表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第9章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

336/531

336回目 一族として、有力な者に嫁がせたいという考えもある

 同じ柊の一族であるケイ。

 その実家の者達は、ケイを輿入れさせようと考えている。

 別に探りを入れて確かめたわけではない。

 ケイも、ケイの実家もそう申し出ているのだ。



「もし良ければ、ケイも嫁に加えてくれ」

「お願いできないかしら」

 時折顔を合わせるケイの両親はそんな事を言う。

 加えて、年賀状や暑中見舞いなどの挨拶状でも。



 ありがたい話である。

 男としては嬉しい申し出だ。

 だが、既に嫁を二人抱えてる身としてはおいそれと受け入れられない。

 この世界が一夫多妻を是としていてもだ。



 それは、何の考えなしに女房を増やせと言ってるわけでもない。

 それだけの甲斐性があるなら、という前提付きだ。

 幸い、トモルは経済面でのそれを軽く解決できる。



 ただ、既にいる二人の嫁との兼ね合い。

 あとはトモルが嫁に振り向けられる労力と時間。

 これらのやりくりを考えねばならない。

 となると、ここから更に増やすというのは難しい。



 もちろん、本人の意思や気持ちも大事だ。

 これなくして始まらない。

 ただ、理由はともかくケイの方は問題は無い。

 常々好意は表明しているのだから。



「けどなあ」

 とはいえだ。

 すぐに承諾するわけにもいかない。

 とてつもなく忙しい時期なので、とても結婚の準備までしてられない。

 やりようはあるのだろうが、それでも調整が必要になる。



 教会での挙式は考えてないからこれは無視できる。

 政府への届け出で障害になる貴族たちも、辺境王族の力でねじ伏せられるだろう。

 だが、親御さんへの挨拶や、挙式の手間などを考えるとやはり時間が必要だ。

 資金も求められる。



 今後の予定を色々変更してこういった事をしていくのだ。

 どうしても二の足を踏んでしまう。

 嫁二人を無視していくとしても、やはりこういった部分は解消出来ない。

 そして、これらが解消できても、嫁二人の承諾が得られるかどうか。



 まして二人が身重な時期にだ。

 そんな時に新たな夫人をこさえるのはどうかと思う。

 血筋の増産という意味では、布陣が重厚なのは喜ばしいが。

 それにしたって、親族親戚の血筋がある。

 無理する事は無い。

 子だくさんというほどではないが、柊一族もそれなりの数がいる。

 血筋が途絶える心配は、当面は必要ない。



「でも、多いにこしたことはないでしょ」

 ケイは特に気にする風もない。

「何にしたって、血筋は多い方がいいんだし」

 途絶える可能性を減らすなら、その方がいいのは確かだ。

「私んちはその方が都合がいいし」

「それなんだよな。

 なんでオジさんとオバさん、あんなに乗り気なの?」

「そこはほら、勢いのある所にすり寄っておこうっていう。

 処世術よ」

「生臭いな、本当に」



「それに」

「なんだ?」

「私もここがいいし」

 そう言って更に笑みを増す。

「どうせそのうち嫁ぐなら、勝手知ったるが一番だよ」

 馴染みのあるところが気が楽なのは確かだ。

「あと、トモルさんがいいし」

 そういうケイの顔には、いつも通り悪戯っ子のような笑みが。

 加えて少しばかりの照れが浮かんでいた。

 今まで見たことが無い表情だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/posts/2691457


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ