入れようと目論んだわけだ…

なんらかのアクションをしてくれると踏んでいたにしろここまでだとは思わなかった

しかし、ここで命を張って出ていかなかったらこの貴重な情報を持ち帰ることが出来なかったのだからよかったと言える

なんとなく、彼女の周りの環境についての情報を手に入れることはできた

しかし、決め手がたりない…

もう少しで答えが出掛かっているのだが答えが出ない…

しかし、深く考えていられるほど悠長な状況ではない

ちなみに言うと自分たちが潜伏している階はすでに五階とほぼチェックメイトをされたような状態…

四階で殺目が粘ってくれていたようだがもう限界だったらしく

直前で姿を暗まして撒いてきたくれたようだ

しかし、殺目曰くはそんな持たないだろうと言うことだ

正に絶体絶命…

さっき、死んでいたほうが楽だったかもしれない位に疲れるような状況…

「…ここまで来ると、笑えて来るな」

と頼みの綱を立たれてうな垂れているとケータイから突撃ラッパの愉快な騒音

「…」

そうか…

「ああ…ここで登場とは…さすが、空気を読んでくれる人だぜ…苦導」

さて、こっからはどうやら我ら仲良しグループ【不可思議】の戦略家のご登場らしい

彼女のからの電話が来たと言うことはこの悲劇の先が見えてきたことになる

ここからは先はもう彼女の物語であり彼女の土俵だ

さて、始めてもらいますか…

この物語の幕引きを!



ピッ!

「苦導か?」

『苦導か?…とは、着メロがなっているであろうに無粋すぎる質問でありあまりにも吾を失望させるような質問だねぇ♪藪危よ♪今の貴様の存在価値を点数で例えられるのならば零に等しい…♪』

「…相変わらず調子良さそうな罵声だな」

『何を言うか!女二人をたぶらかし女性用下着売り場に潜伏する変態にそんなこと言われたくない♪』

「! あれは!」

『しかも、愚考にも吾と話をつけないまま未知の勢力と戦うとは…地に落ちたようなものだぞ?藪危…』

「…いや、今回は二人もいたからさすがに時間はかけられなかった」

『…まったく、貴様と言う男は…百禍には甘いのだからなぁ…』

「…」

この会話一つ取ると、男同士の会話にも聞こえてくるかもしれないが彼女…

苦導 戦掛【くどう せんか】は正真正銘の女性だ

どういう人だと聞かれると

左目に眼帯体中に包帯に上着に学ランを着てなぜか赤いミニスカと奇抜性あふれるファッションの女性だ

闇里死の参年Y組所属で二つ名は【終わらせ屋】

彼女の前ではどのような真実が霧に隠されたままであろうとも隠されたままで終わらせられる

…用は彼女は探偵ではなく終わらせ屋なのだ

全ての真相を明かすのが探偵なら

全ての真相を掴まずに必要な真相と霧隠れした真相を嘘で隠すことだけを生業とするのが終わらせ屋

時にはクリーンに事件を解決させ

時にはダークに真相を掴まないまま終わらせる

彼女に言わせれば

【真相は必要ない!必要なのはそこにあるべき都合の良い答えだけだ!それだけが、吾等を守ってくれる…!】

さて、ここまで言えば彼女の人柄についてはわかっていただけただろう

そう、なごやかに人を説明している時間はないのでここまでにさせてもらう

「でっ?苦導はいい策を見つけたのか?」

ちなみに言っておくと苦導はさん付けすると激怒するので注意が必要

『愚問だな!この吾が貴様ごとき矮小生物に電話をかけるときには既に全てを都合であわせて貰った!』

「と、すると?」

『まぁ、今回は吾のお好きな嘘よりは貴様がお好きな真実に近い形になってしまったがな♪』

「…そうか」

確かに自分にとっては都合がいい

『仕上げが必要だがな♪』

「仕上げ?」

『貴様が手に入れたという情報を寄越せ!さすれば、真相はさらに確実なものへとなる!』

「相変わらず強引な言い方だな…」

『ちなみに、吾は猫パジャマでベットの上で着崩れして寝っ転がってセクシーポーズを決めている所だ♪』

「…そうか」

『む!貴様!暗道より反応が薄すぎるのではないか!藪危!』

「いや、あまり変わんないと思うけど…てか、あいつがそんなことしてる時点で家に爆弾どころか原爆投げ込みたくなる気分になるし」

『…どんだけ、貴様らは犬猿なんだ?』

「月が自分ならスッポンが暗道だな」

『…そこまで、他人を貶す主人公など貴様ぐらいだと思うぞ?』

さて、明らか襲われてる状況ではない会話もここで終わらせた方がいいだろう

てか、どこぞの話で危機的状況にて冷やかしを飛ばしあうものがいるだろうか?



なぜ、間を空けたのか?と聞かれるとそれは自分が彼女に事情説明その他もろもろをしていたからだ

さすが、文字数も前回を飛び出してしまいそろそろ二部に分けていいのではないか?という所になりそうだという理由もある

まぁ、その後に苦導からスペシャルな策をもらい実行に移すという所にまで来ている所だ

『しかし…百禍よ…』

苦導は心底情けないと言わんばかりの声で言った

『貴様ならその側背という人物がパニック状態の内に殺せたのではないか?』

確かに彼女は自分を襲っているときは通常時よりはるかに無防備だった

「すいません…わたしは無我夢中で藪危先輩を助けていたので…★」

「…」

『中々熱々じゃないか♪藪危♪嫉妬するぞ♪』

絶対に自分の顔は真っ赤になっていると思う

「殺目は頑張って殺そうとしたけど、百禍先輩の攻撃のせいで警戒されてダメでした♪」

と舌を出して『てへっ♪』とする殺目

『切り替えしが早いのか…中々、手ごわい相手になりそうだな…首吊魔【くびつりま】をそちらに向かわせたが間に合わないだろうな…』

【理想自殺者】首吊魔 吊香「くびつりま つりか」…

確かに彼の力と夢道の力があればこの場を解決には至らなくても回避できたかもしれない…

まぁ、この前と同じだがいない人のこと思っても意味がない

『それでは、策は渡したから後はお前たち次第だ!一つ注意事項を言っておくなら…藪危』

「? 何だ?」

『相手を救おうなどと世迷言は考えるんじゃないぞ…その意味は貴様がよく知っているだろう…』

「…あぁ、そうだな」

確かに自分は嫌と言うほどわかっている

『まったく!私の猫パジャマ姿に興奮しないなど死罪に値するぞ!藪危!』

「…苦導のことだから、どうせ、学校に残って粛逝委員(しゅくせいいいかい)の書類の片付けでもしているのだろう?」

粛逝委員とは学校の殺しや風紀を取り締まるといった目的を持った闇里高校特有の懲罰部隊組織である

ちなみに苦導はそのトップ

『ムッ!まったくからかいがいのないヤツだな!藪危は…まだ、首吊魔の方がかわいいぞ♪』

「生憎自分はそういう空気は読めないもので♪」

『それだけ元気があれば大丈夫だろう♪まぁ、吾のような人間が貴様の心配をすること自体が可笑しいのかもしれんがな♪』

「そんなことはないさ。自分は現にさっき死にかけたしな」

『だが、死ななかっただろう?』

「…」

『まぁ、警戒を怠るなよ♪荒餓鬼の人間も偵察中に殺られたらしいからな♪』

「…マジか?」

それは、それは命知らずな…

こんなことなら逃げることだけに徹していた方が楽だったかも知れない…ひょっとしたら、ほっとけば5階来るまでことが終わっているかもしれない

まぁ、

『浅さかだな♪』

「…」

『フフフ♪まぁ、ここらへんで吾は失礼させてもらおう♪後の報告は頼んだぞ♪藪危♪』

「…了解」

ピッ!

さて、こちらも反撃のための準備をしますか…



才能というのはあれるだけあればいいものではないらしい…

才能はある分だけ人は苦しみを味わうらしいが

自分にはその感覚がよくわからない

欠点でできている自分にとっては一つの凡才、一つの才能が羨ましいものだ

こういった感覚はその手で言われる天才にはわからないものなのだろう…

もっと、言えば自分のような人間にとって彼らの悩みはわからないものなのだろう…

狂人と天才…

この違いはどこにあるか?

そんなものは明白だ。自分たちが狂人であり天才は普通にその周り人が認める力のもつものたちなのだろう

天才は人に求められるが

狂人は人に求められない…

この二つの境界線に大きな壁がある…

なぜ?このような話を自分がしなくてはならないのか?と聞かれると理由ならある

苦導の言う推理が正しいなら

彼女は天才でありながら狂人なのだ

いや、天才であれたのに狂人になった…

そういう意味では、彼女は誰よりも色濃く狂人であるのかもしれない



「今回の相手は一段と理解しがたい相手ですね★」

皮肉まじりにそう言う百禍に

「まったく持ってだ…」

と真剣に答えることしか出来ない自分…

まったく持ってスッキリしてもクリーンになってもグリーンにしかなってくれない…

苦導が言うことが正しいならこの事件はそう言った類の事件だ

「殺目はお兄ちゃんのために邪魔者を消すだけだよ♪」

殺目はルンルンしながらポーチからマッチ針を何本か取り出す

「時間の清算は取ってももらわないと困るもんね♪」

どうやら、思った以上にこの状況は札目をイライラさせていたらしく殺す気満々である

さて、引き伸ばしすぎるのはあまりによくない展開だ…(自分の場合)

下手したらこの中の二人…もしくは、まったくの部外者が殺され終わらせられるという展開にもなりかねない

多分、察するに今回のオチも誰かが死ぬことになるだろうということだけはわかる

「…」

本音を言えば誰も死なないでほしいのだが…

そんな甘い展開が

「用意されてるわけがないか…」

「?★」

さて、粗方の準備は整えた後は

「…迎え撃ちますか」

「「お~♪(★)」」

「…」




私は考えていたさっきの男のことについて

考えていたら胸が焼けるくらいの怒りがこみ上げてくる

しかし、その感情が出る前に今の私には

「クックク♪」

笑い声が

「ハァ~ハァハァハァハァ♪」

込上げてくる

そして、泣けてくる

なんて、悲惨なことだろう

ここまで、開放された私であるのに誰も私のことを理解してくれない

家族も…教師も…友達も…アノ男も!

なんて!なんて!ふざけた世界だろう!?




5階は映画館・・・だったと言うのが精確だろうか?

あちらこちらにあったテーブルやイス…おまけにレジから一部の壁や柱まで壊せばそこはほとんど何もない空間だけが残る…

まぁ、百禍の仕事の手際の良さはすごい

必要な柱を残してほとんど壊してしまった

さて…これで彼女が投げられるものをなくすことができた

万が一柱を投げ道具にしてきた時はどうしようもないがその点は妥協点であろう…

ここまでは順調…後は自分の技量が問われるわけだ…

また、命を懸けなければならないかと思うと苦い思いしかないが

「…生き残るためにやりますか」

周りの空気は異様にやわらかい

まるで、ここではデパート内で暴れまわる化物と不幸の性を持つ自分との戦いなど行われることを予想もしていないようだ

少しずつ空気が変わる

静かな殺意…秘めた怒り…

今なら、感じることができる彼女が秘め続けた狂いを…

しかし…それはやはり自分のようなものではわからない気持ちだ

だから、しっかりと言おう

「すまなかった南下ちゃん…自分は君を傷つけてしまったようだ…」

これだけはしておこうこの後に何が待ち続けていようとも

「…」

「けどね?南下ちゃん…君はやりすぎた…」

「…」

彼女の両手は人の首で埋まっていた

「だから、言わせてもらうよ…君は…


      褒められることが苦しかった…その程度のことで人を殺した殺人鬼…なんだね?」


そう…

彼女の人を殺した理由は

復讐…ではなく

快楽…のためでもなく

褒められることの苦しみをわからないものへの報復…

なんとも…悲劇過ぎる事実…

狂凶校長なら多分【賞賛苦痛者】などと言う二つ名を与えるのであろう

しかし…何とも…

「悲しいことだね…そんなことでも人を殺す理由に…狂人になることになるなんて…」

「…」

「自分はいまだ理解できないんだ…もしかしたら、真実は違うのかもしれない…自分は君の口から真実を知りたい…」

「…クッククク♪」

「?」

「アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハ♪アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ♪」

笑う…

とても無邪気に生まれたことを知った赤子のように

彼女は高らかに笑う

「やっと!」

「…」

「やっと気づいてくれる人がいた♪」

「…性格にには自分の友達の苦導だけどね」

好奇心溢れるその瞳はまるで初恋を楽しむような少女の眼だ

「ふぅん…じゃああなたを殺せばその人に会える?」

「…どうかな?」

そこまで、友達思いであるとは思えないが…

「じゃあどうすればいい!?もっと殺せばいいのかな?もっと酷いことをすればいいのかな?」

「…」

何とも無垢なんだろ…

「この町にはね」

「?」

「法と言うものはないけど法則とも言える力のバランスがあってね。それがこの町を支えていると言ってもいい」

「何の話?」

明らかに話をそらされて怒っているようだ

「君はその一つに喧嘩を売ってしまったんだよ…」

「…」

「荒餓鬼に…鬼の監視者たる荒餓鬼に君は喧嘩を売ったんだ」

「?」

「わけわからん…って顔してるけど大丈夫…多分、三十分も生きられればその恐ろしさがわかるよ」

「…」

まぁ、ここで荒餓鬼の一族について語っても悪くはないのだが長くなりそうなのでここでも省かせてもらおう

「今の君にはもう先は一つしか道はない」

「…」

「もう、やめてくれないか?これ以上は無駄だって自分は言ってるんだ…」

「…」

                 もう終わりだ

「…」

「…」

「だから?」

「…」

「アハハ!だから♪~?」

「…」

「よくわからないけど、壊しちゃえばいいんでしょ?」

「…」

「今の私なら何でもできるんだよ♪壊すことも♪潰すことも♪」

「…やめてくれないのか?自分なら君を救えるかもしれない」

そう、自分たる【悪運運送車】なら

「今よりはきっと希望があるはずだ…」

「アハ♪で?」

「…」

「私に何してほしいの?」

「やめてほしい…こんな自分すらを傷つけることは…」

「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ♪」

今度は気が狂ったように笑う

可笑しい様に…

この世界の全ての歯車を可笑しすぎて笑うように

「…」

                  嫌だ♪

それが彼女の選択

「そうかなら、ごめん…死んでくれ…」

それが自分の選択

お互いが退治する

戦闘力一万を超えそうな少女

戦闘力0の悪運運送車が

まぁ、やることなどはもう自分にはないのだが

君には自分の自己満足に付き合ってもらおう…

「ねぇ、南下ちゃん…」

「?」

「君は

やっぱり

                かわいいよ♪

褒めることはいい

他人にも自分にもそれは優しいもの

まぁ、自分の場合は自己満足のために言うものだからそれはあまり褒めると呼べないものなのだろう…

歪む…

静かに彼女の顔が

空間の空気全てが

全てのありようを覆されたように歪み

その顔は苦痛のものへと変わる

「う…」

「…」

「うぁああああああああああ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!」

苦痛なる悲鳴

悲鳴なる轟音

全てはそれに包み込まれ

5階にあったほとんどの窓ガラスを破壊する

自分は意識を彼女に集中することによって何とか耐えたがこれはつらい

もしこの声があと数秒続くようだったなら自分は失神して倒れていただろう

しかし、この声のせいで自分の足も体も動かない状態に

「絶体絶命か…」

笑えない…何度死にそうになれば自分は学習するんだか…

「死ねぇ~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!」

両手に持っている生首をありえるのかという速度で投げてくる

応戦する術は自分にはない

そう、自分には

「アハ♪ダメですよ♪藪危先輩には誰も手を出させません♪」

百禍の突如横からの介入により生首は二つは百禍のドロップキックの餌食に

「キャハ♪お兄ちゃんを苛める輩は殺さなきゃ♪」

天井から現われた殺目は自分の目の前に現われ

自分の手の中に隠し持ったマッチ針を相手の目に目掛けて放つ

百禍がドロップキックで生首を破壊し目の前を通り過ぎる直後に投げられるマッチ針

すばらしいくらいの連携プレイ!

…やっぱり、何だかんだで二人の仲はいいのだろう

気を抜いた…というのが正しいのだろうか?

彼女場合は興奮状態にあったためと言うべきだろうか?

警戒心の薄れた瞬間の攻撃に彼女は対応し切れなかった…




「ギャア~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

痛い!

暗い!

見えない!

わからない!

わからない!

わからない!

なんで、私が

私が

この私が

こんな目に!

むかつく

いらつく

はらたつ

コロス!




「ギャア~~~~~!!!!!……アァ…アァ…アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

バカな!

殺目の一撃は確かに目に届き普通なら動けなくなるはず!

呪いを受け継ぐものなら理解したくないがわからないにしろなぜ!?

「アッアッア…」

立ってられる?

「アアアア…~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~#%&$%#?*+><|~=‘&$#$“$」

声にならない悲鳴が響き

その手はまた、あの時のように自分の首に狙いを定め飛んでくる

殺目は彼女の飛んでくるからだの衝撃を体に受け地面に叩きつけられ気絶する

百禍が叫ぶ

「藪危先輩!」

自分は必死に体に命令する

動けと逃げろと

しかし、その体は動かない

顔を上げると

すぐそばに彼女の…側背 南下の顔が

その顔には

血の混じった大粒の涙が見えた…

あぁそうか…

自分にはわからないけど、君はとても誰が思ってるよりも苦しかったんだね?

「…ごめん」

わからない感情が込み上げ自分の涙腺が緩くなったのを感じる

「せんぱ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~い!★」

その時の百禍の悲痛な声はただ自分の耳に届かなかった

ただ、彼女の手が自分の首に届き

その手で自分の命を

            「愉快なことね♪」

透き通るような声が5階に響く

気がつくその人物は止まった5階へと続くエスカレータを上がってこちらへと向かってくる

…このタイミングかよ

何だか、今日はいろいろと展開を裏切られるようなことが多い

苦導と言いお前と言い…

「おせぇ~んだよ!暗道!」

笑いがこみ上げる

相変わらずお好きなファッションの黒のローブ姿

「お楽しみ中にごめんね♪ゴミムシ♪そのまま、性行為にでも移行する所だったかしら♪」

「…」

相変わらずふざけたヤツだよ!お前は…

「暗道先輩…★」

「ごめんね…百禍…そこのゴミムシの不甲斐無いばかりにあなたを悲しませることになってしまったわ」

百禍に微笑むと自分の顔を見て鼻で笑った

「後で、二人でそこのゴミムシをお仕置きしましょ♪」

「はい★」

二人の会話から自分がわかったことは今日は肋骨一本も残らずに帰るハメになる可能性が高いということだけだ

「…」

自分の首にあった手が離される

「何?あなたは?何なの?邪魔者なの?」

「!」

気配でも感じるのか?

彼女は新たなる来訪者に対してさっきまで失っていた冷静さを取り戻していた

しかし、それは同時に

「…」

自分たちの勝利の道が狭まったことを意味する

いや、負けるはずだった

暗道が来なければ

「まったく…暗道…お前はただでさえ反則かつバグキャラなんだから黙って黒子になってろよ…」

「あら?この私がここで出て来なければどっかのゴミムシは潰されていたんじゃなかったの?」

「…」

今回ばかりはまったくもって言い返せない

「はぁ…恥ずかしい限りだよ」

「恥じる心があるのね♪」

「生憎、暗道のような心優しい気遣いに気づかなかったことに対してだけどな!」

間違いない!この野郎は数分とは言わずとも数秒前にはいやがった!

「楽しかったわ♪あなたの不甲斐無い姿をじっくり観察するのは♪」

悪趣味だな…

「私を無視するな!!」

側背 南下…

彼女は静かな殺意を暗道に向けた

その姿をどうでもいいように眺める暗道

「一つだけあなたに言っとくわ…」

「?」

「そこの男はね…」

おっ?愛の告白か?と言った展開はやはりこの物語には似合わないしありえない

「私の獲物よ!それは紀元前からも決まっていることだしこれからもそうであるの♪」

「…」

「このゴミムシを殺す権利は私にしかないわ!それだけは百禍にもゆずれない…苦しめることも苛めることも罵ることも傷つけることもゆるしてあげるだけどね…


             殺していいのはこの私だけなの♪


それが、私の復讐でこのゴミムシの相応の報いなの♪」

「…」

「わかっていただけたかしら?賞賛苦痛者さん♪」

「…うざい」

「?」


「あんたはうざい!!」


履き捨てるように叫ぶ彼女

「あんたの言い方やあんたの話し方はうざい!何だ!?その話し方!舐めてるのか!まるで、誰もがそれを理解してなくてはならないようなうざいような言い方!あんたの全てがうざい!」

「あら?そうかしら?あなたの存在のほうがこの場合はうざいんじゃないの?たかが二話目にしてここまで話を長引かせてあろうことかあなたの話の長さゆえに下手したらこの話は前編、後編に分けようかな?と作者に思わせてしまうようなあなたの存在ことこそがここで議論されるべきうざさではないかしら♪」

「~~~~~!」

「それにあなたでは私に勝てないわ♪だって、


            あなたは弱いもの♪


「うぁ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!」

叫びながら彼女の首目掛けて爪を突きつけるように突撃を始める彼女

しかし、そんなことは今は重要じゃない

大事なのは自分たちの命の暗道の名前から守ることだ

自分は叫ぶ

「耳を塞げ百禍!」

百禍の方がいち早く耳を塞ぎ

自分も塞ぐ

その直後にその呪いは紡がれる

「××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××××」

長い名前ではないのだがその名はながく感じた暗道が持つ呪名の力

それが解き放たれる

一撃、その程度で今回の件の事件は解決へと向かう

一瞬にして彼女の腹へと移動した暗道は軽く…ほんの少し手のひらを彼女の腹へと突き出す吹き飛ぶ彼女…

側背 南下は一瞬にして壁へと吸い込まれるようにぶつかり

その動きを止めた…

静かに静けさが激戦の終わりを告げる

激戦だったのだろうか?暗道の存在は彼女の強さの証明さえも奪っていった

まったく、おいしい所取りにもほどがある

暗道はしずかに笑うとこう告げる

「終わり♪」

それが、今回の終わり…まぁ、でもなかったんだけど…




何で?

何で?

何が悪かったの何が?

何が?何が?何が?

何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?何が?


        …何が?




「どうしたの?そんな立てない足に頼るよりは私の手に捕まったら?」

「…」

お互い死ぬほど嫌な行為だろうに今日の暗道は快く手を差し伸べてきた

「あなたの惨めなの姿は最高ね♪」

「…」

すごい悔しい…

しかも、むかつく

「…」

その手に捕まってやる

後で、【あの時なんで、あんな哀れなことをしたのだろう?】と後悔にさいなまれることを切に願ってその手を握った

「しかし…大変なことになったわね」

「?」

「これで、三話目は十ページ程度の短いお話…みたいな展開を組み込むことは難しくなったようね…」

「…そんなことはないと思うけどな…あの人ならやりそうだ…」

「「…」」

「何の話をしてるんですか★」

と無邪気な百禍が突然迫ってきたので

「「ヒミツだ(よ)」」

二人合わせてシンクロしてしまった

あまりの不快さに

二人の間にクロスパンチが飛び散った



「~~~~手加減しろよ!暗道!」

「あら?あなたはか弱き女性に手を出す不当な輩に優しくしさいと?」

「自分が優しくないのはお前にだけだよ!暗道!」

「あら?奇遇ね♪全力で他人をパンチすることができるのもあなたにだけだわ♪」

「さりげなく自分を他人に部類してるんだな!暗道」

「いえ♪あなたはいつでもゴミムシよ♪」

「…★」

言い合う自分たち

「!★」

「大体、暗道!お前はいつも「藪危先輩★」?」

「どうしたの?百禍」

叫びだす百禍の指が刺す

その方向には壁に叩きつけられ既に気絶してるはずの女性が立っていた

「「…」」

「おい!暗道!」

「何よ?」

「気絶させたんだよな?」

「きっちり殺したはずよ!」

「…いや、殺すなよ!」

「あいかわずあなたは激甘なのね…」

ため息を疲れてしまった

「じゃあ、本題に入るか暗道…なぜ、彼女は…側背 南下ちゃんは立っているんだ?」

「さぁ?」

「「「…(★)」」」

「…」

なんだかわからないがあまりよくない展開…っぽい

突然、突撃にかかる彼女のターゲットはやはりと言うのが正しいのか自分

「!」

「藪危先輩★」

「バカね…」

暗道が突き飛ばしてくれたおかげで突撃を回避する

彼女を突撃は止まらない

狙いをさだめるかのようにそこへと向かっていった

向かっていった先は

「!」

壊れたガラス窓

ここで、やっと自分は思い出す

このデパートの5階はなぜかガラス張りの壁が一つだけなぜかあるのだ

割れたガラス窓

そこへと広がるのは

「~~~~~~~~!」

無意識のうちに自分は叫び

彼女の元へと走っていた

何を叫んだのかはわからないが多分彼女の名前だったのだろう

しかし、弱っているとはいえ彼女の足に自分の足が追いつくはずがない

彼女は徐々に近づき

その体は空へと投げ出される

自分は右手を伸ばし走る

近づく距離

その距離…1m未満

思いっきり右手を伸ばそうとしたところで

ふと、気づく

伸ばされた左手

二人の目が見つめあう

潰されたはずの両目から血の混じった涙が流される

混じり気のないきれいな涙が…

手は届かない

どんなに伸ばして距離を縮めることはできない

ふと、

「藪危先輩!!」

左手を引かれて意識を取り戻す

見上げると自分は百禍の両手に左手を握られてぶらさがっていた

落下していたのだ

彼女を助けようとして自分も一緒に

いや、自分をも助けようとして彼女と一緒に

百禍の大きな瞳に大粒の涙

「もう…やめてください…」

「…ごめん」

ホント…自分はバカな人間だ…

あれほどまでに苦導に忠告されたのに

また、同じように傷つこうとしている

「…ごめん百禍」

ただ、その時の音は忘れてはならない気がした

下で響く音にならない人の命の途絶える響き

その音は自分の頭の中で数秒間ひたすらにこだましていた…




何で?

頭の中に響くその音と声はどんどん小さくなるのを感じた

その時、光が見えた気がした…




「側背 南下です!よろしくお願いします!」

最初は変わらなかった

拍手喝采で招かれた学校と言う交流空間

そこに私の居場所ができるのだとそう自分が言うのもなんだが確信していた

しかし、そんなうまくなどいかなかった

「かわいいね南下ちゃんは♪」

かわいい…その言葉が嫌いだった

親はひたすら、そればかりを言う

褒めて褒めて褒めて褒めて

私は一度もそんなこと求めていない

そんな言葉など聞きたいと言った覚えがないのにその言葉で何度、私を悩ませられた

…正直な所、学校でも何一つ変わらなかった

褒められて褒められて褒められて褒められて

褒められるだけ…

誰一人私をわかろうともせずただ私のことだけを褒めていた

頭がいい…

物覚えがいい…

何でもできる…

何をしたって失敗しない…

そして、無いよりも

    かわいい…

苦痛だった苦しかった

理解できなかったわからなかった

わかりたくなかった知りたくなかった

そんな言葉で私のことを理解しようとする人々がわからなかった

そんな日々はずっと続いた

そんな日に終わりは来ないのだろうと思っていた

けれど、終わった

終わることができた

彼女がいたから

彼女が向かいに来てくれたから

だから、私は解放されたんだ

自由を手にすることができたんだ!

そうして、私は私を見せることができたんだ

誰にも知ってほしい私を!

誰もが知らない私を!

私だけの私を!

そして私は血に染めた!

私のことを理解してくれなかった人々

教師を生徒をクラスメイトを…学校にあった全てのものを!

それなに、何でだろう?

あの時の涙は止まらなかったまるで何か取り返しのつかないことをしてしまったかのように…

ほんとにあの時私は…

         自由になったんだろか?




光が見える

手を伸ばしてみて私は気づく

あぁ…あの光には私の手は届かないんだろうな…ってことを

だって、あんなにきれいなんだもん

きっと、他の誰かがあの光を手にしているはず

きっと、幸せなんだろうな…

きっと、あの光を手にしてる人は幸せになっているはず

いいなぁ…なりたかったな…幸せに…

次、生まれ変われるなら私は多分

少しでも…

少しでも幸せになれる自分を望むんだろうなぁ…

最後に皆さんに聞いておこうかな…

ねぇ…皆さん


         幸せですか?




「…」

終わった惨劇終わった悲劇…

だが、自分への報復は終わることを知らなかった

「藪危先輩!立ってください★次はグーです★」

「私の言葉を聞いてたのかしらねぇ?あなたは?自殺なんてつまらない終わり方をしようとするなんて呆れてかえってしまってそのまま燃えるゴミに出したい気分だわ!…歯なんてくいしばんないで舌を出していなさい…今すぐ殺してあげる」

「藪危お兄ちゃん♪覚悟して♪」

いやぁ~…三人の女性に囲まれることがこんなにも息苦しいことだとは自分も思わなかった

「…なぁ?三人とも聞いてくれ…さっきの行動には深いわけが…」

「そんなことはどうでもいいです★」

「ええ、そうね…」

「覚悟してね♪藪危お兄ちゃん♪」

誰一人聞く耳を持ってくれない

「誰が助けてくれ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!!!!」

自分の悲痛な叫びはこの物語最大の悲鳴の長さを観測した




さて、後日談と言っても月曜日のことをここで二つ…

この話を語り終わるには必要不可欠であり

これが物語をきれいに閉めるものではあるのか?と言われると正直微妙なところである

物語自体が違和感で違和感的なものなのだから無理も無い

さて、一つは苦導との電話での会話だ

まぁ、重要ちゃあ重要であった気もするしまったくまって雑談でしかなかったと言えば雑談でしかなかった…

ピッ!

「苦導か?」

『だから、貴様はその程度の反応しかできない男なのかね?藪危?』

「…そんなわけではないと思うけど…どうした?」

『どうした?もないだろう?まったく…また、貴様はやらかしたらしいではないか♪』

やらかした…かぁ…

「確かにそうだな」

『まぁ、素直なこと所は褒めるに値するけど、その行動は愚行にもほどがあるよ…』

「いや、…すまん」

予想以上に苦導にも心配をかけてしまっていたようだ

『毎回言っているだろう?いつになったら懲りてくれるんだい?藪危?貴様は奪う側の人間であっても救える側の人間ではないんだよ?』

「あぁ…」

『まぁ…貴様の場合なら吾等の理解の幅の越えてあの状況で彼女の死体の上で乗る形で助かったのだのの夢物語を演じてくれたかもしれないけどね』

「…あぁ、そうかもな」

『あぁ、報告のほうはもういいからな!藪危!全ては戦友たる暗道から聞いている…貴様の奇行から貴様の哀れな姿な状況の詳細な情報までね♪』

「暗道コロス!」

『ふふ、やはり、吾は思うだが藪危…』

「?」

『貴様に誰かを救うということは無理なんだよ…』

「…」

『貴様がそれを意識すれば意識するほどそれは不可能なことなのだよ…それは貴様が一番わかっているだろ?』

それが一番わかっているか…

「さぁな…」

『ふふ♪』

「なぁ?苦導…」

『何だい?藪危』

「お前は自分に会って後悔してるか?」

『そりゃあ後悔してるよ…』

「…」

『それでも、今はそれを忘れるくらいに楽しさでいっぱいさ♪」

「…そうか」

『お返しに質問だ!藪危』

「?」

『貴様はあの時、もしも彼女が貴様に助けを求めていたら貴様はどうするつもりだった?』

「…」

そりゃあ…

「助けるつもりだった…」

『あの荒餓鬼を敵にまわしてもか?』

「それこそ愚問だよ…苦導…」

『ふふ♪やっぱり、貴様と一緒にいると後悔ばかりだよ!』

「…」

『もっと、早く会いたくてたまらないくらいにね♪』

「…そうか」

『それじゃあ、明日の放課後また会おう!』

「? 放課後?」

『頼みごとがあるのだ♪』

「まさか…粛逝委員会の仕事か?」

『そのまさかだ♪』

「…」

『おっと!言い忘れていたが貴様の心の声風に言うなら【ちなみに、事後処理の方は荒餓鬼側が何とかしてくれたそうだ♪】』

「…そう言えば感謝状らしきものが自分宛てに届いてたな…」

あれは律義と言うのか面目を守るためというのか…

またまた、悲劇が展開されそうだ

まったく…一週間に三回の悲劇が展開されるとはこれはこれは珍しくひどい月周りになりそうだ

月を見るといまだにその月は四月を指していた

4…日本人が特に忌み嫌う死の数字…

『さて、そろそろおいとまさせてもらおう…』

「それじゃあ明日な…苦導」

『あぁ…明日だ!藪危』

ピッ!



さて、爽やかな展開はここまで

今回の終止符を打ってくださるのは我等が呪姓の一族きって姫君

ニャ~オ!

「?」

入れてない着信と非通知電話に戸惑うが出ることにする

『お楽しみしているかしら闇昇クン♪』

呪いを操る呪姓の王女…鬱蒔姫 兇日【うつまき きょうか】だ…

どういう人物かと聞かれると白のシンデレラドレスに身に纏い白の長髪に悪魔のような赤黒き瞳の持ち主

と言えば粗方彼女の容姿についての質問は答えられる

そして、彼女は唯一自分と呪いで呼び合う仲の人物

『まぁ、あなたのことですから今回のこともあなたなりうまくやってのけてくださったんだろうけど♪』

「? 何のことだ?鬱蒔姫?」

『あら?気づいて無くって?彼女のことよ♪落咲 末菜ちゃん♪』

落咲 末菜?

「そんな人物は知らんが?落咲なら落咲 妖芽【らくざき ようめ】しか知らないけど…」

落咲…その呪われた姓は鬱蒔姫が与えることができる四つの姓の一つであり

その姓は鬱蒔姫の盾となる者に与えられる姓

『…あの子の名前を出せるなんていい身分になったもんね♪闇昇クン♪』

「…」

そうだ…この名ことは禁句だった…

『まぁ、あの子を失っちゃったおかげで私は代理の子と探さなくちゃいけないハメになっちゃったんだけど…』

「…」

『あなたのせいでね♪闇昇クン♪』

「…」

変なところで伏線を振るな!

ただでさえ、過去の話はほじくりまわしたくないものばかりだというのに…

「てか、その前になぜこの電話は繋がってるんだ?自分は鬱蒔姫に電話番号以前にメールすら教えてないはずだが?」

『それはかくかくしかじかの理由でね♪』

「言葉で説明してくれよ…」

『ダメだよ♪闇昇クン♪そんなんじゃあダメな子に育っちゃうよ♪』

「…」

相変わらずハチャメチャな人だ…

『そんなわけだから代わりの人を探していたわけですよ♪』

「…」

『それが側背 南下ちゃん♪』

「!」

側背 南下!

そうか!そういうことか!

だから、彼女はあんなにも強かったのか!

「…しかし、それだけではどうにも納得いかない…どうしてあんなことになったんだ?鬱蒔姫…お前なら失敗なんてヘマは起こすはずが無いだろ?」

『それが失敗しちゃったのよ♪どうしてだがわかんないけど呪いに耐えることができなくなって彼女は暴れちゃって手が付けられない化け物になっちゃったの♪』

…化け物…か

「お前ほどの“魔女”と言われた呪いの使い手がか?」

『まぁ♪自分の力を過信しすぎた?…ってな感じかな♪取り返しのつかないことにならなくてよかったわ♪』

「…」

『もし、荒餓鬼につながりを知られたらそれこそ、私と荒餓鬼が戦争しなくちゃ!でしょ♪』

「…あぁ、そうだな」

『まぁ、今回はこんな所かな?』

「一つ質問…いいか?鬱蒔姫?」

『何?』

「なぜ、彼女は頻繁的に自分を狙っていたんだ?いや、もしかしたら、ただ自分が安易に近寄ったがために狙われたってのもあるかもしれないが、彼女はまるでお前に導かれてここへとやってきたように思えるんだが…そこのとこどうなんだ…鬱蒔姫…」

『さぁ?』

「…さぁ?って」

『だって知るはず無いじゃない♪暴れてしまった少女の気持ちを私が詳しく知っているとでもそんな私は神様ではないわよ♪』

「…」

『そうね…けど、これだけは言っとくわ』

「…」

           『あなたのことは恨んでる♪』

「…」

『あぁ!これは干殻美 誘梨【ひからび さそり】ちゃんからの伝言』

「…」

『また、一緒に遊びましょ♪』

「未来永劫その事が実現されることがないことを自分は切に願っているとお伝えください!」

『またまた♪もう♪闇昇クンったら照れ屋だな♪』

「わざとか?鬱蒔姫?」

『伝言はホントよ♪』

「…」

ヤバイ!…鳥肌が立ってきた

『それじゃあ、ご機嫌よう…闇昇クン♪』

「…」

ピッ

こうして、彼女との会話は自分のトラウマをほじくられる形で幕を閉じることとなる



ちなみに、デパートのシャッターがなぜ出入り口した作動していなかったことを暗道に聞くと

「さぁね…どっかの誰かさんの所為じゃない?今まで正しく作動していたシャッターが誰かさんの登場により誤作動が起こり出入り口のシャッターだけが作動してしまった…そんなオチじゃない?」

なんともそれは…

「笑えない…」

てな、訳で今回はこのような終わり方を見せるわけだがはっきり言ってスッキリしない

今回もまた伏線を張るだけ張って

さらに張り巡らされた…そんな形のオチでしかない…

一つ言葉で締めくくらせていただけるなら

「…どいつもこいつも狂ってる」

しかし、この話で一つだけ理解したことがあるならそれは…

「…」

まだまだ、自分の感情も捨てたものではないな…と言うことである…


ちなみに自分は家に帰って買出しのことを忘れていたため血毬さんから厳しい拳骨の嵐を浴びた

てな、わけで今回の話はおしまい…




皆さん?お楽しみいただけましたかな?

それでは、皆さん今宵は本当にお疲れ様でした

仮…といえば良いかな?闇昇 藪危です

今宵の悲劇【狂気仕掛けのキラーマシーン 落咲 末菜の悲劇】はこれにて終了とさせていただきます

今宵の悲劇の長きに渡るそれぞれの人間関係や新たな伏線に新たな人物たちは

皆様に新たなる違和感と不快感を与えるきっかけとなってくれていれば幸いなことです…

さて、今回の悲劇の主人公たる…

そう!落咲 末菜については驚きなことが多いとは思います

褒められることを苦しみとする彼女

それを殺意へと変える力を変えてしまえてしまった彼女は

やはり、存在してはいけない人間の一人であったのでしょう…

結局彼女は何一つ満足のいく結果を得ることができなかった…という解釈もできてしまう結果となってしまいました

まぁ、これが正しい報いなのかもしれません…

さて、今回の悲劇では前回登場することのなかったメンバーや活躍の場を逃してしまった暗道さんのご活躍がありました

藪危の目のコレクトを狙う 深目 殺目

終わらせ屋の二つ名を持つ女性 苦導 戦掛

そして、お馴染みの二人組み 藪危と百禍

今宵の悲劇はこの5人によって展開されたものだったと言えるでしょう♪

しかし、この中にもしかしていれるのなら二人くらいは許されるのかも知れません

暗道のお付のハッカー 無理上 空非

呪いを操る呪姓の女王… 鬱蒔姫 兇日

まぁ、今宵の主人公は当然のことながら 落咲 末菜ちゃんのことになるのですがその存在が薄れてしまうんじゃないかと言うくらいに色濃いキャラクター達が今宵も楽しませてくれたことでしょう!

さて、皆さん次の悲劇も用意されている事ですし

そろそろ終わりにしましょうか…

決まり文句をつけることはいいことです

と言うわけで今宵も言わせていただければ幸いな限りです

闇昇の血続く限り!血の悲劇は繰り返される!

それでは、皆さんこれにて、この劇の閉幕とさせていただきます。

次のご来演を期待し!この町にあなたが訪れないことを願いとし閉幕とさせていただきます。それでは皆さんまた、会いましょう…

…やるのか?

やっちゃっていいのかな?


藪危の悲劇 後書き&キャラ設定コーナー!

作者:と言うわけで始めちゃましたよこのコーナー…

仮藪危:これだけの長編書いといてここまでやるとは…お疲れ様なことだな…

作者:うん!実際、この話を終わらせるのにも1ヶ月くらいはかけてるみたいだよ

仮藪危:マジかよ…

作者:ちなみに自分はとても多忙な身であるために夜中に打ち込み続けて仕上げていった感じ

仮藪危:よくわからんが、仕事のほうを大切に仕上がれ!

作者:実際この話とか書くとストレス発散でとても体にいい♪

仮藪危:ある意味ではとんでもないコメントだな!おい!

作者:けど、これだけ書くと大変だな…

仮藪危:? 何がだ?

作者:メンテナンスだよ! けっこう誤字脱字とかあったりして大変なんだから!壱の時なんて3回以上はやってるんだから!

仮藪危:それは、気をつけて作れよ…

作者:しかも、ラストの大事なほうを変えるハメになったり大変だったんだから!

仮藪危:まぁ、何と言うか部外者の俺から言えることは自業自得だな

作者:…冷たい

仮藪危:世の中そんなもんだ♪

作者:あぁ!穴に入って冬眠して死にたい…

仮藪危:…どうしようもない野郎だな!お前は

作者:君を作るような作者ですから♪

仮藪危:さて、本題に入っていくか…

作者:あれ?スルー?

仮藪危:前回から読んでるヤツならわかってくれると思うが仮召喚システムだ!それ以上ゆうとややこしくなりそうだからそんなところだ

作者:えっ!?そんな説明でやっちゃうの?

仮藪危:…いちいち説明すると前回から読んでる人が読むのが大変だろ?

作者:…そっか

仮藪危:てなわけで、そろそろ行くぜ!

作者:まぁ、多分、今回は本編長かったからこのコーナーは多分予想上に短いよ♪



側背 南下:側背 南下…もしくは落咲 末菜とお呼びください…私から話すような自己紹介はありません

仮藪危:…前回とは打って変わって話しの進めずらそうなキャラクターだぜ

南下:あなたが仮藪危さんですか?

仮藪危:あぁ、そうだが?

南下:いえ、どこか、私の知っている人に似ていたので同一人物かと…

仮藪危:…

仮藪危:さて、質問に入ろうと思うんだが

南下:はたしてこのコーナーの必要性はどこにあるんでしょう?

仮藪危:お~い!いきなりこのコーナーの全否定から始めるなよ!てか、本編とキャラ変わりすぎじゃね?

南下:一応、私は温厚な性格なんですけど…呪いによってあんな風になってしまったと言えばいいんでしょうか?

仮藪危:あぁ…そうなのか…それは、悪いことを聞いたな…

南下:そうでもないですけど…

仮藪危:…

南下:…

仮藪危:やべ!あんた嫌いなキャラだよ!

南下:奇遇ですね?私もそう思いました…

仮藪危:なんだろうな?この気持ち?こんなこというのも何だがここでいちなり打ち切りにしたいくらいだ

南下:どうぞしてください…私はその方がとてもうれしいです

仮藪危:まぁ、そうもいかないんだが…そうだ!ゲームをしようぜ!

南下:? ゲーム…ですか?

仮藪危:そ!罵りゲーム!罵り合って怒ったほうが負けってことにしようぜ!まぁ、お前の場合は罵っても意味ないから俺からは褒めるから♪

南下:…よくわかりませんがやる意味あるんですか?

仮藪危:いや!ページ埋めに!

南下:…

仮藪危:南下ちゃんは頭良いなぁ~♪

南下:あなたは弱虫ですね

仮藪危:やっぱ、南下ちゃんに頼み事して良かったよ♪

南下:いちいち態度がキモイ

仮藪危:南下ちゃんは走るのも早いんだなぁ~羨ましい♪

南下:そんなに死にたいなら早く死ねば?

仮藪危:やっぱ、南下ちゃんかわいいよ♪

南下:やっぱりあなたはゴミムシね♪

仮藪危:…

南下:…

ガシ!(取っ組み合いが始まった)

仮藪危:…よくわからんがそのあだ名!俺の心の奥をよくも抉ってくれたな!

南下:私のこの世で一番嫌いな言葉をよくも言ってくれましたね!

仮藪危:お!?本編でのテンションが戻ってきたようだが甘い!俺は女性にも手を抜かない主義なのさ♪

南下:!卑怯な!こうなったら…末菜モード!

ピカ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!

仮藪危:何!バカな!

末菜:よくもやってくれましたね!ここからは私が相手します!

仮藪危:待て!それは、せこいだろ!?そんな状態で攻撃されたら!グハ!

末菜:問答無用です!

仮藪危:ちょまっ!グハ!グゲ!グフ!…



仮藪危:…(返事がないただの屍のようだ)

末菜:これで懲りましたかね?

末菜:なんだが、これじゃあ終わらせる人がいないようですね

末菜:しょうがありませんね!私が代理してやらせていただきましょう!

末菜:それでは、皆さんご機嫌よう…バイバイ♪

【bad end and deth end?】

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