やりきれない気持ち
早い段階での面談を希望し、臨床心理士の先生の予約をとり、その日から一週間ほどでの面談日となりました。
先生に事の詳細を話すと、そうでしたか、と先生も医学の観点から見れるかもしれない、という希望がなくなった事に対してガッカリしている様子でした。
しかし、先生は最初にも言ったように、発達障害の子供には痛みに鈍感な子がいること、発達障害の専門の医師はそれも兼ねてみること、だから希望が断たれた訳ではありませんよ、と優しく諭してくれました。
歩さんは、医師という医師に絶望し、その発達障害の専門の医師でさえも疑ってかかっていました。もう医師と名の者は信用してはいけない、そういったレベルでの不信感でした。
しかし、ペイちゃんの言葉の遅れなどこれから出てくるかもしれない症状の改善には医師の診断の元、訓練が必要なのだと臨床心理士の先生は必要性を必死に説明してくれていました。
そして、その話がなんとなく終わりが見えなくなった頃、歩さんがもう一つ頭を悩ませていた問題を打ち明ける事にしました。
それは、旦那さんともめ続けている二人目問題でした。
「二人目、全く同じ症状とか、発達障害とかだったら、ペイが二人になるってことでしょう!?私にはそれが考えられないんです!先生はどう思いますか!?」
と問いかけたのです。
先生はしばらく考えた後に
「正直、兄弟で発達障害というお子さんがいるのも事実です。きっとものすごく大変だと思います。しかし、兄弟が出来たからこそ学んだり、成長する部分もあると思うのです。やはりそれは夫婦でよく話し合って結論を出さないといけないと思いますね。」
と言いました。
確かに、兄弟ってずっと支え合い助け合い、お互いに成長できる素晴らしいものだと思います。しかし、歩さんもどこか一点集中で同時に何個も何かをこなすタイプではないのです。それに対してペイちゃんが二人になったら…と想像するとやはり無理なのでは、と正直思いました。
そんな話をしていたら、あっという間に時間となり、支援センターを後にしました。帰りの車の中で私と歩さんはその話の続きをしていました。
歩さんの気持ちの中でペイちゃんの発達障害ももちろん、お金の面、それらを踏まえたら無理だろう、と思いつつも自分と旦那さんの歳を思えば今を逃せばもう無理なのでは…という矛盾もあり、ここ1年かそこらで結論を出さなくてはならないのではないだろうか、と歩さんは焦っているのでした。
それに関しては、私は本当に歩さんとペイちゃんにとって…と本当に考えましたが、結論が出ませんでした。
そして、場を和ませる意味もあって一つの冗談を言ったのです。
「ねぇ、歩は今は欲しくない。でも歳だから…って感じなんでしょ?それは旦那さんも一緒じゃん?来年の出産がリミットだと感じるなら今作るしかない訳でしょう?二人で揉めるよりも、采配を天に任せるのはどうだろう?」
すると、歩さんは
「えっ!?どういうこと?!」
と食らいついてきました。
「だから、まだできるかどうかもわからないじゃん。だから、来年中に産みたいならタイムリミットとかを決めて、向こう半年だけ子作りしてダメだったら諦める…とか。」
と私もかなり突拍子もないことを言ったのですが、歩さんは
「それいいじゃん!!できたらできた後に考える!!できなかったら諦める!!それいいよ!!もうさ、あたし頭パンクでこの半年喧嘩ばっかで嫌気がさしてたんだよ。それなら旦那も納得するよ!!そうする!!」
それでいいの!?と、冗談交じりだったのに、その後の運命が託され、正直ビクビクすることとなった私は毎月気になるようになったのです。




