362回目 丁度良い実験材料になってくれ、それくらいしか使い道がないのだから
とかく人の邪魔をする連中。
のさばっていたこういう輩の排除。
それによって得られた成果。
それらに鑑みて、トモルはこれらを徹底排除する事にした。
その為に避けて通れないのが教会である。
人々を分け隔てなく扱う。
その美辞麗句、きれい事が教会のお題目だ。
これがもたらす害悪ははっきりした。
救済の名目がもたらした害悪は大きい。
その最大のものが、擁護という名の悪事の容認である。
暴言や罵倒。
何にしろ反対や否定をする者達。
そして常に他人にケチをつけ、自分では何もしない者。
それらも教会が擁護していた。
おかげで様々な問題が頻発した。
それを一掃していく事が出来る。
悪事を擁護する悪党として。
トモルの領内ならば、ほぼ駆逐していたのだが。
しかし、新たに加わった勢力内にはまだ幾らか残ってる。
隠れてる信者も含めて。
それらを一気に駆逐していく。
「一気にやれ。
遠慮するな。
信者も根こそぎ殺せ」
トモルの指示は徹底していた。
「逮捕はするな。
捕まえる必要は無い。
そんな手間をかけるより、一人でも多く殺せ」
捕まえれば裁判やら刑務所の準備が必要になる。
わかりきった悪党相手に、そんなものを用意する程暇ではない。
何より、時間も手間も労力ももったいない。
これらは速やかに実行されていった。
トモル自身も先頭に立って動いていった。
それだけではない。
トモルが新設した部隊。
それも率先して使っていった。
火縄銃などを装備した最新部隊だ。
教会と信者の殲滅。
それは来たるべき内戦に向けた実地演習として扱われた。
実際に部隊がどれだけ動くのか。
どれだけ問題が出てくるのか。
それらを洗い出すための。
その成果は大きなものになった。
新兵器を運用する新設された部隊。
それらを動かすにあたり、どれだけの問題が出てくるのか。
それがはっきりしていく。
「こりゃ、改善のしがいがある……」
様々な問題が噴出してくる。
その報告を見るだけでうんざりする。
だが、問題が見えてくるだけでもありがたい。
何をなおせばいいのかが分かるのだから。
その修正を繰り返し繰り返し行なっていく。
とにかく出てくる問題点。
それを次々になおしていく。
現場での動き。
後方支援。
そもそもの運用法。
とにかく思いつく限り。
幸いなのは、事前に想定していた通りの問題ばかりだった事。
どうしてもこれは出てくるだろうと思っていたものばかりだ。
そうと分かっていても、どうにもならない事があるのを突きつけられる。
人が動いてるのだ。
それは思うように動かせない。
なので、絶対に問題や障害は発生する。
ただ、それが出来るだけ少なくなるように。
出来るだけ小さくなるようにするのがせいぜいだ。
それでも、改善が進むごとに効果もあがっていく。
作戦行動が上手くいくようになる。
それがもたらす今後の状態を思おうと、笑みが浮かんでくる。
問題を起こす連中を擁護してた団体。
それが消えれば、今後の行動もやりやすくなる。
そして、代わりの宗教で神社を投入していく。
精神面での侵略を防ぐために。
「あとは……」
そうしてから、馬鹿な事が二度と起こらないように対策もしていく。
法律面からも。
「二度と口に出来なくしてやる」
程なく、トモルの領域で一つの法律が実施された。
罵倒暴言、つまりは悪口。
それを対象とした取り締まりが。




