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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第8章

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315/531

315回目 借金問題の解決、主に貸し出す方の救済 3

 そうしてトモルの領内に貸金業者が流れこんでくる。

 これらが領内の発展に大きく寄与する事になる。



 借金は可能な限り避けた方がいい。

 これはトモルの持論である。

 同時に、世の中の基本であり常識だろう。

 金に限らず、貸し借りは出来るだけない方がよい。



 だが、そうした手段も時には必要になる。

 大きな事業を起こすとき。

 当面の資金が必要なとき。

 そういった時に、金を瞬時に融通する手段があるのは便利だ。



 トモルの領内にも、そうした資金が必要な商人はいる。

 今少し資金を増やして、事業を拡大したい。

 当面の資金繰りの為に金がほしい。

 そういう状況のものはいくらでもいる。



 そういった者達にとって、流れてきた貸金業者は渡りに船だった。

 事業拡大を考えてる者達にとって、必要な資金を調達する手段として。

 貸金業者にしても、そうした者達が多いのは助かる。

 商売を軌道に乗せるために。



 おかげでトモルの領内の発展は一気に加速していく。

 切り開かれていくモンスター領域。

 発展の可能性を秘めたそれが目の前にあるのだ。

 商売の需要はいくらでもある。

 だが、なかなかそこに乗り出せずにいた。

 資金が無かったから。



 それがやってきたのだ。

 この機会を逃すわけにはいかない。

 やってきた貸金業者に商人達は殺到した。



「それはいいんだけど」

 その様を見て、トモルは一応釘をさしていく。

「返せる範囲で借りろ。

 返せる奴に貸せ。

 これだけは守れ」

 当たり前の事である。

 だが、それを忘れてるかもしれない。

 だからはっきりと言っておく。



「俺は助けないからな」

 一番大事な事だ。

 破産したとしても、トモルは一切手を出さない。

 貴族から助けたように貸金業者を助けない。

 借金で首が回らなくなっても、借りた者を助けない。

 それをはっきりさせた。



「貴族から助けたのは、貴族があまりにも不当で非道だったからだ。

 お前らがこれからやる商売の方は、絶対に助けないからな」

 それは正当な取引である。

 契約である。

 ならば、それを助ける道理はトモルにはない。



 そこは商人も分かってる。

 彼らとてそこまで甘えるつもりはない。

「もちろんです」

 釘を刺すトモルにしっかりとこたえる。

「返せない者には一銭たりとて貸しません」

 それは金貸しの矜持だ。



「それが分かってるなら良い」

 トモルもそれ以上は言わない。

 分かってるならことさら言う必要もない。

 話はそれで終わりだ。



 だが、トモルと貸金業者はこれで終わったとしても。

 終わらない連中もいる。

 折角借金が(トモルによって)消えたというのに、一銭も借りれない。

 そうなった貴族は多い。



 そのほとんどはトモルが借金を引き受けた者達だった。

 その中でも比較的まともな連中だった。

 少なくとも藤園関係への献金に奔走していた連中ではない。

 だが、そういった者達であっても、返済が滞ってる者達はいる。

 それらへの貸し出しを、貸金業者達は全員断った。



 貴族は腹を立てるが、誰も一銭足りとて貸しはしない。

 事情や理由もなく支払いを滞らせていた者達が相手だからだ。

 彼らとしては、返済が期待できないものに貸す理由は無い。

 そんな連中はこぞって泣きついた。

 王族に。



 貴族連中は、トモルが関係をもった王族に出向いて訴えた。

「借金はとりあえず無くなった。

 それなのに借りれないとはどういう事か」

 それが彼らの言い分である。

 ずいぶんとふざけた話だ。

 その返済は自力で為したものではない。

 全てトモルが肩代わりしたものだ。



 なのに、借金がなくなったからと新たに借りに来る。

 馬鹿げた戯言としか言い様がない。

 まともに返済もしない者をどうして貸金業者が相手するのか?

 そういった考えがそもそもない。



 また、トモルが助けたのは、困窮にあえぐ貸金業者だ。

 貸したものが返ってこず、泣き寝入りを余儀なくされていた者達だ。

 それらを助けるために、借金を肩代わりしたのだ。

 貴族を助けるためでは、断じてない。



 だが、王族としてはそれを放置するわけにもいかない。

 とりあえず仲裁としてトモルを呼んで話していく。

「それはさすがにどうなのか。

 彼らの言い分も聞いてやってくれ」

 これに対してトモルははっきりと言った。

「馬鹿なことを言ってんじゃねえ」

 王族は目をむいて驚いた。

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